新型コロナワクチンの、1バイアル(瓶)当たりの接種回数が、6回から5回に減らされることになりそうです。
バイアル内の1.8mlの薬液を0.3mlずつ吸って6回接種するのが、シリンジ(注射器)の構造上難しいからです。
こう言っちゃナンですけど、そんなことは日本中の医療従事者が、だいぶ前からわかってましたよ。
分かってなかったのは厚労省です。接種できる人数が6分の5に減りますけど、接種計画はどうするんですか。
どのワクチンでも、そのバイアルから最大限の薬液を吸い出して使うように、内容量が設定されています。
たとえばインフルエンザワクチンの場合、メーカー差はありますが、1バイアルには1.1ml程度入っています。
通常は、シリンジに0.5ml+αを吸い出し、エア抜きして接種します。シリンジに少し、薬液が残ります。
もともと薬液量に余裕があるので、成人の接種量である0.5mlを2人分吸い出して接種することは可能です。
これがもしも、バイアルにワクチンが1.0mlちょうどしか入っていなかったら、2人分接種するのは無理です。
だからコロナワクチンでは1.8mlバイアルを0.3mlずつ6回分接種すると聞いて、すぐに思いました。無理だと。
報じられているようにシリンジの構造上の問題もありますが、エア抜きでロスできないのも難しいものです。
政治家や厚労省のお役人には、臨床現場の最前線で働いている人の声は、すぐには届かないんですかね。
現場の人間にはすぐにピンとくることが、こんなに時間がかかって伝わるとは、先行き思いやられます。