「Go To かかりつけ医」的な、新しい制度が始まりました

「診療・検査医療機関」制度が始まりました。

とくにインフルエンザと新型コロナの同時流行に備えて、「発熱外来」を支援するための補助金事業です。

従来の保健所頼みの流れから、かかりつけ医でのコロナ診療・検査へと切り替えていこうというわけです。

医療機関に対しては、発熱患者の受け入れ体制をとるインセンティブとして「体制確保料」が補助されます。

発熱外来診療の本体ではなく、体制を整えて維持することに対する補助金であり、その額の決め方は独特です。

(1) 発熱患者が来なかった場合に、受け入れ体制確保に要する経費について、一定の補助金を出す

(2) 発熱患者が来た場合には、その診療報酬が入るのだから、患者数に比例した額だけ補助金は減らす

(3) 発熱外来として設定した時間内に、非発熱患者を診察した場合には、その患者数に応じて補助金を減らす

当院としては、生活習慣病や普通の風邪の患者さんとの「棲み分け」をどうするかが、思案のしどころです。

発熱外来の時間帯や時間数を曜日ごとに決めようと思いながらも、何が最適なのか予測がつきません。

本来であれば、時間帯を明確に分けて診療したいところですが、患者の発熱は待ってくれません。

結局のところ当院では、その日その日の状況を見ながら臨機応変に対応する形で始めてみることにしました。

つまり、(3)は覚悟の上で、どの時間帯に発熱患者が突然来院しても対処できるようにするわけです。

軸となる、発熱外来専用の時間帯も2,3時間設けつつ、試行錯誤しながら膨らませていく方向です。

悩んでいるのはたぶん、私だけではないでしょう。この制度への参加の是非ですら、まだ議論されています。

ともかく動き出すしかありませんが、いちばん嬉しいのはもちろん、インフルもコロナも流行らないこと。

いま国民は、気晴らし(憂さ晴らし)をしたいのです

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3297.html" target="_blank" title="Go To トラベル">Go To トラベル</a>は、準備がバタバタで完成度は低いし、不正も入り込みやすい制度ではあります。

ですが実際には、わりと好評ですね。旅行需要を喚起して、国民生活を変えることには成功しているようです。

かねて危惧していたように感染症対策には逆行しますが、「総合的・俯瞰的」には旅行も重要なのです。

いつ見ても顔色の悪い赤羽国交相が、Go Toトラベルの期間延長を検討すると言っています。いいんじゃない?

国の補助額の2倍のお金が、旅行・観光業界に流れるという、一種の倍力装置なのでコスパもいい制度です。

業界に直接補助するよりも、有効な使い方でしょうね。なにより、国民の旅行欲も満たすわけだし。

じつは今日は、「ANAに感謝・応援 FLYING HONU スペシャルフライト」の予約受付日でした。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3305.html" target="_blank" title="ANA">ANA</a>が企画した「フライングホヌ」の遊覧飛行はこれまでに2度行われ、来月3度目が開催される予定です。

