コロナの時代、現金の受け渡しは淘汰されるかも(賄賂等を除く)

コロナの時代、他人との物品の受け渡しは最小限にしたいところですが、現金だけはどうにもなりませんね。

店舗等では可能な限りカード払いにしていますが、店によって、接触の程度=感染の危険度、が違います。

(1)カードを客がリーダーにかざすか、タッチするか、差し込んで引き抜く

(2)カードを店員に渡し、暗証番号を押すかサインをした後、カードを受け取る

このうち(1)は接触が少ないですが、それでも最後に紙のレシートを手渡されたら同じことです。

ならば、「レシートなど要らんわいっ!」と突っぱねるか。でもどうせ、商品を受け取りますけどね。

じゃあ安全なのは通販だけでしょうか。いや、配送された商品や外箱にも、油断してはなりません。

梱包を開けたらいちど手指消毒し、商品を取り出したらまた手指消毒。そこまでやりますか。やりませんけど。

宅配業者のボールペンを借りてサインしなくても良いように、玄関にはペンかシャチハタを置いときましょう。

現実にいま困っているのは、クリニックの会計窓口です。どうしても現金を受け取る必要があるからです。

手数料負担がイヤなので、カードなどのキャッシュレス決済は、当院では導入していません。

じゃあ現金は、手袋で受け取るか? おつりも手袋? 受け取った紙幣は消毒? そこまではね。

マイナンバーカードが保険証になれば、紐付いた預金口座から医療費が引き落とされる仕組みにできるはず。

診療終了と同時に、窓口負担分が患者の口座から医療機関の口座に送金されるシステムなんてどうでしょう。

もちろん、診療内容は支払団体にも即座に伝わるので、毎月のレセプト提出なんて不要です。いいなあ、これ。

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」配信開始

プロ野球がついに、無観客ですが開幕しました。都道府県をまたぐ移動の自粛も、今日から緩和されました。

まだアフター・コロナではなくウィズ・コロナだと観念した上で、新しい社会生活フェーズに入ったわけです。

くまモンも大喜びで踊ってます。「中の人」が交代するときはもちろん、しっかり消毒してますよね。

「タヌキとキツネ」がやっと捕まりました。えっ? あらいぐまとアンジー?。アライグマに失礼でしょう。

お白州で詮議の上、彼らには厳しき沙汰があることを願いますが、どっちみち小物なので大勢に影響なさそう。

厚労省の新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」が、今日の15時ごろから配信されています。

例の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3152.html" target="_blank" title="AppleとGoogleが共同開発">AppleとGoogleが共同開発</a>した世界共通の「API」を使った、日本独自のアプリです。

iPhoneとAndroid両方に対応していますが、いずれも今日は混み合っているのか、入手に手間取りますね。

「COCOA」で検索しても「COCOAどこだ?」となります。「接触確認アプリ」で検索する必要があります。

それよりも、App StoreやGoogle Playの検索は使わず、厚労省のサイトのQRコード経由がオススメです。

さっそくインストールしたので、ためしに「陽性者との接触を確認する(14日間)」」というボタンをタップ。

「陽性者との接触は確認されませんでした」と出ました。でしょうね。まだそうでしょう。

しかし大事なことは、陽性者との接触がわかったとき、スムーズにPCR検査を受けられるかどうかです。

厚労省のサイトには「保健所のサポートを早く受けることができます」とありますが、早合点は禁物。

これは、「帰国者・接触者外来等の連絡先が表示され、検査の受診などが案内」されるという意味のようです。

そしてその連絡先にに電話したら、かかりつけを受診するように言われるっていう、オチじゃないでしょうね。

「申請主義」の基本理念は「性悪説」

自粛ムードが緩んでも診療患者数はまだ少ないですが、定期予防接種の子どもたちは、そこそこやって来ます。

昭和37年度~昭和53年度生まれの男性を対象とした「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2855.html" target="_blank" title="風しんの追加的対策">風しんの追加的対策</a>」の対象者も、よく来院されます。

そのクーポン券を持参して来た方が最初に受ける「風しんの抗体検査」の、今日はその受診票にモノ申したい。

受診票の中段に、「下記に該当する場合、□に✓を入れてください」と、次のようなチェック項目があります。

「 □私は、風しんの抗体検査を受けることを希望いたしません 」

わざわざクーポン券持って来て受診票を書いた挙げ句に、しかし検査を希望しない中年男性っているんですか。

検査の資格はあるが希望はしないことを正式に表明しに来るヒマ人を想定した、チェック項目ですか。

似たような書類がありますよね。例の、新型コロナ対策に係る「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3159.html" target="_blank" title="特別定額給付金">特別定額給付金</a>」の申請書です。

