3連休は大変でしたが、たぶん、本番はこれから

地獄の3連休が終わりました。いや、地獄というのは語弊がありますか、ともかく。

土・日・祝と発熱外来をしてみて、あらためて熊本市の検査態勢の不備に困惑した3日間でした。すなわち、

(1)某主要検査センターが、土曜日の午後と日曜と祝日は、PCR検査の検体(唾液)の回収をしてくれない

(2)医師会PCRセンターがキャパオーバーして、紹介検査も難しくなってきた

(3)診療・検査医療機関に指定され、日曜祝日にも発熱外来をしている医療機関が著しく少ない

このうち(1)の理由から当院では、土曜の午後から日曜いっぱいは、PCR検査ができませんでした。

今週は早々と医師会PCRセンターの予約も埋まり、当院からの紹介検査は受け付けてもらえませんでした。

昨日も今日も、相談センターや専用ダイヤルから紹介されて当院に来る方が、大勢いました。

そんなわけで今日は、一日でほぼ2日分、41例のPCR検査をする羽目になってしまいました。

必要な防護具を装着して、慎重に検査等を行わなければならず、ストレスも多いし時間がかかります。

その合間に、胃腸炎や胸部症状の患者さんからの問い合わせが入ります。

今日、検体(唾液)採取した方の検査結果は、明日の夜に判明します。ずいぶんと時間がかかってしまいます。

土曜から発熱してるのに検査は月曜で、しかも結果は火曜の夜になるんじゃあ、そりゃ不満も出るでしょう。

せっかく日祝診療してる医療機関があるのですから、検査機関にも休日の検体受入をお願いしたいものです。

「熊本市医療非常事態宣言」発令

「熊本市医療非常事態宣言」が、本日発令され、大西市長の記者会見が行われました。

病床がひっ迫し、入院等調整中の感染者数や、重症・中等症者数が過去最多であることを考慮したものです。

「医療体制崩壊」の観点からの非常事態宣言ですが、具体的に市民に求めるのは、外食や会食の制限です。

最近よく言われるのは、とにかく高齢者との接触や高齢者自身の外出を極力減らそう、という考え方です。

たしかに、高齢者に的を絞って感染を避けることは、重症者数減少のためには有効でしょう。

しかし、問題を突き詰めれば、その高齢者を取り巻く環境、とくに感染源となる若年者層の方が問題です。

当院の発熱外来にも、幅広い年代層の方が受診されますが、やはり20代と30代が多いですね。

症状が軽いのに受診してくれると軽症感染者を発見できますが、たぶん多くの若者は受診すらしないでしょう。

概して若者は、活動範囲が広く、自分は感染しないと思い込みがちで、しかも感染しても元気です。

一方で高齢者は、しばしばひとつの施設に固まって居住するので、そこが感染の吹きだまりになりかねません。

感染拡大の担い手と重症化のターゲットが別々の世代だということが、新型コロナ制御を困難にしていますね。

「緊急事態宣言」って、最初はガツンとやるべきじゃないの?