しかし毎回100倍以上の競争率のため、熱狂的ANAファンからは、不満(&あきらめ)も出ていました。

そこで今回、私も所属する某Facebookグループが、ホヌをチャーターして飛ぼうということになったのです。

残念ながら飛行日は12月20日の日曜日。診療日なので私は無理。まさか臨時休診にするわけにもいきません。

予約は抽選ではなく先着順。受付開始は正午。こりゃ予約サイトは混み合うでしょう。私には関係ないけど。

関係は無いけど気にはなる。誘惑に負けて予約サイトに入ってみたら、パンクしてましたね、サーバー。

Facebook見てると、「画面が動かない」等の悲鳴が続いたかと持ったら、「売り切れだ!」に変わりました。

急な企画だったので、「先着順」の予約にしたのはしょうがないとしても、応募の熱気は想定以上でした。

とにかく飛行機に乗りたい、なかでもホヌに乗りたい、と思っている人が、たぶん何千人もいるわけです。

このような遊覧飛行は、移動目的でもないのに燃料を消費するのがエコじゃ無い、という批判もあります。

しかしそれを言うなら旅行だって、移動先で何か生産的なことをするのが目的ではありません。

非日常に浸り、楽しみ、憂さを晴らしてリフレッシュすることこそ、いま私たちが欲してることなのです。

そこそこ期待されているうちに、あれこれ挽回して欲しい

衆院本会議での代表質問なんて、見ててホントにつまらないのですが、ときどき面白い発言が飛び出しますね。

それが菅総理。安倍さん以上に舌足らずで、照れ笑いしながら発言する姿がどうにも憎めません、今のところ。

言葉としては「俯瞰的」が好きみたいですね。オレは大所高所から見てるんだ、という上からな表現です。

あと、「いずれにせよ」も多い。それまでの議論を一瞬にしてチャラにしてしまう、恐ろしい接続語です。

それに今日は、次のような、面白い発言が飛び出しました。

「まずは新型コロナ対策。そして経済の再生が最優先であり、国民の皆さんの政権への期待も、そこそこにあると思います。(場内爆笑、菅さん苦笑い)。まずは、これらに全力で取り組みたいと考えます」