その、「 給付金受給を希望されない方はチェック欄(□)に×印を御記入ください 」という部分。

記入間違いを誘発して「受給を辞退させる」ことで有名なトラップですね。

これなどはもう、バカな書類設計と言うほかありません。作ったのは総務省。市民目線が欠けている証拠です。

一部の自治体は独自に「親切な」申請書を作り直し、国の愚策の尻拭いをする羽目になっています。

一般に、給付金や助成金の申請書類は、細かく面倒で添付書類もやたらに必要で不親切な設計になっています。

「性悪説」を基調とし、不正受給を防ぐためなら申請が面倒でもかまわないというのが基本理念だからです。

風しん抗体検査の受診票や特別定額給付金の申請書の妙なチェック項目も、そこから派生したものでしょう。

市民感覚からすれば、無意味で無駄で不親切で不誠実なチェック項目であり、結果的にはトラップです。

このように不親切な文言を平然と準備するお役人って、どういう思考回路(または性格)なんでしょうね。

市民サービスに関係する書類は、「性善説」を基調とした、もっと簡便で親切で優しい設計であるべきです。

北朝鮮からの爆風にあおられて、ネットにからんで不時着中

朝鮮半島情勢が緊迫しています。北朝鮮は昨日、南北の共同連絡事務所を予告通り爆破しました。

元々この地には、南北・米朝・米韓・日朝・日韓・中韓など、あらゆる組み合わせの問題が存在しています。

しかも各国が国内問題も抱える中、畳みかけるようにコロナです。北の暴発は当然の成り行きかもしれません。

朝鮮問題に詳しいジャーナリストや脱北者の話を聞く(読む)たびに、北朝鮮という国の怖さに戦慄します。

オカシナことがまかり通っている日本や、米中韓ロの指導者もどうかと思いますが、北朝鮮にはかないません。

そんな今、彼の国の状況が描かれていると評判の、ネット配信中のドラマがありますね。『愛の不時着』です。

タイトル的には少し躊躇していましたが、事ここに至った以上は、後学のためにも観ておくほかありません。

私は基本的に、諜報活動とか裏工作とか復讐劇とかが好きなのですが、このドラマにも盛り込まれています。

もちろん登場人物の氏素性については、韓流ドラマのツボが押さえてありますから、安心して観ていられます。

おまけにシリアスなのにコメディーです。今後、将軍様のソックリさんとかが登場することを期待します。

まだ映画館に行く勇気が無いこともあって、最近とくにテレビの前に座ることが増えました。

コロナ禍を機に、映画の視聴はネット配信が標準になるんじゃなかろうかとさえ思えてきます。

新型コロナには、まだ日本人はほとんど感染していないということ

厚労省が今月行った、新型コロナウイルスの抗体検査。待ちに待っていた陽性率は、東京で0.1%ですか。

先月の500人の検査では、微妙に納得のできる陽性率0.6%が出ましたが、今日の0.1%はちょっと意外でした。

都民のほぼ全員(99.9%)は、まだ新型コロナに罹っていない=今後罹る可能性がある、ということですから。

ただ、東京の検査対象者1,971人というのは、まだ少ないと思います。だって、陽性者はたったの2人ですよ。

これはまだ、偶然の入り込む余地がありあますね。やはり東京だけでも1万人調べなきゃ。

それと比べると、大阪の2,970人のうちの5人は、多少信頼感があります。

他社の(未承認の)検査キットを使うと、東京1.07%、大阪1.25%だったとか。はて、何が正しいのやら。

なんにしても、どうして東京・大阪で1万人ずつ調べるぐらいの規模にしなかったのでしょう。

まあいずれにせよ、99%か99.9%は未感染なわけで、結果的な意味合いは同じかもしれません。

