熊本空港売店50倍

熊本空港(阿蘇くまもと空港)は、4月から<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2742.html" target="_blank" title="民営化">民営化</a>されます。

現在の国内線ターミナルビルは建て替えの為に4月6日に閉館し、翌日からは仮ターミナルで運営されます。

新ターミナルは2023年春に開業するとのことで、丸3年間、少々不便なことになりそうです。

仮ターミナルは現ターミナルの3分の1程度と、とても狭いようです。これが3年とは長いっすね。

その間、ボーディングブリッジも減るため、バスで移動して搭乗する「沖止め」が増えることになります。

まあこれは、飛行機好きにとっては、必ずしも悪い話じゃありません。機体を間近から見られますからね。

最近、羽田や伊丹や那覇や福岡など、主要空港のターミナルが次々に改修されて新しくなりつつあります。

これらは現存ビルを使いながらの工事なので、通路が狭くなったり動線が長くなったりという不便があります。

熊本空港はしかし、改修ではなく、完全に新ターミナルビルに建て替わると理解してよろしいのでしょうね。

新ターミナルでは、保安検査後の「制限区域」内の店舗面積が、現ターミナルの50倍になるとのこと。

どんだけ広大な商店街・飲食店街ができるのかと一瞬驚きますが、つまり、現状が狭すぎるってことでしょう。

なにしろ、4番搭乗口前のANAフェスタと、5番の向こうのBLUE SKYという、2つの売店だけですからね。

私は滅多にJALに乗らないので、BLUE SKYには行ったことがなく、店舗を見た記憶もはっきりしません。

少なくともANAの方は小さな売店です。ビールの販売はしていますが、オジサンたちは通路で立ち飲みです。

店舗面積が50倍になるといっても、まさか、売店が100店舗並ぶわけじゃないですよね。それも面白いけど。

いずれにしても、居心地の良い空港をお願いします。あと、名称は「阿蘇くまモン空港」でよろしく。

原発運転差し止め再び

伊方原子力発電所3号機は、運転差し止めの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2263.html" target="_blank" title="仮処分決定">仮処分決定</a>が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2548.html" target="_blank" title="昨年取り消され">昨年取り消され</a>ましたが、再び運転差し止めです。

その理由は前回と同様、活断層が近いことと、阿蘇山が近いこと。

大噴火するかもしれない阿蘇山の潜在能力が「再評価」されたことには、地元民としても複雑な心境です。

前にも書いたように、火砕流に襲われた原発は、稼働中であろうとなかろうと、ひどいことになります。

原子炉は充分に頑丈だとしても、核燃料プールが脆弱であることは日本人ならみな知っています。

それに、原子炉周辺の設備が全て焼けてしまえば、全電源喪失は避けられません。

つまり、稼働中かどうかは関係なく、火砕流に襲われた原発はメルトダウンするのです。

それ以前に、伊方原発まで火砕流が到達するような破局噴火なら、九州はたぶん、全滅です。

住民1,200万人を含め、九州のすべての生物が死滅することでしょう。

九州にそのような壊滅的大惨事が起きた状況で、四国の原発を心配しようというのが、今回の決定です。

死滅した九州はそれっきりですが、メルトダウンした四国の原発の影響は、その後ずっと続きますからね。

今回の決定がそこまで考えた上でのものなら、まあ科学的で冷静な判断だとは思います。

ていうか、その前に、九州の原発はどうなのかって話です。

麒麟が来た

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が、やっと始まりました。

久々の本格戦国モノですね。待ってました〜。いつもより、2週間余計に待ってました〜。

周知の結末へと向かう歴史ドラマゆえ、その物語のテンポや意外性や面白さ、つまり脚本の力が問われます。

それと同程度に、とても重要なのが配役ですが、これには微妙に疑問を感じる部分があります。

まあしかし、今の段階からわかった風なことを書いてもアレなので、今後の展開を見守っていきましょう。

それにしても、初回放送を見てどうしても気になったのは「色彩」ですね。

黒沢和子氏がデザインしたという出演者の衣装の色が、鮮やかというか、派手というか、どぎつい。

もっと驚いたのは風景の色です。自然の色が不自然。田んぼや草原の色合いが、青すぎませんか。

まるで、色彩調整の狂った安っぽいモニターで見ているかのようで、見ていて少々気分が悪くなりました。

これって絶対、編集段階で色をいじってますよね。(違ってたらすみません)

「エンターテインメント、カラフル、リアリティの3本柱を軸に制作した」とチーフデザイナーが言ってます。

「カラフル」を重視した大河ドラマって、かなり珍しいでしょう。もしかしたら大河史上初?

