コロナワクチンの他に、接種すべきワクチンがあります

「コロナのワクチン、ここで接種してもらえるんですか」「先生はもう、済んだんでしょう?」

生活習慣病で当院に通院されている方が、最近このように尋ねることが増えてきました。

「ここで接種できるはずですよ。いま、市の方で準備中だと思います。でも、私もまだ接種してないんですよ」

そのようにお答えすると、ありゃ、先生もまだなんですか、みたいな顔をされますが、本当にそうなんです。

問診票とクーポンだけは、だいぶ前に受け取りましたが、具体的な接種の日程は、まだ決まっていません。

来月後半に1回目、5月に2回目の接種ができたら、まあいいか、ぐらいの気持ちで待っているところです。

今夜の「報道ステーション」で、先進諸国の中で日本だけが断トツに、接種が遅れていると報じていました。

英米では半分近くの国民が接種済なのに、日本はまだ1%にも満たないという、まことに情けない体たらく。

日本はなぜ、こんなに遅れてるんでしょうね、などとキャスターが言ってましたが、笑わせてくれますね。

根拠も曖昧なまま、HPVワクチンの副反応を疑う動画を繰り返し放送して、接種を事実上止めたのは誰ですか。

科学に基づかない反ワクチン報道を続けてきたメディアが、コロナワクチンの遅れをよく指摘できたものです。

先進国の中では日本だけ、女性が子宮頸がんに罹患し、子どもがおたふくかぜで聴力を失う。そんな国です。

コロナでこれだけ大騒ぎするくせに、毎年3千人亡くなる子宮頸がんを、どうして予防しないんでしょうね。

年度末の駆け込みのHPVワクチン接種も、それほど多くはありませんでした。まったくガッカリです。

筒井康隆『ジャックポット』毒中感

筒井康隆を久しぶりに読みました。短編集の『ジャックポット』です。思った通り、筒井節が炸裂しています。

まだ全部は読んでませんが、すでに私の精神が披露宴。全話読めるかどうか、震度1ほどの自信もありません。

言葉遊びと言うにはほどがある、不適切・不穏当な言葉がイヤと言うほど登場します。(以下、ネタバレあり)

