グルグル回る旅

JR九州の「クルーズトレイン ななつ星 in 九州」のルートって、いまどうなってるのでしょう。

3年半前の熊本地震で被災したJR豊肥本線は、現在も肥後大津~阿蘇間で不通が続いています。

地震の前までは、私の自宅近隣の線路を、真夜中にななつ星が走っていました(見たことはないですが)。

こんなことならまだ熊本〜阿蘇間をななつ星が走ってる時に、沿線で見物しておくべきでした(夜中に?)。

100万円払ってほとんど列車内と駅近隣で過ごす列車の旅って、どうなんだろうと、最初は思っていました。

ですが今なら、自分が将来ある程度高齢になったら、こんな旅も「あり」かと思えます。

たとえば九州各地をグルグルと、「道の駅」だけを巡ってまわるバスツアーだって、ありだと思います。

道の駅に着いたらバスを降り、歩き、空気を吸い、特産品を買い、ご当地料理を頂いて、またバスに戻る。

車窓から風景を眺めつつ、飲食したり歓談したり、ボンヤリしながら、バスの心地よい揺れを楽しむ。

これと同様に、各国の「空の駅(=空港)」だけを巡って飛び回るツアーも、ありだと思うのです。

空の駅に着いたら飛行機を降り、入国してその国の空気を吸い、土産を買い、現地料理を食べ、また出国する。

機窓から眼下の風景を眺めつつ、飲食したり眠ったりしながら、飛行機の心地よい揺れを楽しみます。

体力的な面を考えたら、空→列車→バス、の順で楽しむべきかもしれません(客船はまた別格)。

海外をグルグル回る空の旅なんて、若いうちしかできませんよ。

などと自分に言い聞かせつつ、次の休暇では海外のどこを回ろうかと、妄想するのがとても楽しいですね。

国民祭典でのお言葉

天皇皇后両陛下は今夜、天皇陛下の即位をお祝いする国民祭典に出席され、お言葉を述べられました。

「先に即位礼正殿の儀を行い、即位を内外に宣明しました」

これが冒頭の文です。天皇陛下って主語がないんだなあ、と思いながら、続きを聞きました。

「そして今日、ここに集まられたみなさんからお祝いいただくことに感謝します」

これにも主語がない。結局、全部で10の文からなるお言葉の文章には、1つも主語がありませんでした。

比較のため、安倍首相の祝辞も聞き直してみましたが、これも意外と主語が少ないですね。

冒頭の一文の主語は天皇で、国民を主語にした文が3つ、受動文1つ、残る4文は主語なしでした。

こういった、国民を代表するような立場の挨拶では、「私は」のような表現は避けるのかもしれません。

しかし、天皇陛下がご自分のことを一人称で言わなかったのは、また別の理由があるような気がします。

天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であると、日本国憲法第一条に謳われています。

公的な場での天皇のお言葉は、象徴としての発言であるため、一人称がそぐわないのかもしれません。

「私」を封印して生きていく天皇の孤高を貫く厳しさを、今回のお言葉を聞いてあらためて感じたのでした。

国語・数学に記述式

大学入学共通テストへの導入見送りが決まった英語民間試験の次は、国語と数学の記述式問題でもめています。

50万人分の記述式の答案を、どうやって採点するのか。萩生田文科相の答弁の主旨は、おおむねこうです。

・猫の手(アルバイト学生など)を借りる

・記述式だけど採点のしやすい問題にする

