ニューヨークはいま、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートで医療崩壊が起きています。
1台の人工呼吸器を2人で使うという、想像を絶することを行っているようですね。どんな工夫か知りたい。
日本でも、油断したらたちまち感染者数は指数関数的に増えますから、まったく他人事ではありません。
熊本県内の人工呼吸器は660台とのこと。オーバーシュートが起きたら、初日から足りなくなりそうです。
当院の来院者数は、今月はおおむね3〜4割程度減っています。
軽い風邪症状で受診するという「不要不急な外出」が控えられているようです。至極まっとうな考え方です。
新型コロナ終息後にもこの傾向が続いたとしても、たぶん気にしません。もともとそうあるべきなのです。
志村けんが、新型コロナ感染による呼吸不全で「ECMO(エクモ)」という装置を使った治療を受けています。
これは、心臓外科手術に使う人工心肺装置を簡略化して、人工肺として患者の肺のかわりを務める装置です。
装置を使っている間は、脳や心臓など重要臓器の酸素濃度を保ち、なおかつ自己肺を休ませることができます。
新型コロナウイルス感染の最重篤例では、救命のための最終手段、切り札として使うことになります。
ただし、ECMOは人工的な体外循環回路を使う関係上、強力な抗凝固治療が必要で、感染のリスクもあります。
循環動態や回路の状態を厳しく監視する必要があり、医師や看護師や臨床工学技士が張り付いて管理します。
ECMOは熊本県に19台あるそうですが、つまり、同時にECMO治療ができるのはたった19人ということです。
装置が足りなくならないように、新型コロナはとにかく流行のピークを低くすることが、なによりも重要です。