文學界新人賞受賞作『アキちゃん』(三木三奈)読後感

新型コロナ以外の話題はないものかと探したのですが、どうしても旬のネタはコロナ絡みばかり。

こうなれば奥の手は、映画か小説の感想文、ということになります。

ちょうど「文學界新人賞」の受賞作掲載号が出たので、今夜あわてて読んでみました。

三木三奈(みきみな)氏の『アキちゃん』。

「選考会を議論の渦に巻き込んだ “寄り添わない” 小説」だと評されています。(以下、ネタバレあり)

「寄り添わない」と聞くと、お笑いコンビ「ぺこぱ」の右側の人の「ノリツッコまない」を連想しますね。

それはともかく、『アキちゃん』が面白かったかと問われるなら、私の答は「どうなんかなぁ微妙」です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2843.html" target="_blank" title="今村夏子氏">今村夏子氏</a>の小説にも似てスラスラ読める平易な文章の中に、「刺さる」文が配置されているのはさすが。

「作品には鮮烈な一言半句を求めるだけだ」という、芥川賞の選考委員だった故開高健氏の言葉の通りです。

一貫した「不機嫌」が本作品の重要な通奏低音ですが、主旋律(テーマ)が私には難しく感じました。

重要な事柄が途中まで故意に隠されている点も、効果的というよりは、私には注意力を失わせる展開でした。

でも高評価している選考委員もいて、となると読み手としては、私もまだまだということなのでしょう。

まさか芥川賞とったりして。ていうか、コロナ騒ぎの中で予定通り7月に芥川賞選考会あるんでしょうかね。