ロタウイルス胃腸炎を予防するワクチンがようやく、定期接種になりそうです。だいぶ待たされましたね。
昨日の厚労省の審議会で、早ければ来年度中には定期接種化する方針が示されたようです。
ワクチンの定期接種化を議論するときに、厚労省がいつも問題にするのは以下の3つ。
(1)有効性、(2)安全性、(3)費用対効果
すでに定期接種が行われている諸外国の状況から、ロタウイルスワクチンの有効性は十分に認められています。
一方で副反応としては腸重積症が知られていて、それを恐れるあまりに日本での定期接種化が遅れてきました。
ワクチンの有効性よりも副作用を重要視する日本人の情緒こそが、日本が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2591.html" target="_blank" title="ワクチン後進国">ワクチン後進国</a>たるゆえんです。
さいわい、最近になってようやく、有効性と安全性については合理的な判断に傾いてきました。
となると、定期接種化の最終段階に立ちはだかるのは、費用対効果の壁ということになります。
国は最近、「ワクチン代があと4千円下がれば費用対効果は改善する」と、メーカーに圧力をかけ始めました。
審議会の詳細な内容は知りませんが、おそらく、ワクチンの価格を下げさせることで解決したのでしょう。
お役人には、「 ワクチン代 < ワクチンの導入で削減できる社会的コスト 」であることが重要なのです。
予防費用の方が治療費よりも高いのであれば、その病気を予防するメリットなし、という品の無い考え方です。
子どもたちを病気から守るためではなく、経済的な損益によって定期接種化を決める国の姿勢は疑問です。