医療従事者に対する、新型コロナワクチンの先行接種が、今日から熊本でも始まりました。
注射シーンが報じられていたのは、熊本総合病院の島田院長。接種後には平然と「痛くなかった」とコメント。
そんな瞬間に取材を受けて、「あいたたた」なんて言うわけにもいきませんからね。
この病院は最近よくテレビに出ますが、熊本市では知名度が低いのか、患者さんからよく尋ねられます。
まるで熊本市の中心部に存在するかのような「熊本総合病院」ですが、元の名前は「八代総合病院」です。
八代の病院なのに「八代」総合病院から「熊本」総合病院へ名称変更するって、なかなか大胆ですよね。
この病院を運営するのは「地域医療機能推進機構(JCHO:ジェイコー)」。理事長はあの、尾身茂氏です。
ボスが尾身氏なので、JCHO傘下の病院には、コロナ診療に対するプレッシャーもあったことでしょう。
ちなみに「九州病院」という、これまた九州の中心みたいな名称のJCHO病院も、北九州市にあります。
これは元の「九州厚生年金病院」で、私は卒業後3年目と10〜12年目頃、その心臓外科に勤務していました。
九州厚生年金病院は1955年に開設され、日本の心臓外科の黎明期を担った施設のひとつでした。
私が最初に勤めた80年代は、リウマチ性僧帽弁膜症の患者さんが多く、いまではとても考えられないことです。
小児心臓外科症例も豊富で、若手心臓外科医にとっては多彩な臨床経験を積める、バランスの良い病院でした。
疾患は変遷し、手術法も医療機器も進化しています。私の勤務医時代はもう、過去のものになりました。
しかし、元同級生の多くは今もなお、大学病院や中核病院の重要ポジションで、奮闘・活躍しています。
コロナ禍での病院運営は、並大抵の苦労ではなかろうと思います。彼らの健闘と健康を祈ります。