データのクラウド保存は万全ではありません

久々に、データを「紛失」してしまった話。

新型コロナの診療やワクチンがらみで、国や県や市や医師会などから、毎日のように文書が届きます。

ほとんどがFAXかメールです。すべてPDF化します。封書で来た書類なら、スキャンしてPDF化です。

そのPDFファイルを私は、以下の3つの形態で同時保存しています。

(1)Evernoteに格納、(2)パソコン内にフォルダ分けして保管、(3)印刷して紙ベースでもファイル

結局、印刷もするんですよね。決定通知書等の原本も含め、紙ベースのファイリングはまだ、必須なのです。

Evernoteは、検索性と閲覧性と柔軟性にすぐれているので、文書は基本的に全部、ココに入れます。

しかし、Evernoteに不具合が起きた場合を考慮して、PDFファイル自体もパソコンに保管しておきたいもの。

計4台のMacがDropboxで同期しているので、PDFファイルも4カ所で同時保存されることになります。

さらに各Macは、それぞれが外付HDDにTime Machineで自動バックアップされるという、念の入れようです。

このような、二重三重四重のバックアップ体制をとっていたはずなのに、魔が差すってことがあるんです。

とある、よく使うファイルを、ためしにMacの「iCloud Drive」だけで運用していたんです。ほんのためしに。

問題はそれが、ローカル(Mac)にはデータを保存せず、クラウドにのみファイルが存在する仕組みだってこと。

そのファイルをうっかり削除・上書きしてしまい、標準的な方法ではどうしても復元できなくなりました。

これがローカルにも保存されていれば、データの復元なんて、なんとでもできたんですけどね。

クラウドを唯一の保管場所にするストレージシステムは、人間の「うっかり」に対する配慮を欠いてます。

そんなわけで今後も、EvernoteとDropboxとTime Machineと紙ファイルの併用体制は続くのです。

「麒麟」は結局、来たんですか?

女優の交代とコロナ禍に翻弄されたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(全44回)は、今日が最終回でした。

そのクライマックスシーンはもちろん「本能寺の変」です。明智光秀が主人公なら、そうなるでしょう。

でも織田信長を描いた1992年の大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』も当然、最終回は本能寺の変でした。

