「今年はインフルエンザの流行が早いらしいですね」「そうみたいですね」
インフルエンザワクチンの接種をしながら、あるいは一般診療中にも、しばしばこのような会話になります。
ところが、国立感染症研究所の報告によれば、定点あたり報告数は必ずしも増えておらず、むしろ減ってます。
沖縄を除いてまだまだ報告数は少なく、今年の流行が早いなどと言うこと自体が、時期尚早なのでしょうか。
それでも、やはり早めに接種を行った方がよさそうな雲行きです。
2回接種をする12歳以下のお子さんはとくに、1回目の接種はとりあえず、早めに済ませた方がよさそうです。
1回接種の成人の方にも、今シーズンは10月中の接種をオススメしているぐらいですから。
その成人ですが、例の風疹第5期接種の対象者では、インフルエンザワクチンとの接種間隔が問題となります。
MRワクチンという生ワクチンを接種してしまうと、次のワクチンが接種できるのは4週間後になるからです。
風疹対策は大事ですが、インフルエンザワクチンの接種をみすみす4週間も先延ばしたくはありません。
一方で、先にインフルエンザワクチンを接種した場合には、その1週間後にはMRワクチンの接種ができます。
そこで当院では、インフルエンザワクチン接種の予定がある方には、MRより先に打つように勧めています。
実は、そのような接種間隔の規定は、日本独自の「ローカルルール」です。医学的根拠はありません。
そもそも不活化ワクチンは他のワクチンとは影響しないので、接種間隔を気にする必要などないのです。
現に海外では、不活化ワクチンを接種した翌日に別のワクチンを接種したりしています。
この非科学的なルールを見直す動きが厚労省内部にもありますが、その実現には時間を要すでしょうね。
ならばせめて、インフルエンザワクチンだけでもいいから、接種間隔の規定を撤廃してくれませんかね。
他のワクチンとの接種間隔をまったく気にしなくても良いのなら、どれほど接種計画が楽になることか。