夢をすぐ忘れる仕組み

いま見た夢をすぐ忘れる仕組みを解明したと、名古屋大学の研究者が発表しました。とても興味深い研究です。

夢を覚えているということはREM睡眠から目覚めたことを意味すると、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2894.html" target="_blank" title="先日当ブログ">先日当ブログ</a>で書いたばかり。

でもたしかに、今の今まで生々しく覚えていた夢の内容を、その数秒後には思い出せないことがよくあります。

だから夢日記は、枕元に用意しておいたノートに、覚醒直後直ちに書かなければならないのです。

それほどまでに、夢が記憶として定着しにくく急速に忘れてしまうのには、何か理由があるはず。

と思っていたら、その通りだったんですね。脳内に、夢を強制的に忘れさせる仕組みがあるようです。

視床下部の「メラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)」が、REM睡眠中に記憶を消去しているそうです。

ならば、MCH神経を選択的に抑制するか、MCH神経の伝達物質をブロックすれば、夢は消えないわけですか。

いやそうではなく、MCH神経を活性化するとREM睡眠の時間が増加すると、名大の研究者は言っています。

つまりMCH神経は、人間に夢を見させておいて、しかもそれを消すという不思議な働きをしているわけです。

それならば、起床時には消えることになっている夢を、なぜわざわざいったん見るのでしょう。

しかも、夢の記憶は完全には消えておらず、わずかに覚えている状態で目覚めるというのも、意味ありげです。

もしもMCH神経作動薬の開発でも始まったら、臨床治験のボランティアには真っ先に手を挙げたいですね。