二人の死亡日は11日以上異なりますが、歴史の大きな流れの中では、ほぼ同時期に没したような形です。

光秀の「三日天下」や、山崎の戦いで敗走したその姿には、もう描くべき点がないということなのでしょう。

さ〜て、来週の大河さんは〜?、というと『青天を衝け』が始まりますか。描かれるのは、渋沢栄一。

放送回数は未定とのことですが、年内に終わらせるなら、多くても46回ですね。

来年(2022年)の『鎌倉殿の13人』の、1月スタートの予定まではずらさないでしょう(個人の憶測です)。

ちなみに2023年は『どうする家康』。渋沢さんには申し訳ないですが、来年と再来年がすごく楽しみです。

いやいや、そんなことを言ってはいけません。『青天を衝け』は幕末から始まりますから、期待はしています。

ただ、近現代モノの大河はどうも、面白くない思い出が多々あって…

思うに、時代が新しくなるほど、記録が豊富で正確なので、面白く脚色する余地が少ないんじゃなかろうか。

これが戦国時代あたりだと、歴史上の人物などどうにでも描けるような、良い意味での情報不足がある。

ただし古代までさかのぼってしまうと、情報がなさ過ぎて、1年もたせるのは難しいのかもしれません。

かつてNHKが放送した「古代史ドラマスペシャル」は、私はとても好きだったし評価しています。

『聖徳太子』『大化改新』『大仏開眼』の3作品ですが、それぞれがわずか2話構成でした。

そこら辺の時代を少し長くつなげて、古代史群像劇みたいな大河ドラマって、どうですかね。

激しい内乱やクーデターなら、戦国時代にも引けを取らないと思いますけど。

希望が見えました

コロナ禍で世界が暗くなっているこの時期に、一筋の希望の光が見えた気がしました。

今夜6時半ごろ2階の窓から、北東の空を光りながら進む「きぼう」を目にして、私はそのように感じました。

正確には、見たのは国際宇宙ステーション(ISS)ですが、「きぼう」日本実験棟も当然、見えていたはず。

それは橙黄色に輝く意外に大きな光の点で、北の空から東に向かって、一直線に移動していきました。

たまに目にする飛行機よりも速い印象でしたが、もちろん、距離を考えたら速いなんてものじゃないでしょう。

調べてみたらISSは、地上400kmを秒速7.7km、地球1周を90分の速度で、毎日16周ほど回っているとのこと。

「きぼう」が6時半によく見える、との情報を得て夕方6時過ぎに職場を出たときは、まだ期待半分でした。

日没直後でまだ空が明るいし、こんなので見えるのだろうかと思っていました。

ところが家に帰り着く直前、不意に、進行方向の空に光る点を見つけたのでした(もちろん安全運転中)。

慌てて帰宅し、家人に何か叫びながら2階に駆け上がって北側の窓を開けると、光は東に向かっていました。

空はまだ、普通の星が見えない程度の少し明るい状態だったので、ISSが唯一の光る天体でした。

あとで考えてみたら、日没直後の絶妙のタイミングでなければ、ISSは見えないことに気付きました。

日が沈んで空が暗くなり、しかし上空のISSにはまだ太陽光が当たっている短い時間だけ、なんですよね。

そんな特別の瞬間を目にすることができ、しかも「きぼう」の光なのですから、そりゃ気分も上がります。

コロナ禍の収束とは何の科学的関連性もありませんが、そんな風に結びつけたくもなるでしょう。

余人をもって代えがたい「失言王」

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性は競争意識が強い(略)それでみんな発言する」

このような、東京五輪組織委員会の森喜朗会長の発言が、波紋を広げています。

発言に異を唱えなかったJOC委員らの姿勢も含めて、もはや日本全体が、欧米からの非難を浴びています。

森氏の女性蔑視が第一の問題ですが、民主主義(=理事会での活発な発言)も気に入らないのでしょう。

多くの「失言」がしばしば、その人の本音や価値観をそのまま(うっかり)吐露した結果です。

今回も、言い間違いや勘違いじゃないので、発言そのものを撤回したところで、発言の真意は消滅しまません。

とは言え多くの人間には、程度の差こそあれ「裏表」があると、私は思っています。

ですが、教育や経験によって醸成された常識や良心によって、発言をコントロールできるのが大人です。

酩酊時や、諜報機関に捕まって特殊な薬剤を盛られたときにだけ、そのコントロールが外れてしまうのです。

森氏のように、つねに言いたいことを言ってしまうのは、それが森氏の「裏」ではないからでしょう。

非常識な本音を「表」として放言する生き方をしてきたので、それを抑制しようという発想がないのです。

周囲の取り巻きには、彼に諌言する者がいなかったとも言えるでしょう。言うなれば裸の王様です。

それだけの批判を浴びながらも、「余人をもって代えがたい」ので会長職を続投する(してもらう)方向とか。

東京五輪という国家的プジョジェクトの中心人物として、代えられる余人がいないことがまた、問題ですね。

なんとなく収束が見えてきた今が我慢のしどころ

みんな知ってる「PCR検査」。もっと増やせとか、そんなの無意味だとか、巷でワイワイ言い合ってます。

PCR検査とは、「ピシャッとコロナがわかる(Pishatto Coronaga wakaRu)検査」の略称ですウソ。

独特の温度操作の下で酵素を作用させ、微量のDNAやRNAを倍々に増加させて検出する手法ですホント。

一般的な検査方法の名称なので、他のウイルスでも何でも、この方法で計測するなら全部、PCR検査です。

ですがいま「PCR検査」と言えば、「新型コロナウイルスを調べる検査」とほぼ同義になっていますね。

さいわい感染者数は全国的に減少しつつあり、とくに熊本では連日ひとけたに収まっています。

発熱外来では毎日PCR検査を行い、また時々PCRセンターに出動している私から見ても、変化は明らかです。

私の肌感覚では、1月中〜下旬をピークに、発熱外来受診者自体が減ってきたように感じます。

患者の重症化のピークはそれよりも遅れるので、重症者が減るのは今月上旬からでしょうか。

まだ病床はひっ迫しているので油断なりませんが、たしかにコロナは収束に向かっているような気がします。

発熱外来が暇になればようやく、私も安心してワクチンの接種に時間を割くことができるというもの。

ワクチンの接種開始まではもうしばらくかかりそうですから、いまが大事。我慢のしどころです。

「ニギニギ」するだけで血圧が下がる

NHK『ガッテン!』の今日のテーマは「一酸化窒素(NO)」でした。

たった2分間、手を「ニギニギ」するだけで血圧が下がるという、ガッテンらしい「触れ込み」です。

ああアレかと、「ニギニギ」によって血管拡張物質が出たんだろと、そう思った人は、すばらしい。その通り。

ならば、役人の子とサラリーマンの子の血圧にも違いがあるはずだと、私などはそう考えてしまいます。

さて、スタジオのゲスト3人が「ニギニギ」前後の血圧を測ってみたわけですが、そのクダリがいけません。

まず、ビフォア血圧を測ると、島崎和歌子118/86、大島麻衣180/125、木村祐一213/131って、高すぎ!