ほとんどの国民が未感染と言うことが改めて判明したわけで、感染するのはこれから、ということです。

他国の抗体陽性率を見ると、ニューヨーク州は12.3%で、ストックホルム7.3%、イングランドは6.78%。

欧米諸国は日本とはレベルが違います。逆に言うなら、日本はよくもまあ感染を予防できてますね。

あるいは、日本人は感染しにくい何か特別な要因があるのかもしれません。

ところで、抗体検査による感染率は、検査対象者の集団によってだいぶ異なるはずです。

一般市民に対してが今回のデータとしたら、医療従事者や夜の街では、もっと高い陽性率が想定されます。

医療従事者にとって自分が抗体陽性かどうかは、単に興味の問題ではなく、今後の仕事に大きく影響します。

国の施策で、医療従事者の全員調査をぜひ、お願いしたいものです。万一陽性なら、すごく気が楽になるので。

「夜の街」の感染制御が最後の課題か

東京都の新型コロナは、昨日47人に急増したのを我慢していたら、今日は48人。厳しいとこ突いてきますね。

これが100人、200人なら諦めもつきますが、ジリジリと増やされたのでは、身動きもとれません。

本来なら再び警戒を強めるべき事態ですが、不思議と世間は、まあ待て慌てるなという落ち着いた雰囲気です。

「夜の街」の関係者や院内感染が大半を占めており、「御しやすい」状況と考えられるからかもしれません。

しかもホストクラブでの集団検査の結果が多く含まれており、必ずしも感染急拡大ではないとも解釈できます。

たしかに、怪しい場所は調べれば調べるほど陽性者が出て、見かけの感染確認者数は増えるでしょう。

小池知事も、「確認できているという点で、むしろ確かな数字になってきている」と開き直っています。

ですが逆に言うなら、検査が不十分のために、これまでの感染拡大を許してきた面もあるということです。

結局のところ、検査の網を広げることこそが、やはり感染症対策の王道なのでしょう。

ガンガン検査して、しっかり隔離して、非感染者が経済を回す。それが正解なのかもしれません。

ただし、夜の街で真面目に集団検診を受ける店は例外的で、むしろ闇営業や感染者の隠蔽が懸念されます。

「ウィズ・コロナ」の時代に、対面でなければ成立しない「接客業界」の感染制御はとても難しいですね。

治療薬とワクチンで、早く「アフター・コロナ」の時代にしてもらいたいものです。

「MOMO5号機」打ち上げ失敗、ではない

民間単独開発のロケット「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2127.html" target="_blank" title="MOMO">MOMO</a>(モモ)」は、今朝打ち上げた5号機も、宇宙には到達できませんでした。

これまで5回の打ち上げのうち、成功した(=高度100キロの宇宙空間に達した)のは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2769.html" target="_blank" title="3号機">3号機</a>だけです。

1号機の打ち上げに失敗した後、打ち上げ場所のある北海道大樹町に、私はふるさと納税をして応援しました。

その次の2号機の失敗後、こんどは3号機のために、「インターステラテクノロジズ」社に出資しました。

いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2560.html" target="_blank" title="クラウドファンディング">クラウドファンディング</a>」ってやつです。そしたら見事、3号機の打ち上げに成功したわけです。

