志村けんさんが、新型コロナウイルス感染に倒れました。懸命の治療もむなしく、亡くなられました。
年齢や元々の肺機能や肝機能等を考慮すると、ECMOによる救命治療はかなり厳しい状況だったと想像します。
TVへの露出が多い気さくな雰囲気の方なので、その死は国民にはとても身近に感じるものでした。
新型コロナウイルス感染症が、身近な人に悲劇を生む可能性があることを、国民は思い知らされました。
自分は大丈夫だろうとタカをくくることの誤りに、多くの若者が気づかされたかもしれません。
「これから1,2週間が瀬戸際だ」と言って、安倍首相が全国一斉休校を決断したのは1カ月前のこと。
その2週間はとっくに過ぎ、東京では感染がどんどん拡大しています。もう瀬戸際は過ぎてませんか。
それでも官房長官は今日も「ぎりぎり持ちこたえている」と言うばかり。ギリギリが長すぎませんか。
「今の東京は、2週間前のニューヨークと同じ」だと、最近よく言われます。
3/11のニューヨークの感染者数が216人に対して、その2週間後の3/25の東京が212人。
ニューヨークはその後、1週間ごとに10倍以上ずつ増え、いまや6万人に達する惨状です。
一方で東京は4日で2倍程度と、増加の勢いはまだ弱いですが、いずれ指数関数的に推移すると思われます。
つまり、いったん増加し始めたら爆発的に増えていきます。そうなってからでは、もう打つ手がありません。
パンデミック対策の目的を突き詰めるなら、できるだけ人を死なせないことです。
そのために、首都圏のロックダウンは奥の手ですが、社会的・経済的には重大な副作用をもたらす劇薬です。
しかしもう躊躇している場合ではないかもしれません。病が進行してしまってからでは、劇薬も無意味です。