健診の電話勧誘

詐欺まがいの怪しげな勧誘が増えている昨今、多くの患者さんが困っている「勧誘電話」があります。

差し障りがあるので発信元は言えませんが、「1,000円で健診を受けませんか」と誘ってくるそうです。

「抽選で食事券が当たりますよ」などとエサをぶら下げて、何度もしつこく攻勢をかけてくるらしいですね。

これがマンションの販売なら「再勧誘」は禁じられてるはずですが、健診の勧誘だとどうなのでしょう。

当院通院中の生活習慣病の方は、おおむね年に3回程度、脂質糖質や肝腎機能などの血液検査を行っています。

その検査の医療費は、平均すると350点前後なので、窓口負担額は700〜1,000円程度になります。

件の「1,000円健診」の内容を見ると、検査項目がかなり少ないですね。もうほんと、必要最小限のみ。

この検査内容で、生活習慣病の定期検査の代用とするには不足するので、別の日に追加検査が必要になります。

患者さんは余分に痛い思いをして、余計に血液を失い、医療費としてもムダです。

なのでこの健診勧誘電話には乗らないように、当院では啓蒙活動を続けていますが、アチラもしつこいのです。

食事券等の賞品はは「およそ12人に1人は当選」するそうで、その期待値は数百円程度と見積もられます。

それならば、最初から健診費用を500円ぐらいに安く設定すればいいのに。

すでに生活習慣病で治療中の方に、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2435.html" target="_blank" title="中途半端な検査">中途半端な検査</a>を有料で行うこと自体、そもそも疑問です。

しかもそれを、しつこく電話勧誘するのは問題だと思いますよ、熊本市国保の方(あ、言っちゃった)。

駆け込まない需要

消費税増税を前に、一定の駆け込み需要はあるのでしょうけど、今回は微妙というか、複雑で面倒ですね。

つまり、例のポイント還元によって、増税後の方が安くなるケースがあるからです。

5%還元となる店舗での買い物を予定している場合、増税前に買うのはムダです。

2%上がるけど5%還元されるから、差引3%得すると思ったら、大間違い。そんなものでは済まされません。

10万円(外税)の家電で考えてみます。

9月に買えば税込み10万8千円。増税後は、11万円の5%引きで10万4500円。差引3.5%の得。

これが、保存食やらなんやらの買いだめで、総額10万円相当の食品だったら大変です。

9月に買えば税込み10万8千円。増税後も軽減税率で10万8千円。5%引きで10万2600円。差引5.4%も安い。

え〜っと、この計算であってるんでしょうかね。増税後の方が得すぎて、ウソっぽいんですけど。

経産省のサイトには、地図上に近隣のポイント還元登録加盟舗が表示されるようになっています。

当院の近所で見てみると、サンピアンの中のトイザらスとか明林堂書店も5%還元店舗のようですけど、本当?

自宅の近所だと、紀伊國屋書店も5%引きです。いったいどういう基準なんだろ。要確認ですね。

もしそうなら、増税後に買うばっかりでしょ、オモチャも本も。慌てて駆け込んだら、確実に損しますね。

いつも行くガソリンスタンドは、残念ながら加盟店ではないようです。なので今日、駆け込んどきました。

通常は2%ですが、5%ポイント還元のガソリンスタンドをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご一報を。

Facebookの情報管理

個人情報の保護規制を強化する動きが世界で相次いでいると報じられてはいますが、事は簡単ではありません。

フェイクニュースや誤った情報発信を厳しく規制することは、逆に表現の自由を侵しかねないからです

FacebookのザッカーバーグCEOが企業経営の軌道を修正するという、インタビュー記事が出ていました。

彼は一見まっとうなことを言っていますが、しかし私には余計に疑問が深まりました。

「不適切なコンテンツは通報を待って対処するのではなく、危険な情報を発見するAIを作り迅速に取り除く」

ネット社会の風紀委員長になろうというのでしょうか。要は、検閲であり情報操作そのものです。

これを人間が行うのではなく、AIが「機械的に」処理するのだから問題ないとでも言うのでしょうか。

検閲条件などは自由に設定できるし、問題コンテンツの情報をFacebookが丸ごと収集するのも不気味です。

スマートスピーカーが「聞き耳」を立てている問題と同様の、個人情報への侵害が危ぶまれる案件です。

Facebookに限らず、Googleやその他の情報企業も、すでに同様の情報操作を行っているはずです。

ただ、いくら検閲を厳しくしても、その裏をかいて情報が漏れることは間違いありません。

厳しい通信規制のある独裁国家でも、闇の周波数のラジオ放送が流れたりするわけです。

情報発信手段や技術は、加速度的に進歩しています。拡散する情報量は爆発的に増えていくことでしょう。

未来社会ではもう、情報管理や規制など不可能なんじゃないでしょうかね。

Facebookのやろうとしていることは、訴訟対策にしか見えません。その実体は情報収集の強化です。

ロタワクチン定期化決定

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2902.html" target="_blank" title="ロタウイルスワクチン">ロタウイルスワクチン</a>は、来年10月から定期接種になることが決まりました。