試験の採点・評価で一番重要なのは、公平・公正であることです。採点者によって判定が異なっては困ります。

誰が採点しても、たとえバイト生が採点しても、同じ点数にならなければなりません。

採点者が主観的に判断する余地はなく、完全に客観的な手法で採点しなければなりません。

そのため、加点・減点基準が細かく定められ、採点者はそのルールに則って点数を付けることになります。

でもそれって、「記述式」問題の体裁ではあっても、採点方法は完全に「客観式」ですよね。

受験生にしたって、キーワードを必要十分に配置して、ポイントを稼げるような答案を書くだけです。

それなら、キーワードを正しく選択させる、従来通りの客観テスト(マークシート)の方がよっぽど簡単です。

うまく練られた設問と選択肢を作れば、中途半端な記述式問題よりも、ずっと精度の高い評価ができるはず。

知識偏重からの脱却だと言えば聞こえはいいですが、記述式導入は、面倒で不完全な愚策としか思えません。

それに1次試験の存在価値は、幅広い範囲の設問を多く解かせて、運不運のない評価をすることだと思います。

受験生の応用力とやらを知りたいなら、2次試験でしっかり工夫すればいいじゃないですか。

羽田空港の断水

羽田空港の第2ターミナルでは、水質汚染(?)が原因で、丸1日半以上、いまも断水が続いています。

受水槽を洗浄し、新たに水を貯めたようですが、水質検査後の給水開始は明日になりそうだとのこと。

その程度の作業なら、昨日のうちにでも終わりそうなものですが、なぜか時間がかかっています。

10年ぐらい前に某ショッピングセンターの受水槽で起きた事件を、どうしても思い出してしまいます。

羽田の件はまったく異なる出来事だと信じたいので、真実を早く詳しく公表していただきたいものです。

断水といえば、9月の台風15号による千葉県の被害や、台風19号のタワーマンション断水を思い出します。

もちろん熊本地震の時の、断水の中での診療を余儀なくされた苦労は、忘れる事ができません。

院内での飲み水は、どこからか買ってきてなんとかしましたが、困ったのはトイレを流す水でした。

さいわい菊陽町の自宅では水が出ていたので、毎朝大きなポリバケツでクリニックに水を運んでいました。

その自宅の水もけっこう濁っていて、炊事には使う気になりませんでした。風呂は我慢して入りました。

ある日出勤したら、水道水の供給が再開されたようで、処置室の流しの蛇口から水が出ていました。

断水中に蛇口を閉め忘れていたため水が出っぱなしだったのです。水不足の折にもったいないことをしました。

これが電気だったら、通電火災の原因になるのかもしれません。以後気をつけます。

大規模空港はどこも、空港の基本的な機能以外に、一種のショッピングモールを併設した空間になっています。

今回の断水は、幸い航空機の運航には影響しませんでしたが、モール部分の営業に大打撃を与えています。

明日には復旧するらしいですが、水質汚染の原因が特定・公表されなければ、なんかちょっとイヤですね。

チメロサールフリー

ワクチンに含まれることの多い保存剤「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1811.html" target="_blank" title="チメロサール">チメロサール</a>」は、かつて自閉症との関連が疑われたことがあります。

