明日、10月からは、注射生ワクチン同士の接種を除き、ワクチン間の接種間隔の規定が撤廃されます。
これは諸外国では当たり前のこととは言え、日本のワクチン行政史上ではきわめて画期的な方針転換です。
ところが、一部の自治体には、この規定を勘違いしている担当者がいるようです。つまり、次の様な誤解です。
「新しい規定は10月からの接種に対して有効なのであって、9月に接種したワクチンについては旧規定に従う。
よって9月30日に生ワクチンを接種した場合、インフルワクチンが接種できるのは10月28日からである。」
少し考えれば、これは誤りだとすぐわかります。
10月1日にたとえ生ワクチンを接種しても、翌日にはインフルエンザワクチンを接種できるようになるのです。
そんなときに9月中のワクチン接種歴など、なんの影響もあるはずがありません。
なので私は、いつ何のワクチンを接種したお子さんでも、10月1日からはインフル接種OKと説明しています。
ただし、注意点が一つあります。それは、注射生ワクチン同士は、今後も4週間の接種間隔が必要ということ。
したがって9月30日にMRワクチンを接種した人が次に水痘ワクチンを接種できるのは、10月28日からです。
面白いのは、その人でも、MRワクチンと水痘ワクチンの間に、別の不活化ワクチンは接種できることです。
なので、MR→水痘、を4週間待っている間に、インフルエンザの接種を済ませてしまってもよいのです。
今後気をつけるべきことは、「前回接種したワクチン」だけでなく、「前回接種した生ワクチン」の情報です。
その確認が不十分だと、生ワクチンの接種においては、過誤接種が起きる可能性があります。
「ワクチンの接種間隔の規定が撤廃された」ことで油断すると、落とし穴が待っているということです。