台風19号のニュースを見ながらこれを書いていますが、あちこちで河川が氾濫し始めていますね。
そこへ追い打ちを掛けるように、各地のダムの「緊急放流」が次々に始まっています。
これは、河川の氾濫を防ぐために放流量を調節するというダムの基本的な機能が、破綻した状態です。
昨年の西日本豪雨では、愛媛県のダムの緊急放流によって下流が氾濫し、8人の住民が犠牲になりました。
緊急放流という、いかにも人為的な操作によって流域の人命を失ってしまったのは、なんとも辛いことです。
しかしそのように思えてしまうのは、「緊急放流」という名称が悪いのです。
緊急放流と聞くと、もう限界なので一気に放流しちゃいますからね、という意味のように誤解されかねません。
そうではなく、これ以上新たに水を貯めるはのはムリです、というダムのキャパオーバー宣言にすぎません。
水が一杯に溜まって、ついにダムの縁から水が溢れ出した状態と考えても、意味はほぼ同じでしょう。
なので「緊急放流」される水量は、降雨によって流れ込む水量そのものであり、それは自然が決めることです。
ならば、素人考えかもしれませんが、事前に多めに放流して貯水量を減らしておけなかったのでしょうか。
なにしろ、太平洋のはるか南方に台風が発生したのはだいぶ前のことですから。
いやそれだけでなく、台風シーズンのダムはいつも空っぽにしておく、なんてのはダメなんですかね。
昨年の愛媛県のダムでは、豪雨に備えて4日前から事前放流を行っていたそうですが、結果的に不十分でした。
放流しすぎてダムが空っぽになったら、雨が降らなかったときに何かと問題が起きるからでしょうか。
治水の難しさはわかりますが、水不足よりも洪水の方が問題だと思うのですが。