東京や大阪だけでなく、熊本での新型コロナ用病床のひっ迫も緊急事態です。
大都市に比べて元々の病床のキャパが小さい分、病床ひっ迫の動きも急激です。ホント、やばいです。
欧米よりも感染者が少ないのに、世界一の数を誇る日本の病床が、なぜひっ迫するのかとよく言われます。
理由のひとつは、その世界一多い病床が、すでにしっかりとコロナ以外の患者で埋まっているからでしょう。
一般の病院では、患者の入院日数が長くなればなるほど儲からなくなるように、診療報酬が決めてあります。
ムダに長期入院をさせて医療費が膨らむことを防ぐための方策です。
また、常に満床に近いぐらいに病床が埋まっていないと儲からないほどに、診療報酬が切り詰められています。
診療報酬というものは、医療機関がギリギリ生きていけるように、じつに巧妙に設定されているのです。
病院は、入院日数は短くしながら病床はできるだけ埋めるという、アクロバティックなことをしています。
長年の政策によって、そのような病床運営をしなければ経営が成り立たないような制度になっているのです。
そこへコロナです。対応病床を増やすには、一般入院患者を削らなければなりません。
新規入院を断り、コロナ用の病床と、それに必要な医療スタッフを確保しなければなりません。
脳卒中や心筋梗塞や癌の患者の診療態勢を、コロナ如きのために削るべきなのか、正解はまだ、出ていません。
新型コロナ感染者の受入勧告に従わない病院名は公表する、なんて北風は、病院をかたくなにするだけでは。