「イソジンうがいがコロナに効く」(※本稿では、簡便のためポビドンヨードを「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1528.html" target="_blank" title="イソジン">イソジン</a>」と記載します)
吉村大阪府知事が昨日発表した「うそみたいな本当の話」は、賛否両論の大きな波紋を呼んでいます。
大阪はびきの医療センターの研究によれば、イソジンうがいをしたら唾液のPCR検査陽性率が減ったとのこと。
そりゃあ消毒した唾液でPCR検査をしたら、陰性になるのが当たり前じゃね?、というのが私の第一印象。
しかし考えてみると、唾液中のウイルスを減らせば、結果的に感染力を減らす可能性は否定できません。
なので私としては、まとまった研究データを待とうかという、賛否で言えば「賛」寄りの立場でした。
件の「イソジンうがい推奨」会見によって、昨日から薬局はイソジンが品切れ騒ぎのようです。
知事の発言は勇み足というか、少々思慮を欠くものでした。すなわち、
(1)科学的検証が不十分な研究成果を、公的立場の人間が断定的に公表した
(2)その発言によって引き起こされる混乱を考慮してなかった(または甘く見た)
残念なことに、吉村知事は今日の釈明会見で次のように述べました。まさしく二枚舌としか言いようがない。
「予防効果があるということは一切ないし、そういうことも言ってない」
あのね、感染症の予防効果が「一切ない」としたら、イソジンうがい薬の存在価値って何ですか。
ちなみに当院では、うがい液にはアズノールという薬をもっぱら処方しています。消炎目的のうがい薬です。
イソジンうがい液を処方することがなくなったので、隣の薬局にも、ほとんど在庫は置いてないはず。
なので「コロナ予防」の目的で当院に来られても、イソジンの処方はできかねますので、ご了承ください。
そうでなくても、6年前からイソジンうがい液単独の処方は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-862.html" target="_blank" title="保険適用外">保険適用外</a>になってますので、ご注意ください。