「熊本市医療非常事態宣言」が、本日発令され、大西市長の記者会見が行われました。
病床がひっ迫し、入院等調整中の感染者数や、重症・中等症者数が過去最多であることを考慮したものです。
「医療体制崩壊」の観点からの非常事態宣言ですが、具体的に市民に求めるのは、外食や会食の制限です。
最近よく言われるのは、とにかく高齢者との接触や高齢者自身の外出を極力減らそう、という考え方です。
たしかに、高齢者に的を絞って感染を避けることは、重症者数減少のためには有効でしょう。
しかし、問題を突き詰めれば、その高齢者を取り巻く環境、とくに感染源となる若年者層の方が問題です。
当院の発熱外来にも、幅広い年代層の方が受診されますが、やはり20代と30代が多いですね。
症状が軽いのに受診してくれると軽症感染者を発見できますが、たぶん多くの若者は受診すらしないでしょう。
概して若者は、活動範囲が広く、自分は感染しないと思い込みがちで、しかも感染しても元気です。
一方で高齢者は、しばしばひとつの施設に固まって居住するので、そこが感染の吹きだまりになりかねません。
感染拡大の担い手と重症化のターゲットが別々の世代だということが、新型コロナ制御を困難にしていますね。