新型コロナワクチンについて、副反応は大丈夫か、自分の順番はいつになるのかなど、よく尋ねられます。
それに加えて、接種を実施する側としては、予約受付方法やワクチンの配送体制と接種の流れが心配です。
医療従事者が自分の勤務病院で同僚から接種を受ける形の先行接種は、おもに副反応を調べる意味があります。
次いで行われる予定の、医療従事者に対する優先接種も、まあ似たようなもので、スムーズにいくでしょう。
問題はその次。高齢者への優先接種です。ここからいきなり、問診の手間や所要時間が読めなくなります。
当院では日頃から、各種のワクチンを接種していますが、最近はHPVワクチンの筋肉内接種が増えています。
問診や聴診を終え、では接種しましょうという段になって、被接種者が袖をまくり始めます。
しかし今の時期の服装で、袖をまくって上腕の上の方の三角筋部分を露出することはほぼ、不可能です。
しょうがないので今度は、襟口を伸ばして肩を露出しようとしますが、それも無理。セーターが伸びるばかり。
結局、左腕をセーター等の袖から抜かなければなりません。ここまででだいぶ、若い人でも時間を要します。
セーターの下が下着だったりすると、あらかじめ肩を露出して順番を待つことはできません。
集団接種会場であればなおさら、片肌脱ぐなんて無理でしょう。接種には個室が必要になるかもしれません。
外国の女性の接種シーンをニュースで見かけますが、みなさん元々肌の露出が多いです。日本人とは違います。
そんなことを危惧しているところへ、菅首相は今日、高齢者への接種を4月12日に開始すると明言しました。
ワクチンの輸入計画も不透明だというのに、早々と予定通りの4月開始を確約するなんて、意地ですか。
「当初は、数量限定になる」と河野大臣もフォローしますけど、数量限定で開始して混乱を招きませんか。
これで明日からは、私も4月から接種できるんですかね、という質問に答えなければなりません。