以後、出資はせずに眺めていたら、4号機も5号機も失敗してしまいました。なので微妙な責任を感じています。

にしても、今回の5号機の機体のペイントって、すごくないですか。スポンサーのロゴが。

機体表面の大部分を占めている巨大な文字が、「お好み焼 北九州伝統の味 なにわ」ですからね。

ニュース映像では、ロケット「なにわ号」みたいに見えますよ。まるで大阪の下町ロケットじゃないですか。

ついでに、「北九州伝統の味」なのに「なにわ」って店名も気になりますけどね。

「今回の打上げでは多くの成果が得られ、今後のロケット開発に向けての大きな前進となりました」

今朝の「打ち上げ結果」について、「インターステラテクノロジズ」社はこのように述べています。

つまり、失敗ではないんですね。確かに打ち上げたのです。そして成果を得たのです。さらに次に進むのです。

「雨垂れ石を穿つ」の気持ちで、関係者のみなさんには諦めずに挑み続けていただきたい。

理論的には効く薬でも、治験でうまくいくとは限らない

「二重盲検法」という言葉を昨日書いたのを機に思い出した、昔(大学病院勤務時代)のエピソードを2つ。

心臓手術中の心筋を保護する作用が期待された、某製薬会社が開発した新薬の治験に、私が関わりました。

薬には通し番号が振ってありますが、それが本来の薬なのか、偽薬(プラセボ)なのかは区別できません。

区別できないまま、手順通り手術中の患者さんに投与し、さまざまな臨床データを記録して会社に渡します。

患者も医者も会社の担当者も、偽薬かどうかは分からずじまい。知っていたのは会社の解析担当者だけです。

その厳格な二重盲検法に則った比較試験によって結局、薬の有効性が統計学的には証明できず、開発は終了。

理論的には有望な薬でも、試験のデザインが悪くて有効性が立証できなかった、不幸なケースかもしれません。

心臓手術中の循環動態を安定させる作用があると考えて、某医師がある既存薬の臨床研究を行っていました。

薬は某技師が手術室内で調合し、その日の担当医師に手渡します。偽薬の場合は生理食塩水が手渡されます。

医師はそれが偽薬かどうかを本来なら知りませんが、技師の調合作業をチラ見すると、だいたいわかります。

結果、効果判定にも微妙なバイアスがかかり始め、その薬の有効性が立証される結果となりました。どうもね。

このような、結果ありきで立案・実施されたニセ盲検臨床研究もあるので、論文を読む側も注意が必要です。

ところでアビガンの治験方法は、医師が偽薬を知った上で使う「単盲検」。そこに微妙な怪しさを感じます。

しかもそれにもかかわらず、「良い」中間解析結果が出なかったようで、先行きはまったく不透明ですね。

よほど劇的に効く薬じゃないと、統計学的に有意な有効性が出ないのが、コロナの難しさなのかもしれません。

アビガン、期待しすぎない方がいいかも

日本発の薬が世界の新型コロナ治療に使える! と一瞬胸を張ったアビガンですが、なかなか承認されません。

「アビガン飲んだら熱が下がり始めた!」「飲んだ翌日から味覚が戻った!」

効果を実感した有名人がSNS等でアビガンを褒め称えるので、みんなの期待感が高まるのは当然です。

しかし、彼らの症状が改善したとしても、それはアビガンが効いた証拠にはなりません。

「アビガンを飲んだ」→「味覚が戻った」という、前後関係を述べているに過ぎないからです。

ちょうど病状が軽快し始める時期に、たまたまアビガンを飲んだだけなのかもしれません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1964.html" target="_blank" title="前後関係を因果関係と混同">前後関係を因果関係と混同</a>するのは、とくに日本人にはよくある考え方ですが、科学的ではありません。

偽の薬(プラセボ)であっても、特効薬だと思って飲んだら「効いた」と感じるのが「プラセボ効果」です。

アビガンを飲んだ有名人の場合も、プラセボ効果ではなかったという保証はありません。

元々の、新型インフルエンザ用の薬だけどコロナにも良く効くらしい、という前評判が高すぎたのです。

日本で開発された薬だから応援したいという気持ちが、余計に期待感を増幅した可能性もあるかもしれません。

アビガンを医薬品として使うためには、プラセボ効果を除外できるようなルールに則った証拠固めが必須です。

本来であれば、患者も医者もプラセボかどうか区別できない「二重盲検法」による治験を行う必要があります。

しかし現在行われている第3相臨床試験は、やや厳密さに欠ける「単盲検ランダム化比較試験」とのこと。

まあそれでもいいですけど、幸か不幸かコロナの患者数が減っていて、治験に時間がかかっているようです。

当初もくろんだ5月中の薬剤承認は無理でした。それどころか、今月中の目標症例数到達も難しそうだとか。

やがて治験が終了し、しかしアビガンは効かないということが判明しても、私は驚きません(落胆はします)。

油断するつもりはないですが、明るい気持ちにはなりたい梅雨入り

九州北部や関東甲信を含む全国の各地が、本日梅雨入りしました。

そのニュースを聞くまでもなく、熊本は今朝から土砂降りです。昨日までは真夏日だったのに急な変わりよう。

いまから1カ月あまり、どんよりとした天気と、どうかすると災害につながりかねない雨が降ります。

豪雨災害が起きた際に、今年は避難所での3密が問題となり、それがイヤで避難が遅れることが懸念されます。

いまのうちから、3密を避ける避難所の工夫を、各地域が準備しておかなければなりません。

なんなら巨大地震や火山の噴火やミサイル攻撃が起きる可能性までをも、考慮する必要だってあるはず。

危機管理の観点からは、最悪のなかでも最悪、究極の未曾有の事態を想定して備えることが重要でしょう?

ちょうど3月末に、政府の中央防災会議が、富士山の大規模噴火のシミュレーションを公表しました。

このタイミングは偶然にしても、泣き面に蜂(しかもクマバチ)を想定するのは、悪趣味ながらも有意義です。

東京都は、「東京アラート」を明日解除すると決定しました。休業要請の措置も「ステップ3」に移行します。

私はその判断には異を唱えませんが、感染の再拡大の兆候があれば、すぐに後戻りする準備も必要です。

あとはただ、豪雨災害とコロナ第2波が重なりませんようにと、祈るばかりです。

熊本市では、もう1カ月以上、新規の感染者が確認されていません。入院者も昨日、ゼロとなりました。

私も今日は、診療中にゴーグルは装着してもフェイスシールドは使いませんでした。これは久しぶりのこと。

でもあとで、「あのときは油断してたな」と後悔することのないよう、注意は怠らないつもりです。