当院の診療は、なかなか「完全予約制」とはいきません。実態は「変形予約制+α」です。つまり、
(1)血液検査などが予定されている生活習慣病の方や予防接種の子どもなどは、前もって日時を決めておく
(2)その他の診療は、当日の朝からネット・電話・窓口で予約を受け付け、原則としてその順に診察する
(3)急病の方などの飛び入りもある
それらとは別枠でいま、毎日「発熱外来」の時間帯を設定し、いわゆる「発熱者」の診療を行っています。
発熱外来と一般外来とは、きちんと時間的・空間的に分離して、感染拡大を防ぐ必要があります。
しかし、発熱外来の時間帯に、喘息や腹痛や胸痛などを訴えて来院する急病の方も、いらっしゃいます。
そのような方はしばしば病状が切迫しており、「発熱者」よりもむしろ優先して診療を行う必要があります。
その結果、「発熱者」の方には、駐車場の自家用車内で、しばらくお待ちいただくことになります。
医師一人の診療所で、発熱外来と一般外来を両立させることは、このような運営上の苦労があります。
いまはまだ、それほど来院者は多くないですが、今後熊本でも「発熱者」が増えそうな雲行きです。
多くの医療機関が、発熱外来にますます多くのエネルギーを費やすことになるでしょう。
一般の、コロナ以外のすべての病気の診療に割くエネルギーが、その分、どんどん削られるということです。
外来レベルでの「医療崩壊」は、そんな風にジワジワとやって来るのかもしれません。