ネットなら炎上して燃え尽きるような問題表現が、書籍だからこそ自由自在の書き放題なんですね、逆に。

「親しき仲にもコロナあり」「一難去ってまたコロナ」「のど元過ぎればコロナを忘れる」「弱り目にコロナ」

こんなのは、品の良い方。よい子はうっかり読まない方が良い本です。

ただ、最後に収載されている『川のほとり』は、ホントに切なく、静かに泣かせる話でした。

癌で昨年亡くなった息子さんとの、夢の中での邂逅。それが夢だとはわかっていても、静かに会話を続けます。

私は不意に、江戸末期に博多の聖福寺の住職だった、僊厓義梵 (せんがいぎぼん) 和尚の話を思い出しました。

正月にめでたいことを書けと殿様に言われて、「親死ね 子死ね 孫死ね」と書いたことでも知られる人です。

この逸話を、中学生時代に美術の木本先生から聞きました。後に、山口県立美術館の館長になった人です。

その木本先生があるとき「絵心とはなにか」という宿題を出しました。親に訊いて、次の授業で提出せよと。

あれから半世紀近くたっても時々思い出しますが、先生が求める答案は何だったのか、いまだにわかりません。

尖閣に上陸されてしまう前に

「電子戦」に対応する最新鋭システムを備えた部隊が、熊本市の西部方面隊に日本で初めて設置されました。

その名も「第301電子戦中隊」。そこに「ネットワーク電子戦システム(NEWS)」が配備されています。

平時は電波による情報収集、有事には相手へ通信やレーダーを無力化するなどの任務を行うといいます。

「無力化」というのは、相手の通信を混信させ、ミサイルやドローンの誘導を妨害することのようです。

もしかすると、相手の電子機器を一瞬にして無力化する「EMP(電磁パルス)」機能を持っているのかも。

熊本に続き、今後は北海道、長崎、鹿児島、沖縄などにも電子線部隊を配備する計画とか。

電子戦の「相手」は誰を想定しているのかは、言わずもがな。ていうか中国ですね。

「陸」「海」「空」に次ぐ新しい安全保障領域が、「宇宙」「サイバー」そして「電磁波」だとされます。

この3つの「新領域」の頭文字をとって「ウサデン」。「ウナデン」じゃないです。「ウナドン」でもない。

「サイバー」だけ英語っていうのが統一感がないので、ここは「電脳(空間)」とすべきでしょう。

なので、新3領域の呼称は「ウデンデン」でいきましょう。

陸自のNEWSは地上配備の車載型ですが、米軍にはすでに戦闘機型の「電子攻撃機」があります。

「電子妨害士」が搭乗して、ミサイルの代わりに妨害電波を発射するとか。「妨害士」って、なんかウケる。

中国軍が尖閣諸島に上陸するのは時間の問題のような気がしますが、はたしてそれをNEWSが阻止できるのか。

電子戦で対抗できなかったら、次は従来の「陸海空」で戦うしかないんでしょう? それだけは避けたい。

こむら返り予防法(重い掛け布団が好きな私の場合)

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2827.html" target="_blank" title="こむら返り">こむら返り</a>」に悩まされている人は多いと思います。私も時々(油断したとき)、夜中に突然襲われます。

突然と言っても、少なくとも私の場合、前触れがあります。

こむら返る直前、たぶん1,2秒ぐらい前、ハッと目覚め、次の瞬間にやって来る激痛を予感するのです。

ちょうど、地震の「S波」が来る前の「P波」を感じたときに、「来るっ!」と身構える瞬間にも似ています。

残念ながら地震は、敏感にP波を察知できたところで次のS波を防ぐことはできません。ただ待つのみです。

一方で、こむら返りの場合は、予兆を感じた後に一切動かなければ、痙攣の開始を遅らせることはできます。

とにかくじっと動かず、次の激痛に耐える心の準備をして、それから受け入れ、悶えるのです。

患者さんにもよく相談されるので、私は次のような、こむら返り予防法をいつもお伝えしています。

(1)日頃から運動不足にならないようにすること(これ、私自身がいちばんできてない)

(2)寝る前に水分を十分に摂ること(私は枕元に水筒を置いて、寝る前と夜間覚醒時に飲んでいます)

仰向けに寝て、つま先が伸びた(足関節が底屈した)状態は、こむら返りを誘発しやすいといわれます。

とくに私のように重い掛け布団に圧迫されて寝るのが好きな場合、足にはかなり負担がかかりるはず。なので、

(3)横向きに寝ること(夜中に、うっかり仰臥位で寝ていることに気付いたら、すぐ横を向くこと)

このうち(1)(2)では完治しなかった私のこむら返りが、(3)の導入によってすっかり消え失せました。

寝始めぐらいは仰臥位になりたいのですが、うっかりそのまま寝入るのが怖くて、最近は最初から横向きです。

発熱外来は規模を縮小しますが、来月も続けます

一昨日の昼休みに院内で、職員と一緒に昼食を摂りました。もちろん、もろもろ配慮した上での会食です。

来週から産休に入るスタッフの壮行会と、入れ替わりに入職するスタッフの歓迎会も兼ねた食事会です。

好天だったので3方向の窓とドアを全開にして、みな窓際に座り、互いの距離を最大限に確保して行いました。

しかもほとんどの職員が、たまたま先週PCR検査(スクリーニング検査)を受けており、陰性確認済。

「換気十分」「距離確保」「短時間」「PCR陰性」という、今どきの手立てはすべて打った上での会食です。

あ、いや、これに「ワクチン接種済」が加われば最強なのですが、当院ではまだ誰も接種できていません。

医療従事者のワクチン接種が始まってだいぶ経ちますが、末端の医療機関まではなかなか順番が回りません。

先日、クーポン付きの問診票だけは届きましたが、実際の接種は来月中旬以降になりそうです。

大都市や中核都市で感染者数が増えているなか、さいわい、いま熊本での感染者数はとても少ないですね。

しかし、愛媛や宮城のように、ひとたびどこからか感染者が入り込むと、あっというまに感染が爆発します。

この年度末〜年度初めに、大都市圏からの人の移動が増えたらどうなることやら。まったく油断できません。

発熱外来への国の補助金は3月末で終了しますが、当院は4月も、時間枠を縮小して発熱外来は続ける予定です。

受診ご希望の方は、必ずあらかじめ電話でご予約の上で、できるだけ自家用車でご来院ください。

なお、時間的・空間的分離は厳格に維持していますので、一般の受診者もどうかご安心を。

要点をすぐに言わない人に、いちいちイラつかない(自戒)