「そこそこにある」は「そこにある」の言い間違いなんでしょうけど、狙って言ったとしたらかなりの上級者。

なにしろ現実に、国民の期待は「そこそこ」ですからね。

真偽はともかく、菅総理は「たたき上げの苦労人」イメージなのですから、ならばそれを裏切らないことです。

たとえば、日本学術会議の任命見送り問題に対しては、「違法ではない」と逃げるのはいただけません。

「政権にとって不都合な人選だと安易に考えて任命を拒否したものであり、それは全くの誤りであった」

「学術会議からは今後も、課題の解決に向けた提言を頂戴したい。6名の候補者は改めてただちに任命したい」

とりあえずそんな風に改めれば株が上がります。学術会議の問題については、もっと暇な時に考えましょうよ。

いずれにせよ、俯瞰的に考えたら、いま学術界と争ってる場合じゃないんです。

学校検診でときどき校舎に入るのも楽しくて懐かしい

私が「学校医」の任を仰せつかっている「託麻北小学校」で、本日「就学前検診」が行われました。

来年度の入学予定者86名のうち、欠席2名を除く84人が、保護者に連れられて学校にやって来ました。

例年は、在校生(5年生)が手伝ってくれるそうですが、今年はコロナを考慮して保護者が付き添いです。

ほとんどのお子さんが近隣に住む年長児のため顔見知りで、楽しげに話しかけてくる子も何人かいました。

託麻北小の児童数は531人。1年生も6年生も88人なので、近年の児童の増減はあまりないようです。

校舎は古く、増築して複雑な構造です。こういった狭い土地にある古い小学校は、どうしてもこうなります。

照明は少なく薄暗いですね。廊下やあちこちに、児童向けの注意書き(標語風)が掲げてあって懐かしい。

託麻北小の校区は、白川の南側に沿った、東西にけっこう長いエリアです。運動公園も含まれます。

東バイパスが校区を分断し、九州自動車道の熊本IC辺りがまた、通学には障害となってますね、きっと。

白川の河岸段丘も神園あたりの丘陵地のアップダウンもキツイと思いますが、みんな歩いてるんでしょうか。

私の小学生時代(昭和40年代)は、山口県の防府市の広大な平野部の小学校だったので、通学は楽でした。

ただし、石ころを蹴りながら帰ったりするので、なかなか時間はかかります。

その石ころが水田に落ちてしまったら、諦めるのではなく、水田に入って石を探します。

そうすると、たいてい無数のカブトエビを見つけるので、興味はそっちに移ります。

低学年の頃には、通学路の近くに塩田(三田尻塩田)があって、その湿地の中に入り込むのも好きでした。

用水路の中をずっと歩いて帰宅しようと試みたこともありました。服が濡れても汚れても、お構いなしです。

いまの小学生はどうなのでしょう。用水路や水田に入ったら、まず怒られるでしょうね。ていうか危ないし。

ANAの事業構造改革に期待するだけじゃなく、微力ながら協力したい

ANAホールディングスが今日、「創業以来、最大の危機」だとして、今後の事業構造改革を発表しました。

役員報酬や一般社員の給料カットに加え、希望退職者を募り、保有航空機も減らすことは、すでに公表済み。

しかし、東南アジア・オーストラリア路線に展開する、中長距離LCCを立ち上げるという発表には驚きました。

つまり、長距離=ANA、中長距離=新会社、短距離=ピーチ、という棲み分けをするわけですか。

長期休暇のとれない私は海外旅行をしてもせいぜい2泊3日。なので東南アジア限定。となるとLCCですかね。

幸か不幸かLCCに乗ったことありません。腰に不安があるものですから、シートにはこだわりたいのです。

とは言え、日頃は一日中イスに座って仕事してますから、搭乗中ぐらいシートが直立でも我慢できるはず。

たとえフルフラットシートだとしても、搭乗中は興奮するので、私は座席を倒して寝る気分にはなれません。

ていうか、興奮するような海外旅行をしたいものですが、来年もまだ無理でしょうね。再来年だってわからん。

ANAはずっと、大幅な運休・減便を行っていますが、国内線は9月ごろから回復基調にあるようです。

たとえばANA運航の熊本–羽田便は、5往復のうち来月1往復分が復活するので、欠航は1往復だけになります。

ANAの旅行事業会社は、マイレージ運営会社「ANA X」と統合して、事業を強化・多角化するとのこと。

そういえばANAからは、ショッピングのほかに、ふるさと納税や保険や貯蓄の広告メールがよく届きます。

もっと本業に集中すれば良いのにと、以前は思ってましたが、いまは逆。多角経営も大事です。

マイレージ会員って3,600万人もいるそうですね。これほどの顧客は利用するっきゃないでしょうね。

私もまんまと、今年はANAのサイトからふるさと納税しようかという気になっています。

ていうか、この時期になるまでふるさと納税してませんでした。そんな気分じゃなかったってことですよね。

菅総理大臣の所信表明演説は、目標がわりと細かくて具体的でした

菅総理大臣が、本日召集された臨時国会で所信表明演説を行いました。

その中で、とくにコロナ対策については、冒頭で次のように述べていました。

(1)地域の医療機関で1日平均20万件の新型コロナの検査能力を確保する

(2)来年前半までにすべての国民に提供できる数量のワクチンを確保し、無料で接種できるようにする

(3)雇用を守り事業が継続できるように、持続化給付金や無利子・無担保融資などの対策を続ける

(4)Go Toキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援する

ついでデジタル化については、

(5)来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化を始め、運転免許証のデジタル化も進める

(6)デジタル庁は、来年の始動に向け、省益を排し民間の力を大いに取り入れながら、早急に準備を進める

(7)すべての小中学生に1人1台のIT端末の導入を進め、オンライン教育を拡大し、新しい学びを実現する

(8)行政への申請などにおける押印は、テレワークの妨げともなることから、原則すべて廃止する

このほか、脱炭素社会の実現や地方創生や社会保障や安全保障についても、わりに具体的に述べています。

細かいコト言ってるな、というのが第一印象。悪く言えば羅列的ですが、箇条書き的でわかり易い演説でした。

これに対して石破元幹事長は、「抽象論ではなく具体論を語ることが菅総理大臣のカラーだ」と述べました。

公明党の山口代表も、「目指すべき課題について、具体的な政策目標をはっきり述べていた」と評価しました。

ところが立憲民主党の枝野代表は、「目次を羅列した中身で、ビジョンが示されていない」と批判するのです。

野党って、どうしてこうなんでしょう。ビジョンを示せばこんどは、具体的な中身が無いなんて言うのです。

「ビジョンがはっきりしないが、具体的な点は評価する。重要なのはその実現だ」ぐらいに言えばいいのに。

インフルワクチンの供給量は増やしたというけど、結局不足気味です

「いよいよ明日10月26日から、65歳未満の方もインフルエンザワクチンの接種が可能となります」

厚労省の「お願い」に従えば、そういうことになります。

しかしながらすでに当院では、65歳以上も未満も分け隔て無く、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3279.html" target="_blank" title="ワクチンの接種を行っています">ワクチンの接種を行っています</a>。

