「ウィズ・コロナ」の時代、旅行はしばらくイマジネーションで

どの業界も同じでしょうけど、なかでも航空業界の経営は、新型コロナのおかげでガタガタです。

厳しい感染予防策や出入国規制と並行して、旅行という「不要不急」の行動が忌避されているわけですからね。

現在ANAもJALも、国内線は従来の2,3割、国際線に至っては1割程度という悲しくなるほどの運航状況。

今日から少しだけ運航便が増えましたが、まだまだ復旧とはいえません。回復には時間がかかりそうです。

実は今年の秋に、還暦到達を記念して、東南アジアを駆け足で巡る複雑怪奇な旅行計画を立てていました。

その旅程のうち、バンコクからホーチミンシティーまでは、タイ国際航空の便に乗る予定でした。

一般に航空券は、早く買うほど便選択の自由度が高く、しかも安いので、昨年のうちに購入していました。

ところが3月になって、タイ航空から連絡が入り、バンコク出発が10時間遅い便に変更になるというのです。

以前から経営難に陥っていたタイ航空ですが、コロナの影響が出始めたため減便したのでしょう。

問題は、日本からホーチミンまでと、ホーチミンからジャカルタまでを別の旅程(別切り)にしていたこと。

別切りの航空券では、ホーチミンへの到着が遅れても、ホーチミンから先の旅程のことは保証してくれません。

このままではホーチミンで次のシンガポール航空の便に乗り継ぐ旅程が、物理的に不可能になってしまいます。

もちろん、シンガポール航空に事情を話して、遅い便に振り替えてもらうという手段はあります。

しかしホーチミンの出発を遅くしても、今度は次のシンガポールで乗り継ぎ時間がなくなるというドミノ倒し。

経由地が多いのが好きなので、乗り継ぎだらけのギチギチの旅程を組んでいた私の性癖が災いしたのです。

ただ、そうこうするうちに世界中がコロナ禍に陥り、多くの航空便が飛ばず、出入国規制も厳しくなりました。

もはや海外旅行などほぼ不可能。ていうか言語道断レベル。航空券はすべて払い戻しするしかありません。

タイ航空は先月ついに経営破綻し会社更生手続き中のため、現在は航空券の払い戻しができなくなっています。

経営再建を果たした後に、払い戻しに応じるとのこと。さいわい私は、経営破綻前に解約が間に合いました。

シンガポール航空の対応はすばらしい。コロナ対応策として、手数料なしの払戻に全面的に応じてくれました。

ジャカルタからクアラルンプールまで乗る予定だったKLMオランダ航空は、今のところ払戻を渋っています。

クアラルンプールから帰国するANA便は、そのうち温情のある対応があるだろうと期待して、放置しています。

そんなわけで、私の還暦記念旅行計画は、すっかり頓挫した次第です。しばらく海外旅行は無理でしょうね。

「ウィズ・コロナ」の時代の旅行について少々悲観しつつ、とりあえず「脳内旅行」をしている毎日です。