新型コロナウイルス感染の「診療・検査医療機関」には、熊本市内でも多くの医療機関が指定されています。
この冬の、コロナとインフルエンザの同時流行にも備えた、いわゆる「発熱外来」です。
当院は日曜祝日も発熱外来「枠」を開設しているので、今日は紹介を受けて来院した方が何人かいました。
さてその発熱外来ですが、実際に運用してみると、いろんな問題点が浮き彫りになります。
以下は、あくまで一般論として(当院の事例とは限らないとして)お読みください。
(1)自家用車を持っていない方の受診
コロナ検査のための受診における政府の考え方は、某議員の質問に対する答弁から読み取れば、
・公共交通機関の利用を避けることは、他の利用者への感染を予防するために必要
・タクシーについては、公共交通機関に含まれる
・救急車の利用については、その必要性が状況により異なるので、一概にはお答えできない
自家用車がない方が救急車で受診することを許容したとしても、今度は帰るときに問題が起きます。
まさかまた、救急車で帰宅するわけにもいきませんからね。
(2)喘息発作やけいれんやアナフィラキシーや心筋梗塞などの急病者とのバッティング
緊急性の高い方が急に来院すると、発熱外来は一時中断せざるを得ません。救命が優先ですから。
医者の体はひとつしかなく、診療所の構造にも限界があり、時間的・空間的分離の徹底は困難になります。
一般の医療機関が発熱外来を担当する場合には、このような避けられないリスクが存在するのです。
始めたばかりの発熱外来ですが、一般患者の診療との両立は、そう簡単ではないように思えてきたところです。