ワクチンが足りずに65歳以上の方への接種が制限されるなら問題ですが、その心配は今のところありません。

厚労省の宣伝のおかげで10月中に接種を希望する高齢者が多いですが、今月であればワクチンは足りています。

ただし、すべての年齢層で接種希望者が多いため、64歳未満の方の接種予約枠はかなり制限しています。

おかげで、お子さんの1回目の接種はできたが2回目の予約が取れない、とご不満の方はとても多いです。

予約を取り過ぎて接種できなくなるのが最悪なので、ワクチンの納入予定数を考慮して予約枠を作っています。

現時点では、11月末までの予約者に接種できるだけのワクチン+αがありますが、けっこうギリギリです。

例年なら、12月どころか1月上旬まで接種をしていましたが、今年は12月に接種ができるのかどうか微妙です。

どうして厚労省は、もっと潤沢にワクチンを作らせないのでしょう。余ったっていいじゃないですか。

「余るほど製造するから無駄に接種するのだ」という理屈は、いい加減に捨てましょう。

むしろ厚労省の思惑とは反対に、ワクチンが足りない雰囲気だから接種が殺到するのです。

ワクチンが有り余るほど作ってあれば、誰もが落ち着いて自分の好きなタイミングで接種できます。

そうすれば医療機関側も、変に窮屈な予約枠を作らなくても済むし、被接種者も焦ることがありません。

それなのに厚労省は、ちょうど過不足無い需給バランスを目指したがり、しかもうまくいかないのです。

クマの駆除で疲れて、目の下にクマができたとする

クマが民家付近に出没する事件が、最近よく報じられます。人的被害も出ているようです。

たまに逃げ去るクマもいますが、多くは、「猟友会によって駆除された」、という結末になります。

しかし私はこの「駆除」という言葉には、いつも違和感を覚えてしまいます。

ゴキブリみたいな害虫に使うのならともかく、クマやイノシシに使うのはいかがなものか。

大動物に「駆除」を使うと、彼ら(動物たち)を虫けら扱いしているような気がして、申し訳ないのです。

たとえ撃ち殺したとしても、「捕獲」という表現はできないものでしょうか。

生死は未確認の、言うなれば心肺停止状態で捕獲し、どこかへ運んでから死亡を確認したという形です。

これならば、「猟友会によって捕獲された」という報じ方ができ、私も聞いてて心が安まります。

ところで、クマのニュースを聞いて気になるのは実は、「駆除」よりもむしろ「クマ」のアクセントです。

アナウンサーが、「クマ」の「マ」が高い、「イヌ」と同じ「尾高型」で発音しているからです。

私はずっと、「ク」にアクセントを置いた、「サル」と同じ「頭高型」で生きてきたのに。

一般に名詞は、頭高型→尾高型、という「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3189.html" target="_blank" title="平板化">平板化</a>」を来す方向に、アクセントが変化しています。

なので私は、「クマ」も同様に、私が使う頭高型は古くて廃れつつあるアクセントかと思っていました。

ところが「新明解国語辞典 第三版」(1981年)によると、伝統的には「イヌ」と同じ尾高型なんですね。

これが2014年の「日本語アクセント辞典」になると、新しいアクセントとして頭高型も加わります。

NHKの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1730.html" target="_blank" title="新辞典">新辞典</a>」(2016年)でも、第1アクセントは尾高型、第2アクセントは頭高型となっていました。

