いつやるか

もともと私は手紙を書くのが苦手でした。今でも筆無精です。億劫でなかなか書き始められないタイプです。

毎日ブログを書いてますが、これは締め切りに追われているから成せること。

締切が緩いか、または締切の無い文書の作成だと、これがなかなか書けない。

日頃書く手紙類でいちばん多いのが、他の医療機関への紹介状です。その次に多いのが、紹介状への返事です。

紹介状は、すぐに患者さんに渡す必要があるときは、その場ですぐに書くしかありません。

ところが、あとで郵送すればいい場合には、途端に「億劫風」が吹き始めるのです。

昼休みにでも書けばいいのですが、どうも緊急性がないとズルズルと先延ばししてしまいがちです。

他院からの紹介状への返事ともなると、なおさらです。

明日書こうとか、別の書類とまとめて仕上げようなどと考えているうちに、何日も過ぎていきます。

長年の経験でわかったことは、手紙を書くのにいちばん良いタイミングは、書こうと思ったその時です。

手紙の執筆に限らず、やるべき仕事はその都度済ませる。いつやるか、いまでしょう、なんですね。

研修医の頃、何人もの受け持ち患者さんの翌日の検査の伝票を、毎晩遅くなってまとめて書いていました。

すごく時間がかかって帰宅が遅くなる、いちばんイヤな作業でした。

あるとき先輩から、翌日の検査を思いついたらその瞬間に伝票を書けと教えられました。目からウロコでした。

いや、耳で聞いたので、「目からウロコ」よりは「耳から耳クソ」の方が適切かもしれませんが、ともかく。

「あとでまとめてやろう」という考え方は、効率を重視したように見えて実は、単なる先延ばしでしょうね。

「いま済ませてしまえ」という発想に転換してすぐ行動した方が、きっといちばん仕事がさばけるのです。