高齢運転者による交通事故の現場を目撃して、思ったこと

高齢者が運転する車の事故が、実際に増えているのか世間が注目しているからなのか、近年よく報じられます。

判断能力や運動能力が低下した高齢者には、運転中に求められる迅速な判断と俊敏な動作が難しくなります。

今朝、当院隣のサンピアン駐車場付近で車がフェンスに激突する事故があり、偶然私が目撃者となりました。

衝突してもなお車は前進を続け、フェンスを5メートル近く押しつぶしてようやく止まりました。

しかし、アクセルがしばらく踏まれ続けたため、激しく回転するタイヤと地面の摩擦で白煙が立ち上りました。

フェンスが激しく押しつぶされて衝撃を吸収する形になったためか、高齢の運転手にケガはありませんでした。

コロナのおかげで付近の人通りはいつも以上に少なく、巻き添えになった通行人はいませんでした。

実は昨日、当院の敷地入口の進入防止用チェーンを張るポールにトラックがぶつかるという事故がありました。

加害者側と私が今朝「現場検証」をしていた時、すぐ横の駐車場で、冒頭に書いた事故が起きたのでした。

事故にはたいてい教訓がありますが、今回の事例で考えるなら、道路とフェンスの設計が問題でしょう。

右カーブした道路の左側のフェンスが、弧を描かずに直線的に設置されており、カーブに沿っていません。

注意力が散漫な状態で運転していると、まっすぐなフェンスにだまされて直進してしまう可能性があります。

高齢者の交通事故を防ぐために、自動ブレーキ装置や急加速を防ぐシステムが導入されつつあります。

しかし車だけでなく、道路の側にも、運転ミスや錯覚を誘発しないような工夫が必要です。