「文を頭から読み進めたとき、読み返さなくても理解できるのであれば、長さにこだわる必要はありません」

という、先日読んだ某「文章術」の意見には、禿同(←いまどき言わんかな)。

以前、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-165.html" target="_blank" title="ブログ記事を1つの長文で書いた">ブログ記事を1つの長文で書いた</a>こともありましたが、アレは息切れするので書いてて面白苦しかった。

けれども、思ったままにその順番で言葉を書き連ねた文章は、読む側には意外と楽かもしれないと思いました。

と言うのも、大事なことを後回しにして喋る人が時々いて、私は聞いてて少しもどかしい思いをするのです。

とくに若い頃には私は、「できたら要点から先に言ってほしなぁ」と、いつも思っていました。

修飾語はあとでいいから、まず結論をストレートに言ってほしいのです。せっかちなんですね。

でも、優しくて奥ゆかしい人ほど、話がソフトになり、主旨がとらえにくくなりがちなことに気付きました。

なので私も最近は、大事なことを後回しにするのは親切心ゆえだと考えて、イラつかなくなりました(多分)。

「問診」は文字通り「聞くこと」ですが、効果的な問診ができるかどうかは結局、「訊き方」次第ですね。

私は、年上の女性と雑談しながら問診を深めるのが好きですが、しばしば漫才みたいな会話になります。

そのようにして経験豊富な先輩方と世間話をしながら問診する術を、毎日実地訓練させられているわけです。

「聖火リレー」スタート

「聖火リレー」がついに始まりました。

コロナ禍がどうなるにしても、とりあえず始めると。軽々しく賛否を述べるには、状況があまりにも複雑です。

リレーが全国を走るのは、五輪に向けて国民が盛り上がるのが目的であり、本来声援は多いほど良いはず。

競技をテレビでしか見られない人が、ある意味で五輪を「生で見た」感覚に浸ることもできます。

前回の東京五輪のとき私は、岩国市内を走る聖火ランナーを沿道で見ました。当時4歳。おぼろげな記憶です。

しかし今回、コロナ禍のせいで、実に盛り上がりに欠ける変則的な聖火リレーとなってしまいました。

沿道に観衆が集まりすぎた場所は、リレーが「スキップ」されるという、おかしな規定も作られています。

応援が少なければ走れるけど、人が集まりすぎたら走れない、誰がどう調整してリレーを成立させられるのか。

思慮深い有名人なら、何か理由を付けて、あるいは正直に懸念を述べて、走るのをやめることでしょう。

「暗闇の先の一筋の光として希望の道をつなぎ(略)大きな光となって国立競技場に届くことを祈念する」

というふうに、大会組織委員会の橋本会長らが無難な挨拶をする中で、小池都知事は、

「聖火リレーが(略)コロナ禍からの『サステイナブルリカバリー』の一歩につながることを確信したい」

と、分かり難い言葉を操りたがる。どうして「持続可能な復興」と言わないのでしょうね。

聖火リレーはどうやら、五輪強行への突破口のような、ある種の象徴となっているような気がします。

多くの一般市民を巻き込んで、五輪を中止しにくくするための、既成事実作りの第一歩なのかもしれません。

申請書の処理が間に合わない厚労省の苦肉の策

「令和2年度新型インフルエンザ流行期における<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3328.html" target="_blank" title="発熱外来診療体制確保支援補助金">発熱外来診療体制確保支援補助金</a>」というものがあります。

当院のような「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3345.html" target="_blank" title="発熱外来">発熱外来</a>」で、インフルかコロナかわからない発熱者を、診療・検査するための支援金です。

とは言っても、インフルなんてまったく流行ってないですけどね。時限を切るための大義名分なんでしょうか。

この補助金には、診療体制を確保したのに発熱患者が来なかった医療機関への「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3337.html" target="_blank" title="休業補償">休業補償</a>」的側面があります。

