熊本県で8例目の感染者の方。当院近隣の温泉施設に長期滞在していたとのこと。これは困った。
そんなところで暮らすたぁ何事か。なんて冗談言ってる場合じゃありませんよ。クラスター化は必定かも。
世界中の大都市で、しかも先進諸国で、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートが起きています。
大都市は、感染の要件のひとつである人の密集を満たしやすいのでしょう。
これまで踏みとどまってきた日本も、そのパンデミックからは逃れられない雲行きです。
日本の各地でクラスターが発生し、孤発例も目立ち始め、熊本でもジリジリと感染者が増えています。
今日もまた、東京都内の患者数が大幅に増えました。政府は「政府対策本部」を設置しました。
このような未曾有の災難がほかならぬ東京から始まることは、東京都のみならず日本にとって大打撃です。
しかしこれが地方都市ではなく、首都東京の一大事だからこそ国が動くという面があるかもしれません。
このことは熊本地震のときに思い知りました。
あのとき、日本中が熊本を支援してくれましたが、しかし所詮、遠く九州の地方都市の出来事でした。
熊本は過酷な惨状なのに、テレビでは普通に娯楽番組をやっていました。東日本大震災の時とは違うのです。
未明に本震が起きたあの日、出勤してみると電子カルテの端末のほとんどが床に転落して破損していました。
診療を行うためには、故障したサーバーからデータを取り出し、別のサーバーを構築しなければなりません。
藁にもすがる思いで電子カルテのサポート窓口に電話したら、なんのことはない、普通に業務をしていました。
本震後も繰り返す余震におびえていた時に、東京の担当者は平然としていました。東京は平時だったのです。
私はそのことに気づいて愕然としましたが、同時に、日本の中枢である東京が無事で良かったとも思いました。