残念ながら、クルーズ船とは関係なく、すでに巷には新型コロナウイルスが広がってきた様相です。
とはいえクルーズ船は、いまだに毎日のように新たな問題点を繰り出してくるので、まったく油断できません。
船内業務を行った国の職員がウイルス検査を受けてなかった問題は、むしろ後日談の方が気になります。
問題を指摘されて、慌てて検査を行うことにしたようですが、医師や看護師や検疫官は検査の対象外とのこと。
その理由は、「医療関係者は感染を予防する技術を習熟し、十分に対策しているから」だと。もう、ガッカリ。
医療従事者への意地悪としか思えません。こんなバカな指示を、誰が出してるんですか。まさか、副大臣?
医師や看護師に予防技術があっても、彼らが真っ先に感染するリスクがある現状が、わかってないようです。
クルーズ船のみならず、医療の最前線に立つ医療従事者は、病人への接触の濃厚さが違うんです。
「医療関係者は感染しないはず」という勘違いを前提に、「だから検査は不要」と結論づけるとは呆れます。
「船室内で隔離したから感染してないはず」「だから下船後の隔離は不要」と乗客を帰宅させた失態と同じ。
すでに日本国内には、数千人、数万人の新型コロナウイルス感染者がいると推測している専門家もいます。
日頃診察している「風邪」の患者さんの中にも、最近はもしかすると感染者が紛れているかもしれません。
今日は、やたらとB型インフルエンザの患者さんが多かったですが、原因不明の発熱者もいました。
わかっている感染者数は熊本県内ではまだ3人という少数ですが、それは検査対象が限られているからです。
仮に、風邪の患者さんを片っ端からPCR検査したらどれほどの感染者が判明するのか、それはわかりません。
いまはただ、厚労省の基準を考慮しつつ日々の診療を行い、場合によっては保健所に相談する段階です。
簡易検査キットと治療薬とワクチン。日本の科学技術力を総動員して、大至急開発してもらいたい。