科学的にはすでに完全に否定された学説なので、皆様には安心して接種を受けていただけます。

しかし、過去の誤った議論が一種の風評被害としてくすぶっており、いまでも懐疑的な見方をする人がいます。

現在では、ワクチンのメリットがチメロサールのリスクを上回る、という考え方が一般的です。

しかし一部には、ワクチンのメリットよりもチメロサールのリスクの方が重大だと考える人もいます。

そこで例えばインフルエンザワクチンには、チメロサールフリーの製剤も、製造販売されています。

さらにそれを受けて、「当院のワクチンはチメロサールを含有していません」と宣伝する医療機関もあります。

チメロサールフリーでなければ接種しない、という方に安心して接種してもらうための方策なのでしょう。

しかし、医師がチメロサールフリーワクチンを推奨すると、一般の方は混乱してしまいます。

じゃあやっぱり、チメロサールは危険なんじゃないの、と思われても不思議はありません。

そもそも、チメロサール含有製剤と非含有製剤が混在していることが、よく考えたら混乱の元凶なのです。

チメロサールフリー製剤を販売するのであれば、この際チメロサール含有製剤の方を完全撤廃してもらいたい。

反チメロサールや反ワクチン感情には、客観的な理屈を超えたものがあり、科学では対処しきれませんから。

経産省なんとかしろ

いま話題の省庁といえば、経済産業省ということになりますか。

大臣が公職選挙法違反問題で辞任した暗いイメージを、局長が菊池桃子と結婚したニュースで打ち消すとは。

この局長って、エリート官僚なのでしょうけど、見た目がすごいオッサンなので(失礼)ビックリします。

菅原前経産相は国会の場での説明責任を果たしませんでしたが、では新原局長はどのように釈明するのか。

先週大阪に出かけたとき、ある店に「5%還元」のポスターが貼ってあったので、カードで支払いました。

ところが、そのブランドのカードでは5%還元はできませんと(実際には大阪弁で)断られれました。

ポスターには、おもだったカード名が全部表示されていますが、使えるのはそのうち一部のカードだけだと。

制度が始まって1カ月たったというのに、いまだに準備中なのです。終了するのは6月と決まってるのに。

そういや例の経産相の(クソ)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2920.html" target="_blank" title="アプリ">アプリ</a>の方はどうなったのか。怖いもの見たさでアクセスしてみました。

まず、最初の地図画面が熊本表示になっているのは良かった。東京からずっとスクロールしなくてすみます。

私の行きつけの店は、決済手段の表示がぐっと増えていました。これは改善してますね。

ただし同じ店舗が決済手段ごとに何カ所も表示されるという問題は、残念ながら修復途上のようです。

重要な検索機能はまだまだですが、絞り込み検索が多少完成度を増しています。

どれどれ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2917.html" target="_blank" title="5%ポイント還元のガソリンスタンド">5%ポイント還元のガソリンスタンド</a>なんてあるのかなと、検索したらありました!

ただし、熊本県内ではゼロ。もっとも近いのは久留米ですか・・・

ガソリンスタンドで5%還元って、希少価値がありますよね。ていうか、ホントに5%なんだろうか。

それが気になって、サイトに掲載されてある電話番号に電話してみて驚いたというか、呆れました。

(1)電話番号が間違っている

(2)ガソリンスタンドの電話番号を調べ直してかけてみたら、うちは2%還元です、とのこと。何それ。

役者の罪と出演作品

「大河ドラマ『いだてん』は 10月1日にすべての収録を終了しています

 徳井義実さん演じる 日本女子バレーボールの大松博文監督を描くシーンについては

 編集などで できるだけ配慮をして放送いたします」

昨日のNHK大河ドラマの放送冒頭に、このような白抜きのテロップがしばらく映されました。

このテロップの文章って、どうなの。まったく言葉足らずで意味不明じゃないですか。

「すべての収録を終了しています」と書いてますけど、だから何?

「できるだけ配慮をして放送いたします」って、何をどう配慮するの?

所得隠し等が指摘されて活動自粛中の徳井義実氏の出演部分は、どうしてもカットできなかったようです。

再編集はされたとのことですが、実際見てみると、徳井氏は重要な役で思いのほか長時間出演していました。

でも私には、まったく違和感がありませんでした。なかなか良い演技じゃないですか。

「罪を憎んで人を憎まず」なんて言葉がありますが、「たとえ人を憎んでも作品は憎まず」でしょう。

劇中では役になりきるのが役者。ドラマで大松監督を演じている徳井氏に、徳井氏本人の人格はありません。

彼は脚本と監督の指示通りに演じただけです。脱税したことと演技内容は、何も関係ありません。

犯罪の悪質度にもよりますが、法に基づいて罰する対象は罪を犯した人物であって、作品ではないはずです。

イートイン脱税対策

「イートイン脱税」なる言葉を、ネットではよく見かけていましたが、昨日はNHKが取り上げていました。

持ち帰り用として8%の軽減税率で購入したものを店内で飲食し、2%分の消費税を免れる行為のことですね。

これを防ぐために、持ち帰り品とイートインでは、商品の見た目を変えるように工夫する店があります。

ある店では、持ち帰り商品を店の入口のベンチに座って食べる客が後を絶たず、ベンチを撤去したとのこと。

その「脱税」という大げさな表現には、それを非難するというより、面白がっているニュアンスがあります。

同じ商品なのに、持ち帰りと店内での飲食で値段が違うこと自体が、よく考えたらおかしな話です。

イートインの方が高いのが、座席使用料とか下膳やゴミ処理の経費の上乗せならば、納得はできます。

しかし持ち帰りの方だって、使い捨て容器や紙袋のコストがかかるはず。

「消費」税なんですから、どのような方法で消費(飲食)しようと、税金は同額が自然だと思うんですけどね。

「当店ではイートインを廃止しました。お持ち帰りの商品をどこで召し上がるか、当店では関知いたしません」

私が店主ならそんな張り紙を出して、店内外どこで食べようと、すべて軽減税率で対応しようと思います。

これに対して国税当局が文句を言うのであれば、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2568.html" target="_blank" title="例の奥の手">例の奥の手</a>を出します。

