「熊本市医師会PCRセンター」に初出動

「熊本市医師会PCRセンター」に、本日午後、出動してまいりました。行きは炎天下、帰るときは豪雨でした。

センターの場所は公表されてないのでここには書きませんが、知らない人が見たら気が付かないでしょう。

早めに現地に到着。施設の名称は何も書かれていませんが「入口」とだけ書いてあり、そこが入口でした。

このPCRセンターは、完全紹介制で1日30名までのPCR検査が可能ですが、今日の受診者は20人でした。

お盆前ごろには1週間ほど待たされましたが、最近は検査数が減ったこともあり、即日検査も可能のようです。

今日の検査スタッフは、医師(私)1人、看護師2人、検査技師2人?、事務員2人?の、合計7〜8人ぐらい。

防護具をフル装備した看護師2名の活動場所は、サッシを取り外して開放的な猛暑部屋。室温は38.7度でした。

一方で、私は軽装で、エアコンが良く効いた隣の部屋で待機します。涼しくてほんと、申し訳ないぐらいです。

被検者の車が看護師の前に停まり、十分量の唾液が採取できればそれで終了。被検者はそのまま帰宅します。

もしも十分量の唾液が採れない場合、被検者は車から降り、私の部屋との境界部の壁際のイスに座ります。

私は、壁の穴から突き出した手袋に手を入れて、被検者の鼻腔に綿棒を入れて、拭い液を採取します。

これはインフルエンザの検査と同じやり方ですが、ゴツいゴム手をはめた壁越しの操作はなかなかやりにくい。

被検者が痛がってのけぞると(←インフルで時々ある)、壁のゴム手の長さでは届かなくなります。

検査の途中で雷鳴がとどろき始め、ついには豪雨となりました。

徒歩で来た被検者のうち3名が、部屋の片隅で雨宿りする羽目になり、感染対策の観点からは少し問題でした。

ドライブスルーPCR検査は簡便ですが、猛暑と豪雨の対策が難しいですね。看護師のお二人、お疲れ様でした。

熱中症も夏風邪も胃腸炎も、コロナのせいで診療がやりにくい

毎日の感染者数や重症者数が注目されている新型コロナですが、最も重要な数値は死亡者数かもしれません。

日本ではこれまでに、約1,100人が、新型コロナウイルス感染で亡くなっています。

しかしいま、コロナの10倍のペースで死者が出ている病気が注目されています。熱中症です。

東京都内だけでも、今月に入って131人が熱中症で死亡しているそうですが、ほとんどが高齢者とのこと。

多くが屋内、しかも夜間に亡くなっていて、エアコンの不使用が目立つようです。

先日も、夏バテ気味の高齢者が来院されましたが、もったいないので夜中はエアコンは使っていないとのこと。

昭和の気質の方はどうしても、エアコンのつけっぱなしには抵抗があるようです。

診療の合間に屋外にちょっと出てみたら、照りつける日差しとアスファルトからの熱気ででクラクラしました。

隣のサンピアン前の歩道を見るとしかし、マスクを着けて歩いている方がいます。

マスク着用が定着しすぎて、こまめに外すという発想が失われているのかもしれません。

連日猛暑日の熊本で、コロナ感染者も毎日出ているなか、夏風邪も多い上に熱中症も増えてきました。

今日は当院にも3人ほど、熱中症と思われる方が倦怠感を訴えて来院し、そのうち2人に点滴を行いました。

熱や咳の患者さんなら防護しながら短時間で診療できますが、点滴するとなると接触時間は長くなります。

骨折患者がコロナだったという事例もありますから、誰に対してもコロナの疑いを持たなければなりません。

今後、熱中症のようで実はコロナというケースが増えてくることでしょう。外来では難しい判断が迫られます。

「第2波」の定義はどうでもいいけど、「重症者」の定義は明確に

「いままさに第2波の真っただ中にいるわけです」という、日本感染症学会の舘田理事長の率直な発言に対し、

「どういうことをもって『波』と言うか、必ずしも定義があるわけではない」と、加藤厚労相はうそぶき、

「大きな波になっていることは間違いない」けれど「第2波の定義があるわけではない」と、西村経済再生相。

絶対に「第2波」とは認めない大臣らは、きわめて一貫した姿勢ですが、でも定義なんてどうでもいいのです。

国民の肌感覚で「また来たぞ」が「第2波」でいいじゃないですか。それよりも、今後どうするかです。

どうやら最近は、「感染者数よりも重症者数に注意すべきだ」という方向にシフトしつつあります。

冷静な考え方にも見えますが、感染者数の増加を矮小化しようという意図が潜んでないか、気になります。

大阪府はついに、重症者数だけでなく感染者数でも、東京都を超えてしまいました。

そんな中で、大阪と東京では、「重症者」の基準・定義が異なることが露見しました。