ちなみにその対極にあるのが『平清盛』ですね。あれは全体的に、暗く、くすんで、ホコリっぽかった。

『麒麟がくる』は、4K放送を意識して、あえて実験的な映像にしているのでしょうか。そんな気さえします。

となると、期待(心配?)するのは、もともと派手な安土城。いったいどんな色彩になることやら。

ワクチン行政動く?

厚労省が昨日発表した文書に、ワクチン行政の方向性がまとめられていたので、少々けなしながらご紹介。

(1)HPVワクチン

「ワクチン接種後に生じた症状」に対しては、科学的解釈と心情的対応の両論併記ですか。変わってませんね。

積極勧奨再開の突破口になりそうな知見が出ているのに、どうしても心情面が気になって動けないようです。

(2)おたふくかぜワクチン

現行のMRワクチンに混合する形の「MMRワクチン」として、何年も前から検討ばかりが続いています。

どうしても安全性の方が問題になるようです。来年の通常国会には、法令改正案を提出するとかしないとか。

(3)帯状疱疹ワクチン

このワクチンはさすがに副作用を恐れる必要はありません。すでに小児に定期接種してますから。

厚労省の心配はコスパ。でも、ワクチンの有用性を必ず経済効果で評価する発想って、どうなの。

(4)不活化ポリオワクチン

1歳までの接種完了では免疫が長期維持できないため、5回目の接種が検討されていますが、議論が続きます。

そのあたりの対応の鈍さが、日本のワクチン後進国ぶりを露呈する典型例です。

予防接種に関する施策の基本的な方向として、厚労省は以前から次の2つを掲げています。

・ワクチンで防げる疾病は予防すること

・予防接種の効果とリスクについて、科学的根拠を基に比較衡量する

そして「衡量」した結果、ワクチンの効果よりもリスク回避の方を優先してきたのが日本のワクチン行政です。

ワクチンで防げるはずの子宮頸がんやムンプス難聴を見過ごしてきたツケは、決して小さくはありません。

厚底シューズ問題

ナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」シリーズが、好記録が出るという理由で禁止されそうな騒ぎです。

技術革新による優れた靴が不公平だという理屈は、どうなんでしょう。技術は常に進歩するモノですからね。

規制する範囲だって、根拠のある線引きは困難です。絶対公平を言うなら、裸足で走るしかなくなりますよ。

まさか、熊本城マラソンで使えないってことはないですよね。一応、参加者は確認しておいた方がいいですよ。

「え、この靴が使えないって、どういうことですか」「内規ですから」なんて。(オソマツ)

それはともかく、運動不足を痛感する昨今、形から入る私としては、ついにアレを買ってしまいました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2842.html" target="_blank" title="半年ほど前">半年ほど前</a>に告知した「ルームランナー」です。もちろん、関係各所への根回しは済ませた上での購入です。

今日の午前中に、そのけっこう巨大な物品は届きました。設置場所は、事情によりリビングではなく書斎です。

さて、業者さんの手による組み立て作業が終わり、次に私がしたことは何でしょう?

私の性格をご存じの方なら、すぐにおわかりいただけたと思いますが、ランニングシューズの購入ですね。

さっそく、近所のパン屋さんの隣の靴専門店「シュープラザ」に出かけました。

店の駐車場に着いたところで家人と二手に分かれ、私は靴屋、家人はパン屋に向かいました。

まさか、「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」があったりして。(ていうか「ネクスト%」って何?)

