東京や大阪や札幌の発熱外来は、たぶん修羅場なんでしょうね

新型コロナよりもインフルエンザを心配して来院される方が、最近ときどきいらっしゃいます。

もしかすると、その高熱はコロナではなくインフルであってほしいという、願いがあるのかもしれません。

さいわい熊本ではまだ、インフルエンザはほとんど出ていないようです。私もまったく遭遇しません。

いま多いと感じるのは胃腸炎。手足口病もしつこく見かけます。アデノウイルスや溶連菌感染もボチボチ。

インフルの疑いが否定できない病状経過で、検査が適切と考えられる場合は、迅速検査をすることになります。

となるといまどき、コロナも同時検査することになりますね。自己採取鼻腔ぬぐい液による抗原検査です。

コロナの検査法は、その検出対象物、検体、採取法などが、とくにこの数か月でどんどん広がってきています。

それに伴って、検査機関や保険点数や窓口負担金も変わり、リアルタイムで追随するのもなかなか大変です。

いま国は、全国の医療機関に「発熱外来」を設置させるべく、その体制確保経費を補助しようとしています。

しかしこれは、発熱外来の設置を補助するものであり、発熱外来の稼働を支援する制度ではありません。

診療しなければフルに補助を受けられ、診療すればするほど減らされるという、一種の「休業補償」なのです。

ある程度予測はしていましたが、実際に自分が発熱外来を始めてみると、その制度の本質的矛盾に気付きます。

発熱者が来なければ良いのにと、つい願ってしまう気分にさせるようなこの仕組みは、やはりおかしいのです。

頑張れば報われ、危険な診療には手厚い保障がある、そんな医療機関支援策であってほしいものです。