見通しの悪い交差点で、路地から出てきてバイクに衝突した車の運転者への判決は、無罪でした。
いくら注意して運転しても、現場の状況では事故は回避できなかったというわけです。
規定された停止線で止まっても、何も確認できない交差点はたくさんあります。
そんな交差点に路地から進入する場合、私に限らず多くの方が、次の3カ所で一旦停止していると思います。
(1)停止線
(2)交差点内に自動車の先端部が接する位置(車が交差道路の車道にはみ出す位置)
(3)運転席から車道の(右側の)様子が見える位置
見通しが利かない場所であっても必ず一旦(1)で止まるのは、法令遵守というか、取締り対策です。
停止線できちんと停止(=速度ゼロ)することで、(2)まで進むときの速度を抑える効果もあります。
優先道路側の運転者からは、(1)では無理でも(2)の時点で、路地からの進入車が見え始めるはずです。
そして、その車がほぼ停止もしくは最徐行している状況を見て、安心してその前を通過できるわけです。
一方で進入車の運転者は、(2)からは何も見えないので、おそるおそる(3)まで前進します。
冒頭の事例のバイクが(3)で停止中の車と衝突したとすれば、これを車の責任にするのは無理な話です。
路地から大通りに出るときは、車道のほかに歩道にも気をつける必要があり、一旦停止箇所はもっと増えます。
問題なのは、最大限の注意を払っても、物理的に衝突の危険が回避できない場所が、あちこちにあることです。
危機管理全般に言えることですが、「よく気を付けましょう」という標語のような精神論じゃダメです。
行政には、路地の出口で右側の見通しが悪い場所を探して、ひとつひとつ可能な改善をしていただきたい。