なので、実際に患者を診療すればするほど、その人数に比例して補助が減額されるという仕組みです。

発熱外来に設定した「枠」の時間数や予想患者数等から補助金額を算出して、概算で申請したのが11月のこと。

ところがフタを開けてみると、12月後半から2月前半にかけて発熱外来の受診者が予想以上に多かった。

となると補助金額には大幅な減額が見込まれます。なにしろこの補助金は、前述したとおり休業補償ですから。

そこで、発熱患者数を修正予測して減額した補助金額を計算した「変更申請書」を提出したのが2月のこと。

その申請通りの修正後の補助金が振り込まれるのを待っていたら、昨日の午前3時前にメールが届きました。

これこれの金額を振り込むがよいか、という内容ですが、なぜか変更申請が考慮されていない金額なのです。

今日、厚労省から電話がありました。もう年度内に私の変更申請書を処理する時間が無い、というのです。

なので申し訳ないけど、私の変更申請を無視して、当初の概算申請のままで振り込みます、だと。

補助金やら支援金やらの処理を、なんとしても年度内に終わらせるための、厚労省の苦肉の策のようです。

新型コロナウイルス感染症への直接的な対応に加えて、ワクチンの接種でもますます忙しくなりますからね。

来月には、さまざまな補助金の「実績報告書」の期限が集中しますが、なんなら期限を延ばしてもいいですよ。

季節はずれのRSウイルス感染症大流行

「RSウイルス感染症」がいま、熊本で大流行しています。

この感染症は例年、秋口から冬に流行し、インフルエンザが流行り出すとまるで道を譲るように影を潜めます。

ところが今期は、そのライバルのインフル不在をいいことに、年明けからぐんぐん増えてきました。

いま3歳以下の、高熱+ひどい咳、のお子さんの大半は、RSウイルス感染症かもしれません。

いや、大きな子でも大人でも、病状は軽くてもRSウイルス感染による咳をしている方がいるかもしれません。

あちこちの保育園で流行しているので、「園で検査するように言われた」と来院する方が毎日何人もいます。

しかし、要望されたからといって検査(鼻咽腔ぬぐい液による迅速検査)するわけではありません。なぜなら、

(1)1歳以上では(原則として)検査に保険がきかない

(2)RSウイルス感染に特効薬はなく、RSであろうとなかろうと治療法は病状に応じた対症療法になる

ということで当院の場合、すぐに検査をするのは、0歳で高熱で呼吸音や顔色が悪い子などに限定しています。

3歳未満の子は医療費がタダなので、気軽に検査を希望する親御さんがいますが、そういう訳にはいきません。

1歳以上だと保険がきかないので自費診療となり、乳幼児医療の恩恵もなくなって窓口負担が生じます。

自費診療と保険診療を併用する「混合診療」は禁じられているので、規定により医療費は全額自費になります。

RSウイルスの検査をしたばっかりに、驚くほど高額な医療費を窓口で支払うことになりかねないのです。

そのような医療制度でありながらしかし、現実には必要に応じて1歳以上でもRSの検査を行うことはあります。

保険が利かないし、しかし混合診療にもできないので、結局、医療機関がサービスで検査しているのです。

園の要望だから検査するのではなく、その子の診断を確定させて納得して治療をしたいがための検査です。

当院に限らず多くの医師が、そのようなサービス検査をしているのが現状です。これは本当に問題なのです。

見かけはシンプルでも、内容はくどいのが好き

「文章術」を指南する本やサイトは無数にありますが、私はなるべく読まないようにしています。

なぜなら、自己流が否定されそうな気がするからですが、今日うっかり、その手の記事を読んでしまいました。

その記事によると、「1文の長さは60文字以内が好ましい」とか。

おおっ。好ましいかどうかはともかく、たまたま当ブログは、原則として1文を50文字以内で書いています。

でもその理由は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-727.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、ブラウザで表示したときに次の行に折り返されるのがイヤだからです。

ですが無理くり50字におさめる推敲過程は、まるでパズルみたいで、実は私の大好きな作業なのです。

「シンプルに書く」=「なくても意味が通じる言葉を削る」だと、件の記事にあります。

なるほど。半分同感。ですが、シンプルがベストとは限らないのが、文章の面白さだと私は思っています。

たしかに、くどい文章は読みにくいですが、敢えてくどく書くことで、読者をイラつかせることができます。

読者のハートを刺激できれば、それはそれでインパクトのある文章と言えるでしょう。好印象ではなくても。

所詮、文字面だけの表現ですから、どれだけの効果を与えられるかを、最大限に工夫しなければなりません。

シンプルで読みやすい文章なんてのは、あっさりしすぎて記憶に残らないんじゃないかと、心配になるのです。

読んでスッキリ何も残らない「低残渣」ブログよりは、消化しきれず胃がもたれるような文章が私の狙いです。