大阪府の基準は、人工呼吸器の装着・ECMO装着・気管内挿管・ICU入室の4つ。東京では前者2つのみ。

気管内挿管すればたいてい人工呼吸器をつなぐことになるので、大きな差は「ICU入室」の部分です。

東京都は、「感染対策や病床の関係で重症でなくてもICUに入っている人」の存在を考慮したとのこと。

これは確かにリーズナブル。ICUに入っているからといって、必ず重症だとは限らないのは、その通りです。

ただ、呼吸器を着けるかどうか悩ましい程度の重症患者を、早めにICUに入れておくことは、よくあります。

あるいは、呼吸器から離脱(気管内チューブを抜去)したばかりの患者もまだ、もうしばらくICUにいるはず。

病床の関係でたまたまICUに入れた患者と、実際に重症な患者は、明確に区別してカウントすべきでしょう。

それに東京都が、重症者が少なく見える方向にシレっと基準を変えたことにも、インチキ臭さを感じます。

東京都は国とは一線を画す態度だと思って来ましたが、体質はほぼ同じようです。

こんな猛暑の中、コロナがどんどん増えるって、誰が予測できた?

真っ昼間に果敢にも、気温37度の中をチャリに乗ったら、ほぼ誰も道を歩いていないことに気付き驚きました。

ていうか、今日みたいな日に好き好んで、昼の1時2時に外出する人なんて、いないのでしょう。

自転車では、とくに両腕がジリジリ焼けるのを感じます。アブラゼミの声がまた、油で揚がる様に暑いですね。

日本各地で気温が40度前後になっています。熱中症の死者数はコロナどころではなく、いま大問題です。

アメリカの「デスバレー」では、54度以上の高温記録が出たとのこと。50度越えって、意味がわかりません。

このカリフォルニアのデスバレーという土地の名前が、ビジネス用語として比喩的に使われることがあります。

基礎研究から製品化・事業化へと発展するための、難関や障壁や課題という意味ですね。

その由来は、ゴールドラッシュの際に、この谷に迷い込んだ人たちが死にそうな目に遭ったことだといいます。

単に、苦難の道とか険しい道のりというレベルではなく、命や財産の危機に瀕するほどの「谷」なのです。

堀江貴文氏が、巨費を投じてようやく「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2769.html" target="_blank" title="MOMO3号機">MOMO3号機</a>」の打上げを成功させた時、次のように述べています。

・ロケット開発のデスバレーは想像以上に深かった。でも、越える方法が分かったのは大きい

・スペースXの「ファルコン1」は3回連続で失敗したけど、4回目で成功させて死の谷を越えた

コロナ禍の現状をデスバレーだと表現するのは、不謹慎・不適切かもしれませんが、私はそう捉えています。

それは単に、医学的・公衆衛生学的な課題だけでなく、経済・社会問題としての苦境でもあるからです。

医療従事者も研究者も、国民も事業主もお役人も政治家も、このデスバレーから抜け出す道を探っています。

ワクチンや治療薬や、通信や生活様式や事業や公共サービスのあり方が、きっと大きく飛躍するはずです。

羽田の国際線新ターミナルは、もっぱらロケ用か

口角泡を飛ばすドラマ『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3211.html" target="_blank" title="半沢直樹">半沢直樹</a>』は、昨日の放送分から、航空会社(と政治家?)が舞台になりました。

JALの再建が元ネタになっているようですが、「帝国航空」のカラーは青なのでANAっぽく見えます。

昨日の放送で一瞬、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2900.html" target="_blank" title="フライングホヌ">フライングホヌ</a>」の尾翼が見えました。「ANA」のロゴが白地に青い文字はホヌです。

となると、これは成田空港ですね。残念ながらホヌは2機とも、3月25日以降ずっと成田で長期休養中です。

ただし90日以上飛ばないと重整備が必要となるので、これを回避するため6月に成田付近を少し飛んでいます。

このドラマの主な舞台の一つである羽田空港でも、出発ロビーでかなり大々的にロケを行っていました。

こんなことができるのは、幸か不幸か現在閉鎖中の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3099.html" target="_blank" title="羽田空港第2ターミナル(T2)">羽田空港第2ターミナル(T2)</a>の国際線エリアですね。