「当店内での飲食はイートイン扱いですが、他店内に持ち込んでの飲食は、当店では関知いたしません」

マックとミスドが向かい合って営業しているサンピアンでは、互いの客が向かいの店内で食べればいいのです。

インフル異常行動の集計

「インフルエンザに罹り異常行動を起こした患者が、昨シーズン42人いたことがわかった」

厚労省の発表を受けて、メディアがこのように報じていますが、世間が気にするのは薬との関連でしょうか。

治療薬別にみると、タミフル服用者が19人、ゾフルーザ16人、リレンザ4人、イナビル3人だったとのこと。

この42人というのはメーカーが収集した副作用件数であり、厚労省研究班による報告数とは異なります。

「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な動向に関する研究」による異常行動例数は72です。

治療薬別にみると、ゾフルーザ25、タミフル12、イナビル12、リレンザ7などと、ゾフルーザの分が悪い。

面白いことに、NHKや読売は42人で報じ、朝日は72人の方を取り上げています。

いずれにしても、細かい分析や解説はありません。治療薬との影響を疑わせるような、誤解を招く記事です。

厚労省研究班の報告では、治療薬以外にさまざまな事柄と異常行動との関連を調べています。

たとえば、異常行動を起こした人の80%が、ワクチンを接種していました。

これを聞いて、うわぁワクチン危ない!、なんて思う人がいるのでしょうか。いるかもしれません。

さらに言うと、異常行動を起こした人の99%が、医療機関でインフルエンザの迅速検査を受けていました。

これを聞いて、インフルエンザの迅速診断検査は受けない方がいい、って思う人はいるでしょうか。まさかね。

迅速検査もワクチンの接種も、単なる相関関係であって、異常行動とは何の因果関係もありません。

治療薬との関係も同様。よく使う薬であればあるほど、異常行動との関連性を疑われてしまうだけの話です。

現に、異常行動72人のうち37人に使われていた最も「怪しい」薬は、解熱剤アセトアミノフェンでした。

受験生ファースト?

来年から始まる大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入が、突然、延期されることになりました。

この試験は検定料が高く、また試験会場が少ない地方に不利だという問題が、以前からわかっていました。

難易度の異なる試験を合否判定に使うことも難しく、民間に丸投げする文科省の姿勢も批判されていました。

それだけの問題がありながらも導入は決定事項だったのに、萩生田文科相の「鶴の一声」で覆りました。

なんのことはない、大臣が「身の丈発言」への批判をかわすために、苦し紛れの行動に出ただけの話でしょう。

まさに遅きに失した方針転換ですが、これはちょうど、東京五輪のマラソン・競歩の開催地変更と似てますね。

猛暑の中のマラソンを避けるための札幌開催は、医学的には「アスリートファースト」だと思います。

しかし、前からわかっていた猛暑問題を黙殺してここまで突き進んできながら、いまさらひっくり返しますか。

おかげで関係者やアスリートさえも困惑しています。開催地の変更がもっと早ければ良かったのでしょうね。

英語の民間試験の導入延期も、その決断が遅いから騒動になっていますが、もっと早ければ良かったのです。

決定事項を変更できない官僚に、それは不可能。混乱は招きましたが、萩生田氏の決断はヨシとしましょう。

受験生や関係者の批判には耳を貸さなかった文科省の方針が、新参者の大臣の失言で覆されるとは皮肉です。

「受験生の皆様にお勧めできるシステムになっていない」という、萩生田文科相のいまさらな正論が笑えます。

「身の丈発言」が批判されたら真逆の「受験生ファースト」を言い出す萩生田氏って、どんだけ二枚舌なの。