朝から晴れて気温の上がりが早い日は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-660.html" target="_blank" title="クマゼミの合唱">クマゼミの合唱</a>も早朝から盛況です。
7時すぎに出勤して外回りの掃除をしていると、周囲から激しいクマゼミシャワーを浴びることになります。
樹木を見上げるとあちこちの幹で、深いメタリックグリーンのクマゼミがおなかを震わせています。
私が「ワシワシ」と形容するその<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-301.html" target="_blank" title="鳴き声">鳴き声</a>ですが、よく聞けば「ジュヮィジュヮィ」というのが正しいですかね。
そんな中で昨日は、久しぶりに<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1682.html" target="_blank" title="タマムシ">タマムシ</a>も見つけました。
クマゼミの喧噪にやられたのか、樹木から少し離れた日陰のベンチの上で、大人しくたたずんでいました。
タマムシと聞いて「玉虫厨子(たまむしのずし)」しか思い出せない方は、もっと野外に出ましょう。
昼に、タマムシの餌用のケヤキの木を見ようと屋外に出たら、違和感があるほどに静まりかえっていました。
前にも書いたように、クマゼミは午前中しか鳴かないからです。そして、その静寂がかえって暑苦しい。
さっきまで降り注いでいた、あのクマゼミシャワーが、すべて地中に染みこんでしまったような気がしました。
と、そのとき気づいたのです。松尾芭蕉は、セミの声が消え失せた白昼の静寂を、詠んだのではなかろうかと。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」
やかましい蝉時雨の中に、芭蕉は心や寺や宇宙の「閑かさ」を感じとったのだと、人々は解釈してきました。
でも、もしかすると芭蕉は、セミがまったく鳴いていない異様なほどの静寂に、驚嘆したのかもしれません。
あれほど鳴いていた蝉の声が、すっかり岩にしみ入ってしまったのか、なんと閑かであることよ、みたいな。
なお、東北地方にはクマゼミはいませんが、ミンミンゼミがいます。やはり午前中だけ鳴くようです。