従来の尾高型では、目の下にできる「クマ」と同じアクセントです。

言葉の発音は、同音異義語を区別する方向に変化しやすいので、頭高型への変化はリーズナブルです。

私が昔から使っている頭高型は、言うなれば時代を先取りした、将来型アクセントと思ってよいでしょう。

真冬のコロナ診療が悲惨になりそうな予感

「霜降」だそうですね。そうこうするうちに朝晩が寒いです。でも今日の午後はちょうど良い暖かさでした。

そんなちょうど良い昼下がり、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3244.html" target="_blank" title="PCRセンター">PCRセンター</a>」に出動しました。2度目のお役目です。

医師(=私)は安全な室内に居るのですが、看護師のお二人は患者さんと接する窓全開の場所で作業します。

猛暑だった前回は地獄だったと思いますが、今日は気温18度で、二人とも「心地よい」と言ってました。

これが真冬になっても外気温の下で業務をされるのでしょうから、防護具の下にはかなりの防寒着が必要です。

今日のPCR検査対象者は17名。最近の熊本って、福岡以上の感染者数を出してますけど、どうしたんですか。

その17名のほとんどが、30代以下でした。小中学生もいる。まだまだコロナは根が深いと感じました。

3回目のPCRセンター出動は、12月になりそうです。これは色んな意味で厳しい時期かもしれません。

新型コロナウイルス感染を疑う発熱患者等の診療・検査は、今後かかりつけ医へにシフトしていく方向です。

その「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3290.html" target="_blank" title="診療・検査医療機関">診療・検査医療機関</a>」へは、当院も参加を表明・回答し、今月中に熊本県から指定される予定です。

当院は、発熱者等が来院した場合に、コロナの迅速抗原検査を自院で行う医療機関となります。

状況によっては、コロナと同時にインフルエンザの迅速検査も行う事になるでしょう。

受診者の動線や診察室などにこれまで以上の工夫が必要で、検査はしばしば駐車場で行う事になりそうです。

真冬の屋外診療はすごく寒いです。おまけに夕方になると暗くて、問診も診察も検査も会計も、全部悲惨です。

今年は、ラニーニャ現象が発生したので寒い冬になるとのこと。もしかすると地獄の冬がくるのかも。

コロナのワクチン、少しぐらい待ちますから良いヤツよろしく

「新型コロナのワクチン ブラジルで臨床試験の参加者が死亡」

ミスリードを誘う「つかみ」はメディアの常套手段だとしても、人の命がかかった話にこの見出しはどうなの。

報じられているように、亡くなった方(28歳の男性医師)は、ワクチンの投与は受けてなかったようです。

医薬品の治験では、薬の有効性と安全性を調べるために、患者や健常人に薬を投与してデータを取ります。

検証に客観性を持たせるために、本来の薬(実薬)とニセの薬(偽薬:プラセボ)を、無作為に使い分けます。

件の医師は被検者として治験に参加し、偽薬のワクチンの投与を受け、コロナに感染して死亡したようです。

この死亡にワクチンが関与していた可能性は、科学的にゼロです。彼が投与を受けたのは偽薬ですから。

もしも実薬の投与を受けていたら、コロナに感染しなかったか、感染しても軽症だったか、それは不明です。

コロナ感染者や死亡者が、実薬よりも偽薬グループに多いという統計学的な有意差が出れば、彼も報われます。

とは言え、今のブラジルで偽薬を割り振られる被検者は、やはり不運ですね。治験の宿命なのでしょうけど。

英国では、ワクチン投与後の被検者を人為的にコロナに感染させるような治験を、政府が支援するとのこと。

またその前段として、ワクチン未投与の健康人をコロナに感染させる予備実験を行うといいます。

倫理的にどうなのかと思える手法ですが、当局の承認を得て来年も開始する見通しとのこと。

ジェンナーが開発した「種痘法」を、最初は難癖つけながらも最終的に支援したのは英国政府でした。

正しい目的のために科学的かつ大胆に行動できるのは、英国の気質なのかもしれません。日本じゃとても無理。