防護具が不足しているので再利用するとなれば、またリスクがあります

不足している高規格のN95マスクは、「例外的に」再利用してよいと、厚労省からのお達しがありました。

再利用法のうち、5日間のサイクルで毎日取り替える方法は、滅菌器を必要とせず当院でも実施可能です。

5日のインタバールがあれば、マスク表面に付着したウイルスは不活性化するだろうという理屈です。

週休2日の場合、1週間でちょうど一巡する使い方ができます。手持ちのマスクが5枚あればなんとかなります。

たとえばマスクに曜日を書いておき、毎朝その曜日のマスクを装着するというやり方が、間違いがないですね。

残りの4枚は、どこか風通しの良い(でも人目につかない)ところで保管(陰干し?)しておきましょうか。

目に見えて汚れたり損傷した場合は廃棄するルールなので、汚れない限りずっと使い回せるわけです。

じゃあ、1日1個使うとして、朝から晩まで着けっぱなしかというと、そういうわけにはいきません。

少なくとも、休憩中とか水を飲むときには一時的に外します。その際に大事なのは、マスクの外し方です。

清潔側(内側)と不潔側(外側)を厳密に区別して、慎重に脱着しなければなりません。

マスクだけではなく、キャップやガウンも診療中に脱ぎ着するのであれば、やはり慎重な清潔操作が必要です。

もちろん理想を言えば、すべての防護具を患者毎に毎回取り替えるべきですが、そんなムダはできません。

明らかに多くの飛沫を浴びたり、目立って汚れたりでもしない限り、同じ防護具を1日中使うことになります。

となると、マスクやガウンの外側にウイルスが付着したまま、診療を続けることになる可能性があります。

残念ながらこの方法では、医療従事者が我が身を守ることはできても、患者間での感染リスクがあります。

言い出すとキリがありませんが、院内感染を完璧に防ぐためには、本当はもっと潤沢に防護具が必要なのです。