緊急事態宣言の延長が決定されました。今月末までです。
安倍首相はその背景を「感染者の減少が十分なレベルと言えず、医療現場が過酷な状況にある」と述べました。
「医療現場が過酷」だから「社会経済活動の停滞」やむなし、ともとれるこの表現は問題です。
「過酷」なのは、医療現場に限らず、さまざまな企業や家庭環境も、過酷と言えば過酷な状況だからです。
せめて医療がひっ迫していると、あるいは感染者数の減少がまだ確定的ではないと、そう言えばいいのに。
流行は抑えられつつあるけど、あと少しダメ押しが必要だと、そういうことですよね。
いまの感染者数は、ちょうど4月上旬と同程度になっています。1カ月後には、さらに減ることでしょう。
ただし6月になっても、国内に感染者が3月上旬並みには存在するかもしれません。
国内外にまだまだ感染者がいる中でも、社会経済活動を考慮して、6月に宣言を解除することになるわけです。
しかし、いま「実効再生産数」が1を切ったとは言え、自粛が緩めばそれは「基本再生産数」に近づきます。
ある程度の社会経済活動を再開させれば、当然、感染は再拡大するのです。そんなことなど想定内です。
なので時期が来ればまた、緊急事態宣言の発出です。それが例えば7月か8月。そしてまた2,3カ月で宣言解除。
こうして、国民の6割程度が感染して集団免疫が確立するまで、断続的に緊急事態宣言が繰り返されるのです。
大事なことは、医療と社会経済活動のバランスが常にうまくコントロールできるか、ということでしょう。