緊急事態宣言は出ていますが、都内の繁華街の人出は春の宣言の時に比べるとまだずいぶん多いようです。

宣言の内容が前回よりも緩いので、人々の意識もそのぶん緩いのでしょうか。

マスクを外した状態での会話が悪い→飲食が悪い→飲食店の時短営業、というのが今回の宣言の基本です。

誰も感染していない集団からウイルスが湧いてくることはないはずですが、会食をきっかけに感染者が出ます。

それなのに会食をやめないのは、参加者がみな自分は感染していないと思い込んでいるからでしょう。

気心の知れた仲間内にも感染者がいると常に疑わなければならないことに、この感染症の難しさを感じます。

ここで、NHKニュースを見ていて気になった表現をひとつ。

客足が減ったことについて、「客側も来店を控えたとみられます」とのコメントに、違和感がありました。

「来店」とは、店に来た客についての店における表現であって、店に行こうとする客が使う言葉じゃないはず。

新しいパン屋さんができたニュースを見て、「よし、明日はあの店に来店してみよう」なんて、言わないし。

英語で「いま行きます」は、相手の立場に立って “I’m coming.” です。その理屈は理解できます。

しかし日本語で「いまからそっちへ来るよ」とは言いません。「そっち行くよ」です。

では、店に来ることが「来店」なら、店に行くことは何と言うのでしょう。

「行店」とは言いませんね。そんな言葉があったら仰天します。

「訪店」も日常的じゃない。「来日・訪日」みたいな対の言葉はありますけどね。

「店に行く」という意味の日本語は存在しないのかと疑問をお示しして、私からの挨拶とさせていただきます。

ついに熊本も大台に乗りましたか

あ〜、100人超えちゃいましたか、熊本も。今日の新型コロナの新規感染確認数は101人。

昨日は他県のことを「宮崎どうした?」なんて、ちょっと余裕かましてましたが、明日は我が身でしたね。

東京都は、3日前の検査数から考えて今日は2千人と予想していましたが、裏切られました。陽性率が高すぎ。

熊本県の101人は、人口約8倍の東京都では800人に相当します。逆に東京の2,400人は熊本だと300人!

「勝負の3週間」の時になんとかしておけば、なんていま言ってもしょうがないけど、なんとかしとけばね。

首都圏や関西圏など、大都市から「しみ出す」ように感染が拡大しています。やがて熊本までしみて来るのか。

明日からの3連休、当院は発熱外来で貢献しようと思っていますが、検査センターの受入態勢がネックですね。

当院がPCR検査を委託しているセンターは、土曜の午後から月曜(祝日)いっぱい、検体の回収がありません。

検体の保存期間が最大24時間とすると、月曜に採取した検体は火曜に提出できますが、日曜の採取分は無理。

手続きが少々めんどうで時間もかかりますが、医師会PCRセンターへの紹介も増えそうです。

全国的に言えることですが、日曜や祝日のPCR検査の態勢はまだ、平日に比べると劣ります。

そのため検査が集中する休日明けには、関係部署は大忙し。感染者数のグラフは曜日ごとにジグザクします。

熊本の感染が急拡大しつつある中で迎える3連休と連休明けには、はたしてどのような波が押し寄せるのか。

月曜(祝日)に発熱外来受診者が集中しそうな予感がして、私は戦々恐々としているところです。

東京はともかく、熊本の保健所は大丈夫?

