憂いがあるから備えるのか備えないのか

いま10都府県に発令されている緊急事態宣言が、首都圏を除く6府県で明日、解除されることになりました。

これによって、感染防止対策が段階的に緩和されていくわけですが、感染再拡大の懸念はつねにあります。

今後は各自治体が臨機応変に、迅速に、その都度細かい対策を行うことになるのでしょう。

熊本県の新型コロナウイルス感染者は、今日も0人でした。過去1週間でわずか2人。ずいぶん減りましたね。

もちろん人は移動するので、首都圏などの感染者数がもっと減らない限り、まだまったく油断はできません。

とは言え、当院の発熱外来受診者も「激減」しており、肌感覚で、コロナ収束が見えてきた気がします。

一気呵成にワクチンを接種すべきなのは、まさにこういうタイミングなのですが、ワクチンが足りません。

GDP世界第3位の大国だというのに、自国でワクチンがまだ作れない。他の先進国に頼る始末です。

目の前の災難には、猛烈な集中力と協調性を発揮する日本人ですが、将来のために備えることが不得意です。

起きて欲しくないことは口にすることも忌み嫌う、「言霊の国」ゆえの特性なのでしょうか。

何かに備えること自体に憂いを感じてしまう。科学が指し示す予測よりも、情緒や人の和が大事なのです。

副作用っぽく報道された映像に恐怖を感じて、毎年3千人が亡くなる感染症を予防するのをためらう日本人。

もう、くどいように書き続けていますが、HPVワクチン、打ちましょう。

高1の方は、2回目までを定期接種(無料)にするためには、今月中の接種開始が必要。明日が最終日ですよ。