熊本地域医療センターは、5月7日から再開したばかりの外来・新規入院業務を、9日からまた休止しています。
4月11日の感染者の受診を契機とした新型コロナウイルスの院内感染が、まだ途絶えていなかったためです。
最初の患者Xに対応した外来看護師Aが17日に発症。その同僚の内視鏡室勤務の看護師Bが18日に発症。
さらに19日に臨床検査技師Cが発症し、その濃厚接触者の検査技師Dが5月3日に発症しました。
看護師Aは防護服を着けていたようなので、救急外来でXからの飛沫を浴びて感染したのではなさそうです。
技師Cと看護師A, Bとは直接接点はなく、また技師Dは十分な経過観察の後の勤務再開後に発症しました。
このような院内感染が出ている一方、患者Xの診療を行った他の多くのスタッフからは感染者が出ていません。
感染者からの飛沫感染は防御できても、拡散したウイルス付着物からの接触感染は防ぎ難いのかもしれません。
たまたま4月中旬に、地域医療センターの呼吸器内科の先生による診療マニュアルを読む機会がありました。
防護具の重装備はもちろん、患者に触れないために聴診すら行わないと、そこに記載されていました。
そこまでするのかと、少々驚きました。なにしろ私は今のところ、全患者の聴診ぐらいはしてますから。
そのような病院なのに院内感染者が出たのは、最初の患者Xの初診時の対応に原因があったかもしれません。
この方は当初、自分の発熱については伝えず、喘息であると自己診断して外来を受診したとされています。
自身が医師だからこその思い込みが、医療スタッフにイレギュラーな対応をさせた可能性も考えられます。
どんな医療行為でも同じで、大事なところでは例外を作らないこと。あと、人を見たらコロナと思え、ですね。