新型コロナワクチンの接種が、ついに始まりました。まずは、一部の医療機関における「先行接種」から。
日本の被接種者第1号として報じられたのは、「国立病院機構東京医療センター」の新木病院長。
彼は接種後に「これまで受けた予防接種で一番痛みがない」とコメント。過去の接種を全部覚えとるんかい。
よく見ると、ガスケットの先に飛び出しのある、ニプロの「ローデッド」シリンジ(青)1mlを使ってますね。
アスクルで買うと、100本で1,600円ぐらいのヤツです。針はオレンジなので太さ25G、長さは多分1インチ。
針の刺入角度は60度ぐらいでしょうか。根元まで刺入した後で、血液の逆流(逆血)がないかを確認。
その後、5ミリ程度針を抜いて浅くして薬液を注入していましたが、私には違和感がありました。
報道陣を前にした、熟練医師による上手な接種手技なのでしょうけど、標準的な筋注法ではないと思います。
三角筋への筋注では、シリンジをペンホールドにして、針は垂直に刺入するものと私は思っていましたから。
週に2,3人、HPVワクチンの接種を私は行っていますが、ペンホールドにしないと皮膚に垂直には刺せません。
ペンホールドは、一見すると乱暴に見えますが、そんなことはありません。むしろ感覚的には繊細です。
外国での接種映像を見ると、ペンホールドどころか、人差し指を押し子に乗せたままで刺入してますからね。
たぶんその方法が、もっとも素早く接種できる手技でしょう。もはや逆血の確認など、不要なのです。
今後日本中で、慣れない筋注が行われるわけですが、針が浅くて皮下注になる例が出てきそうな気もします。
今日報道された東京医療センターの手技が標準と思われると困ります。
厚労省は、筋注手技の動画(たぶん、垂直接種?)を準備中とのこと。早く公開してくださいね。