「『手段が目的化することを趣味という』――。オーディオ評論家の長岡鉄男さんが残した名言だ。」
という文で始まる、昨日の日経のコラムを読んで、思わず膝を打ちましたね。なるほどそうだったか。
以前、当ブログで「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-597.html" target="_blank" title="趣味とは何か">趣味とは何か</a>」を考察した際に、じつは自分で書いてて違和感があったのです。
大辞泉による「趣味」の定義は、「仕事・職業としてではなく、個人が楽しみとしてしている事柄」でした。
なので毎日ブロッコリーを食べたりブログを書いたりするのは、苦痛を伴うので趣味ではないと書きました。
でもよく考えてみると、苦しいけれど楽しい、イタキモな趣味だってあるはず。
苦しいか楽しいかよりも、長岡氏の言うように「手段が目的化」しているかどうかの方が、しっくりきます。
ブロッコリーは、元々は健康のために食べ始めたのですが、いまは食べ続けること自体が目的になっています。
雑感を綴って親近感を提供しようと始めた院長ブログも、いまは毎晩苦しみながら書くこと自体が目的です。
ついでに言えば<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2506.html" target="_blank" title="BBQ">BBQ</a>も飛行機も、食事や旅行というよりも、焼くことや乗ること自体がほぼほぼ目的ですね。
したがって、趣味の定義を私なりにアレンジするなら、こうなります。
「趣味とは、手段が目的化し、魅力を感じて没頭すること。ときに、他人には理解されがたい」
長岡氏といえば、学生時代に読んだFM情報誌「FM Fan」等に、よく登場していたオーディオ評論家です。
彼の自作スピーカーの理屈や魅力は、残念ながら当時の私には理解し難いものでした。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-954.html" target="_blank" title="オーディオ機器">オーディオ機器</a>にはこだわっていた私でさえ、スピーカーは音楽を聴く手段としか感じてなかったからです。
今なら受け止め方は違ったでしょうね。数十年ぶりに長岡鉄男氏の名前を見たので、思い出話を書きました。