などと、うっすら期待して店内に入りましたが、そんな話題の品が店頭にポンとあるワケないですよね。

とそこへ、家人が現れました。「財布忘れた」と。あんた、サザエさんですか。

ところが気がつくと、私も財布を忘れてました。ケータイのケースにあるはずの、クレカもない。ありゃま。

でも大丈夫。QRコード決済があります。日頃は使いませんが、今日は緊急避難的に「PayPay」しました。

ナイキのいちばん安いランニングシューズを購入。例の厚底シューズの2割以下という、お値打ち価格でした。

りんご病が警報レベル

「新型コロナウイルス」の感染が、ついに国内でも確認されました。

いつかは日本にも上陸するだろうと思っていましたが、予想外に早い展開ですね。

感染者が解熱鎮痛剤を服用して下熱した状態で入国すれば、水際で防ぐことができない危険も判明しました。

だいたい、成田空港の検疫のゲートなんて、面倒に巻き込まれないように皆さんテキトーに通過してますよね。

全国ニュースが新型コロナウイルス肺炎なら、熊本の今日のニュースは「りんご病(伝染性紅斑)」ですね。

熊本県では、今年第2週における定点あたりの患者数が2.0となり、りんご病は警報レベルに達しました。

昨年末にもけっこう流行していましたが、今年に入ってまた、勢いづいて増えている印象です。

頬が赤くなり、次いで前腕、さらに下腿に、モワモワッとしたまだらな赤味(レース状紅斑)が出てきます。

上腕や大腿、おなかに発疹が出る場合もあります。手足がベタッと赤く腫れることもあります。

冬なので寒くて顔の赤いお子さんは多いですが、りんご病の紅斑(発赤)は妙に境界が明瞭なのが特徴です。

りんご病の面白いところは、感染性があるのは紅斑が出る前までということです。

よく保育園等が「登園許可証」を求めてきますが、りんご病に関してはナンセンスですね。

だって、りんご病だと診断できるのは顔が赤くなってからですが、その時点ですでに感染力がないからです。

つまり理論上、りんご病と診断がついて、なおかつ登園ができないお子さんは(ほぼ)いないのです。

それなのに、昨日も今日も、りんご病の子の登園許可証を書きました。何だかなぁ、てな感じですね。

「ハチド」と「クド」

インフルエンザは少し下火にも見えますが、まだ油断はできません。それにB型が現れ始めています。

溶連菌感染やリンゴ病とインフルエンザに同時に罹患する方もいて、診断する上でも注意が必要です。

ところで、気温は「36.5度」と言うのに、体温ではたいてい「36度5分」と表現します。

ただしNHKは気温でも「36度5分」と言っており、まるで体温みたいで違和感があると<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2829.html" target="_blank" title="半年前">半年前</a>に書きました。

そのNHKの放送用語委員会が最近、気温でも「36.5度」という言い方を認めよう、と決定したようです。

いまさら感はありますが、今後は報道番組でも、民放並みに気温を「36.5度」と言う日が来るのでしょうか。

いや、どちらでも可という場合には、NHKはより伝統的な(古くさい)表現を使いたがりますからね。

当然ながら体温の方は、NHKではこれまで通り「36度5分」しか認めないようです。まあ、いいでしょう。

「熱が8度あります」とか「9度あります」などと、とくに高熱の場合には略して言うことがよくありますね。

その「ハチド」や「クド」という響きからは直感的に、単なる数値ではない「高熱感」が伝わってきます。

だから小数点以下が付いた「39.5度」の場合でも、「9度5分(クドゴブ)」と言った方がピンときます。

しかしそれは、昭和生まれの私の感覚であって、もはや若い方には「39.5度」の一択なのかもしれません。

多くの伝統的な表現が、やがて現代的で科学的な表現に置き換わっていくのは時間の問題です。

体温を「9度5分」などと言う人種は、時代と共に消滅していくのでしょう。

NHKでも、基礎体温の「36.59」などの小数点以下第2位までの体温の言い方は、今後の検討課題のようです。

そのような桁数を昔は想定していなかったわけで、伝統的表現が追いつかなくなる一例ですね。

忘れ物の受取はお早めに

熊本空港のラウンジに、ACアダプタを置き忘れてしまいました。先週の話です。

その晩に気づき、空港に電話したけど話し中。そうこうするうちに、失念していました。

1週間後の今日になって空港に行って尋ねたら、日数が経ったので遺失物として警察に届けたとのこと。

東警察署に受け取りに行ってくれと。ま、そうなりますか。用事を済ませて夕方、東署に行きました。

勝手がよくわからないまま警察署に入ると、すぐ左側に来署者用の窓口(らしき場所)がありました。

そのカウンターには誰もいませんが、その向こうのデスクでは、警察官が大勢わっさわっさと仕事しています。

突っ立っていると、私に気づいた制服の警察官がやって来ました。以降の会話は、おおむねこんな具合。

私「先週空港にACアダプタを置き忘れたのですが、今日こちらにあると聞いて受け取りに来ました」

警「あー、、、ちょっとお待ちください」(と、どこかへ電話)

