政府が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」は、さほど目新しい内容でもありませんでした。
「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」なんて、軽すぎませんか。
「今後1~2週間が瀬戸際」だとするのなら、国民が驚くほどの強硬な措置をとるのかと思っていましたが。
感染拡大のリスクが高いとされる「対面・近距離・長時間・多人数」の接触を、本気で徹底的に避けたいなら、
・学校は全面的に休校、卒業式等は中止、入学試験はすべて延期
・電車の窓開け運行(可能なら)と乗車制限:そのために企業活動は可能な限りテレワークまたは休業
・映画館・劇場等の閉館、競技会やコンサートや寄席や集会の中止、大型店舗やモールは閉店または入店制限
・医療機関の受診制限:慢性疾患は処方箋のみ交付、急性疾患は新型コロナの疑いの有無で医療機関を分ける
などを考慮すべきですが、どうしても中途半端。近隣の国々の方がよっぽど思い切りが良いですね。
Jリーグが公式戦の延期を決定したのは英断です。大相撲は開催か無観客開催か中止か悩み中。プロ野球は?
感染が疑われる方のPCR検査条件の緩和が具体的に盛り込まれるかと思いましたが、いまだに曖昧です。
これまで通り、37.5度以上が4日(基礎疾患があれば2日)続いたら相談センターに連絡するというルール。
しかしいま実際に当院を受診されるのは、昨夜39度出たとか、38度以上が2日続いているという方がほとんど。
これらの患者さんがインフルエンザが陰性だった場合、さてどうすべきかが悩むことになりますね。
残念ながら、たとえ高熱であっても、4日続かなければPCR検査をしてもらえないのが実情なのです。
「今後1~2週間が瀬戸際」だとしても、検査態勢が変わらなければ、医療機関も対応を変えようがありません。
今後患者数が大幅に増えた場合についての方針も記載されていますが、いまそれ重要?って言いたくなります。
だって、何度も言いますけど、「今後1~2週間が瀬戸際」なんでしょう? 大胆な手を打つなら、いまでしょ。
悲観的なコトは言いたくないけど、この程度の基本方針なら、アウトブレイクに突き進むしかありませんね。