「水虫の飲み薬に睡眠剤が混ざっていた」
抗真菌薬「イトラコナゾール」を「水虫の薬」と表現するのもどうかと思いますが、それはさておきます。
因果関係は未確定ですが、死亡2人のほか多くの健康被害が出ています。どうしてそんな間違いが起きたのか。
この製薬会社・小林化工の他の製品にも、問題がありそうだといいます。不思議でなりません。
水虫の薬に混入していたのは「リルマザホン」で、「リスミー」という先発品名で知られる睡眠導入剤です。
「当該薬剤1錠あたり、最大投与量の2.5倍の睡眠剤が混入していた」と報じられています。
2.5倍も飲んだらオオゴトだねぇ、と思うかもしれませんが、2.5倍程度で済む話ではありません。
まず、リスミー錠には1ミリ錠と2ミリ錠があり、個人差はありますが、1ミリでも効果がある睡眠剤です。
そのリスミーの成分が、イトラコナゾールの50ミリ錠の中に、5ミリほど混入していたわけです。
ここは、「当該薬剤1錠あたり、通常投与量の5倍の睡眠剤が混入していた」というべきでしょう。
さらに、爪白癬の治療としてイトラコナゾールを飲む場合は、朝夕4錠ずつ飲むのが通常用量です。
つまり、「当該薬剤1回の内服分に、通常投与量の20倍の睡眠剤が混入していた」と書くべき一大事なのです。
水虫の薬を1回分飲んだつもりが、睡眠剤を20錠ほど飲んでしまうのです。そりゃ意識障害も起きるでしょう。
だからジェネリックは信用ならない、とまでは言いませんが、ジェネリックの信頼を失墜させるには十分です。
この会社には、かなり重い業務停止命令が来年にも出そうです。こんな問題は、この会社だけだと思いたい。