緊急事態宣言が発出された今日、「遅えんだよ」と言わんばかりに、1都3県が軒並み過去最多感染者数。

東京都に至っては、昨日の1591人の衝撃が消え失せるほどのショッキングな数値、2447人が出ました。

それどころか、大阪も愛知も福岡も、全国各地で、新型コロナ感染確認数は過去最多じゃないですか。

感染爆発気味の現局面で、逆V字に感染者数を減らそうというのなら、どうしたってショック療法は必要です。

それを飲食店の時短営業で達成しようという無謀さと無策に、官邸の誰も気付かないのでしょうか。

「1カ月後には必ず事態を改善させる」と言う菅首相の、その根拠の無い断言からは何も響きません。

病床のひっ迫が言われ続けていますが、医療機関だけでなく、保健所の人たちの仕事量も限界でしょう。

用があって熊本市保健所に電話したら、感染者の確認や登録やその後の対応に追われていて混乱気味でした。

毎日数十人の新規感染者でこれですから、東京並みの人口当たり感染者数になったら、どうなるんだろ。

コロナ禍で露呈した、日本のお役所仕事のIT化の遅れは、もちろんいまだに解消されていません。

新型コロナ感染者の発生を確認した場合、熊本市の医療機関は、次のような報告を行う必要があります。

(1)Web入力:「HER-SYS」に感染者の個人情報等を入力すると、その内容が管轄の保健所に届く

(2)FAX送信:「入院の要否判断のためのチェックシート」に持病の情報等を入力して、保健所に送信する

(3)電話連絡:HER-SYSに入力しても結局は、保健所からの確認電話が入り、質問に答えさせられる

もっと合理化・IT化しないと、医療機関が手間だというよりも、保健所が事務作業でパンクしますよ。

感染爆発のフェーズに入ったのか

ついに感染爆発なのか。新型コロナの感染者数は、東京で1,591人、全国で6,001人、熊本でも69人でした。

手遅れ気味に明日発出される緊急事態宣言ですが、もうそれに期待し、協力するしかありません。

意外と当たらないGoogle AIの1/1時点での予測では、昨日と今日の東京都の感染者数がほぼピタリ賞でした。

その最新予測によると、今月中旬には1日約7千人に達します。これ、東京都だけの新規感染者数ですからね。

「7日間移動平均値をもとに算出」したという、東京都の検査の陽性率は現在、14.4%程度のようです。高い。

どんな計算なのかと思って、都が公開している検査数と陽性判明数を表計算ソフトに入力してみました。

残念ながら14.4%という数値は算出しきれませんでしたが、たしかに今の陽性率は15%前後のようです。

明日1月7日に、感染者数の顕著なピークが来て、過去最多数を大幅に更新すると私はにらんでいます。

なぜなら、年末年始の休み明けの1月4日に、検査数が増えると考えられるからです。

実際、1月4日には1万5千件以上の、たぶん過去最多数の検査が東京都内で行われていました。

その1万5千件のうちの15%が感染していたら、その数は2,250人となります。明日の東京都の予測値です。

てな感じで、自己流の解析をして驚いたり憂えたりしている私も、どうかと思いますけどね。

ちなみに元日には、日頃の日曜日よりも多くの検査が実施されていました。医療機関の頑張りがうかがえます。

緊急事態宣言を出すにしても、難題だらけです

緊急事態宣言をまた発令するのであれば、前回の宣言による「副作用」を教訓としなければなりません。

なので制限対象と区域を限定的にして、学校への影響も最小にしようという考え方には、賛同します。

感染リスクが高いのは飲食の場だから飲食店等を中心に営業制限をしよう、という短絡的発想も理解できます。

さて、実効性のある施策が打ち出せるのか。中途半端なことをすれば、時間が無駄に過ぎるだけですからね。

飲食店等の事業者への「罰則と補償」が、どう設定されるのかも大事。いわゆる「北風と太陽」問題です。

前回の緊急事態宣言では、「北風も太陽もない」と野党議員に批判されました。

今回はその反省を踏まえたとしても、たいした太陽光は差さないでしょう。どうせ、補償<減収分、なのです。

すでに疲弊しきった事業主の、罰金を払ってでも営業したい気持ちもわかります。北風には耐えるのみ。

その飲食業などとは全く別の意味で、多くの医療機関が、コロナ禍で苦難にあえいでいます。

ひと頃は、受診控えによる収入源も問題視されていましたが、今はもちろん、病院の病床ひっ迫が大問題。

入院治療では協力できない当院は、トリアージ業務で社会貢献することになります。「発熱外来」のことです。

いま診療時間の大半を発熱外来に当てていますので、普通の風邪などの方には、ご迷惑をおかけしています。

いつになるのかわかりませんが、この山場を超えるまで、しばらくは「有事体制」の外来診療が続きます。

感染急拡大で迎えたオリンピックイヤー

緊急事態宣言がついに、1都3県を対象に発出されそうな雰囲気になってきました。

これを、遅すぎだと言う人もいれば、不要と言う人もいる。正解はありません。コトは単純ではないのです。

未曾有の国難の真っ最中には、為政者は何をやっても完璧にはいかないし、政策が後手後手になりがちです。

何かをやっても叩かれるし、遅きに失しても叩かれる。最終的な評価は、数年後のことでしょう。

東京オリンピックは、本当に開催できるのか。力尽くでもやるべきものなんでしょうか。

「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとする」なんて妄想は捨てましょう。もう間に合いませんから。