警「申し訳ありませんが、遺失物のお渡しは5時15分までです。後日来てもらえますか」

と、2人で掛け時計を見ると、5時16分を指しています。

私「いやあ、1分過ぎただけですよ。なんなら、私がココに来たときはまだ5時15分だったと思いますが」

警「そう・・・ですかぁ。ちょっとお待ちください」(と、電話)

警「会計課の業務が5時15分で終わるので、今日はもう無理です」(少しキレ気味)

私「そこをなんとかなりませんか。会計課の方はまだ居るんでしょ、いま電話してたぐらいだから」

微妙に険悪な雰囲気の中、会計課の方が登場。遺失物の受取には認め印が必要であることが明らかになります。

ありゃま。それじゃどっちみちダメですね。3人とも苦笑いして、和やかムードになりました(ホントです)。

しかし、運転免許証があって署名をしても、認め印がなければ何も進まない日本のお役所仕事って、どうなの。

まだインフル多かった

成人の日が1月15日ではないことには、いまだに違和感のある私です。

昨日は「終息レベルに感じる」と書いたインフルエンザの流行ですが、訂正します。まだまだ流行中です。

この時期、日曜祝日には多くの急病患者が当院を受診されますが、今日もその大半がインフルエンザでした。

明らかな症状を呈している方は、検査の有無等にかかわらず治療を開始することは、昨日も書きました。

しかしその治療と言っても、抗インフルエンザ薬を使うか使わないか、選択肢は(あるには)あります。

「インフルと診断→すぐ抗インフル薬」という回路ができあがっているのは、実は日本人特有のものです。

「家族にインフルがいる→念のため薬希望」という方も多いですが、当院ではそのような投薬はしていません。

健常な成人が予防の目的で抗インフルエンザ薬を使うのは、明らかに過剰反応です。

それに、世界中のタミフルの75%は日本人が消費している、という話は何年も前からあります。

欧米人ならば、「高熱→インフルかもね→自宅で安静」という治し方を選択するのが普通だといいます。

でも日本人は、「高熱→すぐ医療機関受診→ともかく薬」となってしまうんですね。

しかし一方で、「子宮頸がんで毎年3千人死亡→ともかくワクチン」とはならないのが不思議なところ。

治療薬は副作用も気にせずすぐに飲みたがるのに、ワクチンは副作用ばかりを気にするのが日本人なのです。

目先のことばかりが気になって、長期的・合理的な思考が不得意なのでしょう。

インフル情報の変遷

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2972.html" target="_blank" title="体感的には警報レベル">体感的には警報レベル</a>」だと11月に書いたインフルエンザですが、今はすでに「終息レベル」に感じます。

いやもちろん、油断は禁物ですけど。

異例の早期流行で始まった19/20シーズンですが、昨年最終週の熊本市の定点あたり報告数は24.12でした。

それが警報レベルの30に満たないまま、今年第1週は8.28と報告数は急減しています。

ちょうど流行のピーク直前に年末年始を迎え、学校等での感染拡大が抑えられたのかもしれません。

ある意味、全国一斉に「学校閉鎖」が行われたようなものです。

しかし一方で、全国レベルで人が移動した後の新学期が始まった今、再び患者数が増える可能性はあります。

インフルエンザに関しては、テレビ番組やネットからの情報量も多く、患者さんの理解の助けになっています。

たとえば、インフル発症直後に検査をしても陽性反応が出ないため、少し待ってから来院する方が増えました。

ある意味では妥当な考え方ですが、高熱で苦しんでいるのに、無理矢理長時間待つ必要はありません。

病状と所見等によって、インフルエンザと診断することもできます。検査は絶対必要なものではありません。

インフルエンザによる異常行動が、必ずしもタミフルのせいではないことは、よく知られるようになりました。

前述のように、少し待ってから受診する方が増え、待っている間に異常行動が発生するケースも増えています。

もしも発症後にすぐタミフルを飲んだら、異常行動はタミフル内服の直後に起きるのでしょう。

タミフルに濡れ衣が着せられたのは、そのような例が多かったためだと推測されます。

出席停止期間についても、多くの方が正しく理解しています。順調な経過でも、登校は発症の6日後からです。

最近では成人でも、出勤停止期間を気にする方が増えています。正しい考え方だと思います。

テレビでオカシなことを喋る医者も時々いますが、おおむね適正で有用な情報がメディアから広がっています。

番組で言ってることが、われわれ医療機関の説明とあまり食い違わなくなってきたのは、なによりです。