札幌市と大阪市を「目的地」とする旅行が、Go Toトラベルの対象から外されました。
一方で、その地を「出発地」とする旅行は、Go Toトラベルの対象からは除外されていません。
感染拡大地域が「目的地」なら問題で、「出発地」ならOK、というのは、少々理解に苦しむ理屈です。
西村大臣はその理由を、「医療ひっ迫地域に多くの人が訪れたら、病床に大きな影響が生じる」と言います。
感染地を「目的地」とする旅行の問題点は、旅先で感染して、地元にコロナを持ち帰ってしまうことです。
一方で、感染地を「出発地」とする旅行の問題点は、感染者が他の地域に感染を広げてしまうことでしょう。
そのいずれの場合も、感染拡大地域での医療ひっ迫には、直接的にはあまり関係がないように思えます。
しかしたしかに、旅行者が多数押し寄せれば、観光スポットや飲食店で「3密」が起きやすくなります。
そのことが原因で、感染地の住民にも感染がさらに広がり、結果的に、医療ひっ迫につながる懸念はあります。
「目的地」NGは、よく考えてみると意外に有効な方策なのかもしれません。
一方で、「出発地」OKを極論すれば、感染地の住民が旅先で医療を受けるのはかまわない、ということです。
その意味まで含んだ、感染拡大地域での医療ひっ迫軽減策とするなら、これはずいぶん考え抜かれたものです。
にしても、全国レベルでの感染拡大を食い止めるためには、「出発地」からも除外すべきことは明白です。
3週間程度の「短期集中策」だというのは、つまり、クリスマス前には制限を緩和したいということでしょう。
であるならば、中途半端なことはやらず、もっと思い切った感染拡大防御策を発動すべきじゃないですかね。
このままでは、史上最悪の年末年始になりゃしないかと、私は本気で心配しています。