私は行ったことないですが、東京五輪をにらんで今年3月29日に供用を始めた、新しい国際線ターミナルです。

ANAの国内線ターミナルと直結、ていうか同じビルなので、乗り継ぎがとても便利・・・になるはずでした。

ところがコロナのせいで国際線は閑古鳥。ターミナルをT2とT3(旧国際線ターミナル)に分ける意味もない。

需要減に加えて検疫強化の目的もあり、4月11日から、国際線はすべてT3に一本化されてしまいました。

おかげで広大な新築ターミナルが、まるっと半沢のロケに使えてしまうという、奇跡的な状況になっています。

他のドラマも、なんならハリウッド映画でも、いまならロケし放題。ああ、エキストラで出演したい。

航空機内は手術室並みにクリーンだというけれど

旅客機内の座席が前後の乗客間で、新型コロナウイルスが感染したと疑われる事例が報じられました。

航空機は、列車やバスよりも優れた空調システムを有しているので、ウイルス感染はしにくいとされています。

高性能HEPAフィルターを通した空気を、一方向に循環させており、手術室並みにクリーンだともいわれます。

ANAやJALのサイトによると、客室内の空気は乗客の頭上から足元へ向かって流れているようです。

しかしそのような環境でも、真後ろの席の乗客が咳込むと、前の座席に飛沫が飛ぶ可能性は否定できません。

もちろん、前の席の乗客が急に立ち上がって後ろに向いて咳をした場合でも同様ですが、それは希な事例です。

いずれにせよ、乗客の頭上に放出された飛沫は、空気の流れに従って、乗客の頭から降り注ぐことになります。

つまりどんなに完璧な空調であっても、風上の空気が汚染されたら対処のしようが無いということです。

手術室では、一方の壁にHEPAフィルターを介した空気が出る送風口があり、反対側の壁に排出口があります。

従って、つねに一定の方向にクリーンな空気が流れており、空気がよどむことはありません。

唯一重要なことは、術野(手術操作が行われている場所)の風上に、不潔なモノを置かないこと。

ここで「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3062.html" target="_blank" title="不潔">不潔</a>」というのは、滅菌されていない物品や、滅菌ガウンを着ていない人のことです。