「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ力を見せよう」ぐらいの表現なら、ギリギリいけるのか。

ワクチンは残念ながら、しばらくは輸入に頼るしかないので、夏までの国内接種率はそう高くはないでしょう。

なので年内に国内で集団免疫が確立されるとは、とても思えません。地球全体で考えたら、なおさらです。

欧米の変異株がどのように「化ける」かも、まだまったく見通せません。むしろイヤな予感さえします。

オリンピックは、「コロナも先が見えたね」と思えるタイミングで開催を検討すべきです。

それこそが真に、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」ですよ。さすがに半年後は厳しかろう。

新型コロナをおさらいしてみました

長い連休をいただきましたが、明日から当院は、新年の診療を開始します。

今日はその準備の日として、新型コロナ関係のおさらい(最新情報の確認)に当てました。

途中、年賀状とかダーウィンとか麒麟が来たら中断です。

医療上の規定や通知は更新され続けているので、一次情報を中心に、ネットで確認していきます。

(1)厚労省の「医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)」を、新しい方から2,3カ月分を読み返す

(2)自治体や医師会の資料は、最新分のみ再確認(多くは厚労省の情報とダブる)

学術的な情報の完成度は一般的に、書籍>雑誌>ネット、ですが、鮮度を優先すると順位は逆になります。

なので、学術機関・公的機関のサイトを中心に、最新のまとめを探します。

報道メディアのサイトにも新鮮な情報が掲載されていますが、飛ばしも混在しているので要注意です。

一方で、きわめて詳細な引用文献付のコロナまとめを随時更新している、素晴らしい個人ブログも見かけます。

厚労省が発行する「診療の手引き」は良くまとまっていて、最新版が出たばかり。一般の方も一読に値します。

そのほかにも、さまざまなまとめサイトがありますが、半年以上更新されていないものも目立ちます。

新型コロナに関しては、先がまったく読めないほどの展開を見せ続けているので、新しい情報が必要です。

とくにいま、私の注目点は次の3つ。

(1)ワクチンの、日本における接種開始時期や具体的な接種方法と、欧米における中期的安全性データ

(2)感染者数・重症者数の今後の推移と、緊急事態宣言を含む政策の動向

(3)変異株は、ただ感染しやすいだけではなく、子どもへの影響が大きい可能性があるのは本当か

ワクチンが完成した矢先に、人類をあざ笑うかのように出現した変異株がいま、猛威を振るい始めています。

高齢者だけでなく、いやむしろ、子どもにこそワクチンを優先接種しておくべきなのかもしれません。

記念写真+スナップ写真&ビデオの、最近の私の撮り方

「帰省は規制するのが既成事実」などと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3364.html" target="_blank" title="先日">先日</a>書きましたが、熊本市内在住の孫たちだけ、今日来てくれました。

成人4人+孫(0歳児)で会食したので、5人と言えば5人ですが、まあそこは、お目こぼしください。

で、こんな日の楽しいひとときは、記憶に残るだけでなく、記録(画像・映像)にも残したいもの。すなわち、

(1)記念写真:食卓を囲んだ記念撮影などの集合写真など

(2)スナップ写真:孫の可愛い瞬間(どの瞬間でも可愛いけれど)など

(3)ビデオ:孫の可愛い挙動(どの挙動でも可愛いけれど)など

こういう時に以前は、ニコンのデジタル一眼を三脚に取り付けて、集合写真を撮っていました。

画質は良いのですが、ズームレンズの広角側が24mmのため、室内では画角がとれずに苦労していました。

が、これをiPhone11Proが解決してくれました。13mmの超広角。何人並んでも全員撮れちゃう。これ最高。

スナップ&ビデオについては、知ってる人は知ってる裏技(ていうか裏でもないです)がありますね。

ビデオ撮影中に、スチルも同時撮影できます。撮影中に右下に現れる白いボタンを押すだけです。

今日は超広角は不要な人数だったので、撮影方式としては、

(1)三脚にiPhone Xを固定して、ときどき集合写真を撮ったり、それ以外の時間はタイムラプスで流し撮り

(2)手元にiPhone11Proを置き、孫の可愛い瞬間に(いつでも可愛いけど)ビデオやスチルを撮る

すでに電話としては使っていない(使えない)旧機種のiPhoneも、カメラとしてはまったく現役です。

一方で、デジイチやコンデジはもう、私はまったく使わなくなってしまいました。そんな時代でしょうか。