そして期待のアフター血圧が、島崎113/78、大島180/126、木村182/114。う〜ん、微妙。

ニギニギで血圧が下がることを実証してみせるつもりが、ほぼ放送事故レベルの結果ですよ。よく放送したね。

ところが番組では、島崎「下がりました」、大島「変わらないです」、木村「下がった下がった」と自己評価。

立川志の輔も、島崎には「わずかでも」、大島に「はいはいはい」、木村に「いやいやいや」と言うしかない。

初めから、ニギニギで血圧が下がるという結論ありきの番組なので、いまいちな結果が出ても押し通します。

そもそも、たった3人の1回限りの測定でニギニギ効果を検証しようということ自体に、無理があるのです。

血圧は、体動や緊張によって容易に変わるので、1回目の測定よりも2回目の方が低くなりがちです。

今回のゲストの測定でも「2回目効果」が加味されていた可能性まで考慮すると、ニギニギ効果は不明です。

何の説得力もない「実験」結果を、もっともらしくテーマに結びつけてしまうのが、この番組の問題点です。

「NO」が本来持つ、きわめて重要な生理学的・薬理学的作用が、むしろぼやけた気がしました。

駆け込みHPVワクチン接種、好評受付中

新型コロナウイルスワクチンの輸入について、ヤな予感はしてたけど、やはり暗雲が立ちこめてきました。

こんな大事なワクチンを、当面は自国で作れず海外に頼るということがそもそも、情けない話なのです。

国内での綿密な接種計画が絵に描いた餅にならなければよいですが、準備は粛々と進めていくしかありません。

テレビでは、接種準備の進捗状況や問題点、ワクチンについての科学的評価等について、連日報じています。

ただし、得てして掘り下げ不足のことが多いし、事実誤認や論点がズレたコメントなどはやめていただきたい。

コロナワクチンに絡めて日本のワクチン行政の問題点について触れたりもしますが、それもサラッと流す程度。

とくに、世界中で日本だけが事実上接種をストップしている「HPVワクチン」の取り上げ方なんて、浅い浅い。

ワクチンとの因果関係が不明の「副反応」を子宮頸がんよりも恐れ、HPVワクチンの接種をやめた日本人。

科学や統計を客観的に評価して、メリットとデメリットを天秤に掛けることができない国民性なのです。

同調圧力が強いのか、和を以て貴しとなすのか、ひとたびコトが起きたら、全国民一斉に引いてしまいます。

日本人の「ワクチンアレルギー」体質は、言うなれば、アナフィラキシーレベルでしょう。

そんな中、海外ではアナフィラキシーが起きても平然と、コロナワクチンの接種が続けられています。

もしも日本でそのようなことが起きたらどうなるのか。メディアの暴発と厚労省の弱腰が心配です。

でも最近、HPVワクチンの接種希望者が増えてきました。日本人も少しずつ客観性を身につけてきたのかも。

【お知らせ】接種を計画中の高1の方は、お急ぎください。今月中に接種を始めれば、2回目までは無料です。

コロナ禍での恵方巻き

今年はいつもより1日早く2月2日が節分なので、当ブログでは今夜のうちに、今年の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3044.html" target="_blank" title="恵方巻き">恵方巻き</a>」注意点など。

方角を「十二支」で表す「十二方位」では、北の「子」から時計回りに12分割するので1分割あたり30度です。

さらにその30度を二等分して15度ずつに分割した「二十四方位」にするときに、「十干」が登場します。

十で足りるのか、なんて細かいコトは言いっこなしです。どうせ私も受け売りで書いてますから。

暦年にも十干と十二支が当てはめられ、十二支は12年で一巡し十干は10年周期なので、全部で60パターン。

今年の干支(えと)は「辛丑 (かのと・うし)」。「かのと」って何かのーと言えば「金(か)の弟(と)」らしい。

昨年は「庚子 (かのえ・ね)」。「かのえ」は「金(か)の兄(え)」ですか。兄弟は交互にやって来ます。

さて、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1218.html" target="_blank" title="恵方">恵方</a>には4パターンしかないことは前にも書きましたが、理由は訊かないでください。

恵方は十干で決められます。10年で一巡する十干を4パターンに分けるのだから、「等分」はできません。

「兄」の年はその十干の方角がそのまま恵方、「弟」の年は5年前の恵方になるらしいですね。

というわけで、今年「辛(かのと)」の恵方は、5年前の「丙(ひのえ)=火(ひ)の兄(え)」の方向です。

「火」は南。「兄」は15度ほど手前(東側)なので、「巳」と「午」の中間、角度では165度に相当します。

「今年の恵方は南南東だ」と耳にしますが、南南東は南東(135度)と南(180度)の中間なので157.5度です。

正しい恵方の「丙」(165度)とは7.5度ずれているので、厳密な恵方を守りたい方は、要注意です。

なお、みんなで恵方巻きを食べる儀式が「会食」とはならないよう、必ず正式な流儀に従いましょう。

(1)途中でしゃべらず、黙々と食べること:飛沫を出さない

(2)口に頬張ったら、そのまま食べきる:飛沫が出る隙間を作らない

(3)ずっと恵方を向いたままで食べる:誰かと対面にならない