一定方向に空気が流れる空気清浄システムで重要なのは、風上を常にクリーンに保つ必要があることです。

なので機内では、自分の頭上の空気を汚されたらアウトなのです。航空機の空調を過信してはなりません。

後ろの席の乗客がよく咳込むような場合は、自分の席の移動をCAさんにお願いするなどの自衛策が必要です。

こんなお盆休みは、今年限りであってほしい

お盆休みが終わり、当院は明日16日から診療を再開します。

移動や3密を最小限にすべく、墓参り以外は、私はもっぱら自宅近辺で過ごしました。

今日は自宅BBQの食材を買うために、午前中に近所のスーパーに出かけると、かなりの人出でした。

出入り口には手指消毒用のアルコール、レジにはパーテーション、客も店員も全員マスク装着。

そのような光景が日常であることは、めったにスーパーに行かない私にも、すんなり理解できます。

つまり、ありとあらゆる場所が、同様の状況ということです。

日頃はもっぱら自転車で通勤しています。誰と会って立ち話をするわけでもなく、マスクなど着けていません。

ところが通行人を見ると、3密でもないのに、多くの方がマスクを着けて歩道を歩いています。

歩道では良くても、やがて人が集まる場所に近づけば、その時点でマスクが必要となるからなのでしょう。

この夏、私はそこそこ日焼けしましたが、それは自宅の庭か墓参りか自転車通勤時の日焼けです。

4人の孫たちのうち、熊本市内に住んでいる1人とだけ、このお盆休みの間に会うことができました。

県外からの帰省はお預けとなりましたが、とても残念なことです。

人々の行動範囲はとても狭くなり、不要不急の代表格であるレジャーは、どうしても控えめになっています。

大人はともかく、まともに夏休みを堪能できない子どもたちが、かわいそうでなりません。

「ウィズ・コロナ」という、わかった風な言葉は嫌いです。こんな異常事態に慣れて良いはずがありません。

屋外での食事は、コロナの心配は無いけど暑すぎます

急に「ピザの口(←ろ、じゃなくて、くち)」になったので、今日はピザ店に宅配をオーダーして食べました。

この「○○の口になる」という言い方は、最近テレビ等でよく耳にしますね。「モナカの口になる」とか。

「口になる」なんて言葉、学校の国語で習った覚えはありませんが、いつのまにか使われるようになりました。

「他のモノではなく、どうしてもそれが食べたい気分」みたいな意味でしょうか。

しかし、一般的な辞書を引いても(私が調べた限りでは)、「口になる」の用例は見当たりませんでした。

「口」の意味のうち「飲食物を味わう感覚。飲食物の味の傾向」がいちばん近いか。用例は「飲める口」など。

ならば「口になる」は、「口の中に味が広がるように感じるほどまでに食べたくなっている状態」ですかね。

で、かかりつけ(頼みつけ)のピザ店に、ピザをネット注文しました。

カード決済なので、玄関口での現金とおつりのやりとりが不要。今どきこうでなくっちゃ。

配達時刻が指定できませんでしたが、「ただいま90分待ち」という待ち時間表示が参考になります。

私は午後6時ごろに食べようと思い、家人は7時半が希望と言いますが、時計を見るとまだ3時半。

でも待ちきれずに発注。90分後というと午後5時ですか。ちと早いけど、ま、いいでしょう。

と思っていたら、甘かった。配達のバイクは4時に来ました。そうか。90分とは、90分以内という意味か。

早く配達すればその分喜ばれるはず、というのが店側の発想なのでしょう。その配慮に文句は言えません。

というわけで、まだ日差しの強い午後4時から、あえて庭で、ビールと共にピザをいただきました。

私と一緒に庭に飛び出した愛犬・花ちゃんは、あまりにも暑すぎてすぐに室内に戻る始末。私も30分で退却。

皆さんも熱中症には注意しましょう。ビールでは脱水は防げませんので。て、どの口が言ってるのやら。

シャープのバカ高いマスクがまだ大人気なのはなぜ?

原材料費の高騰か、流通の問題か、あるいは単なる市場原理か、それとも何かの思惑が働いているのか。

マスクもアルコール消毒液も、ひと頃よりは入手しやすくなりましたが、まだ価格がかなり高いですね。

バカみたいに高額な「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3155.html" target="_blank" title="シャープ">シャープ</a>」のマスクは、いま思えば申し込まなくてよかった。

ところが世間的には、いまだにシャープ製マスクが大人気。毎週数万人の新規応募者があるそうで驚きます。

病院や店や学校や職場の入口だけでなく、自宅の玄関でも、手のアルコール消毒が当たり前になりました。

ただ、当院受診者にも多いのですが、農作業等を終えて帰宅した方は、まず、石けんで手を洗いましょう。

石けんでしっかり洗った後で、改めて手指をアルコール消毒する方もいますが、それは不要です。

ハンドソープや石けんなどの界面活性剤は、汚れを落とすだけでなく、新型コロナの除菌法としても有効です。

なので、脂や泥で汚れた手を石けんと流水でしっかり洗ったなら、もはやコロナの心配はありません。

それに、石けんで手洗いした後の、わずかでもぬれた手では、アルコール消毒の効果が減弱してしまいます。

最近購入した洗剤をよく見たら、「サラヤ ハンドソープ シャボネット石鹸液 ユ・ム 5kg」とありました。

国の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3126.html" target="_blank" title="優先供給スキーム">優先供給スキーム</a>」で、法外な金額のアルコールをつかまされた記憶も新しい「サラヤ」の商品です。

今日の疑問は「ユ・ム」です。まるで列車の「モハ」とか「キハ」みたいな、何かの略号かと思わせます。

実際調べたら、「有色・無香料」を略して「ユ・ム」だと。その、略して分かり難くする意味って、何?

いやもしかすると、サラヤの社長は鉄道マニアなのか?

オンライン帰省してリモート墓参り

明日からお盆です。当院も明日から3日間、お休みします。近隣地域の皆様には、ご不便をおかけします。

今年は例年とはまったく様相の異なるお盆になりました。こんな事態を、誰がいったい予測できたでしょう。

いやもしかすると、ノストラダムスの大予言の「恐怖の大王」はコロナだったのか。誤差20年てことで。

おもに都会から地方への、県をまたぐ移動を制限すべく、今年は「オンライン帰省」が推奨されています。

今日来院した子ども(小学生)は、「じいちゃんとZoomでリモートする」と言ってました。

去年こんな子がいたら呆れるところですが、今年はいたって普通のこと。それが普通であることに驚きます。

インフラやお役所仕事のIT化の遅れが顕在化した日本ですが、図らずも、市民レベルでは挽回しつつあります。

私の場合さいわいにも、自宅の近くに実家があり、お墓もあるので、例年通りの帰省と墓参りが叶います。

しかし日本中の多くの方が、今年は帰省と同時に墓参りも断念することになるのでしょう。

その代わり、「リモート墓参り」とか「オンライン葬儀」などの、ハイテクな法要が注目されています。

親戚同士で工夫したり、専門業者や石材店等のサービスのほか、お寺が運営しているケースもあるようです。

新型コロナによって人々の生活は一変しましたが、抜け出してみると、社会は飛躍しているかもしれません。

テレビを見ていたら、築地本願寺のリモート墓参りシステムが紹介されていました。

通信機器などを操作しているのは、お坊さんです。使っている音響機器のメーカーはBOSEかもしれません。