有効性も安全性もコスパも、ひととおり検討が済んだわけですが、なお実施まで1年待たせるんですね。

それならば無料接種までのつなぎとして、とりあえず接種費用の助成を開始してくれるといいんですけどね。

ところで、ロタウイルスワクチンの接種を行う上で、問題がいくつかあるようです。私が興味深いと思うのは、

(1)2種類のワクチン(ロタリックスとロタテック)の互換性の問題

米国では、両者のワクチンを組み合わせても、計3回接種すればよかろう、という考え方になっています。

組み合わせ接種による安全性と有効性については、厚労省もおおむね(やむを得ず)認めています。

ただ、これまでずっと組み合わせを禁じてきた手前、前言を撤回するための理屈をこね回してるのが笑えます。

日本は里帰り出産が多いから1回目と2回目の接種では医療機関が変わるのが問題、なんて真面目に言ってる。

(2)ワクチンをすぐに吐き出した場合の再接種(再投与)はどうする

現在、ロタリックスでは再接種を認め、ロタテックでは認めないと、添付文書に明記されています。

両者を組み合わせて接種する場合も出てくるので、現状のままでは整合性がとれないのが、お役所的には痛い。

どうやら定期接種では、再接種を認めない方向のようです。ロタリックスにしてみれば、とんだとばっちりか。

(3)接種控え対策はどうする

ワクチンが無料化になる直前に、わざわざ有料で接種したくないのが人情。いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1702.html" target="_blank" title="接種控え">接種控え</a>」問題です。

乳児期の重症感染症を予防するのがワクチン接種の目的ですから、接種が遅くなればなるほど危険です。

さらにロタウイルスワクチンは、遅い週齡で接種を開始するほど重い副反応が起きやすい問題もあります。

なので厚労省は、来年8月生まれ以降の乳児だけを、10月からの定期接種対象にしようと考えているようです。

(4)他のワクチンとの接種間隔はどうする

現状では、ロタウイルスワクチンは他の生ワクチンと同様に、他のワクチン接種まで4週間の間隔が必要です。

しかし欧米では、ロタと他の注射ワクチンとの接種間隔には何の規定もなく、自由に接種できています。

厚労省はこの機会に、接種間隔について見直そうという言い始めました。これは珍しく良い話。

さらに他のワクチンでも、欧米にならって接種間隔を緩和しようかという動きさえ出ています。朗報です。

平和ボケの保安検査

大阪伊丹空港で刃物を持った客が保安検査を通過し、その結果ANAの便が遅延・欠航する騒ぎになりました。

保安検査場の金属探知機で刃物が見つかったのに、その刃物を客に返却してしまったのは大失態です。

ANAが全便運行を見合わせて制限エリア内の客を全員エリア外まで出すまでのタイムラグが、約2時間20分。

この間にその刃物所持客は、どれかの便に乗って飛んで行ってしまったようです。

保安検査のやり直しに巻き込まれたり、欠航便に搭乗する予定だった客は、たまったもんじゃありませんね。

十数年前、夏休みに家族旅行で熊本から羽田まで飛んだとき、空港の検査で引っかかったことがありました。

なぜか娘が所持していたハサミが見つかり、熊本空港の保安検査場で没収されてしまいました。

つまり、刃物は必ず没収されるモノなのです。なのに伊丹の保安検査場では、どうして返却したのでしょう。

そして、刃物の誤返却に気づいて出発便の離陸を止めるまでに、なぜ2時間以上もかかったのでしょう。

X線検査を担当している警備会社の係員の、危機感の欠除(=平和ボケ)が原因でしょうか。

自分が担当しているときにテロリストが検査場を通過するはずはないという、正常性バイアスの一種なのか。

ラグビーワールドカップを前に、9月13日から保安検査が強化されているはずなのに、このザマです。

一方で、平和ボケの日本とは対極にあるのが米国。9.11以来、保安検査は特に厳しくなっています。

靴を脱いだ後しばらく裸足で歩かせられるし、ポケットの中身はハンカチでも出させられます。

そういえば先日、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2900.html" target="_blank" title="ホノルル空港">ホノルル空港</a>での保安検査の真っ最中に、突然、すべての作業が停止されました。

なにやらアナウンスが流れ、1分間の黙祷だと。9月11日の、ちょうどその時間でした。

夢をすぐ忘れる仕組み

いま見た夢をすぐ忘れる仕組みを解明したと、名古屋大学の研究者が発表しました。とても興味深い研究です。

夢を覚えているということはREM睡眠から目覚めたことを意味すると、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2894.html" target="_blank" title="先日当ブログ">先日当ブログ</a>で書いたばかり。

でもたしかに、今の今まで生々しく覚えていた夢の内容を、その数秒後には思い出せないことがよくあります。

だから夢日記は、枕元に用意しておいたノートに、覚醒直後直ちに書かなければならないのです。

それほどまでに、夢が記憶として定着しにくく急速に忘れてしまうのには、何か理由があるはず。

と思っていたら、その通りだったんですね。脳内に、夢を強制的に忘れさせる仕組みがあるようです。

視床下部の「メラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)」が、REM睡眠中に記憶を消去しているそうです。

ならば、MCH神経を選択的に抑制するか、MCH神経の伝達物質をブロックすれば、夢は消えないわけですか。

いやそうではなく、MCH神経を活性化するとREM睡眠の時間が増加すると、名大の研究者は言っています。

つまりMCH神経は、人間に夢を見させておいて、しかもそれを消すという不思議な働きをしているわけです。

それならば、起床時には消えることになっている夢を、なぜわざわざいったん見るのでしょう。

しかも、夢の記憶は完全には消えておらず、わずかに覚えている状態で目覚めるというのも、意味ありげです。

もしもMCH神経作動薬の開発でも始まったら、臨床治験のボランティアには真っ先に手を挙げたいですね。

動画と静止画

自宅にある、いまはもう使っていないデジカメとビデオカメラを数えたら、それぞれ5台ずつありました。

それに加えて、使っていない古いiPhoneを10台所蔵しているなど、とても人には言えません(書いたけど)。

子どもが生まれてからしばらくの間は、やたらと写真やビデオを撮影しまくる時期でした。

その後は撮影頻度が低迷しましたが、最近また孫が生まれたりなんだりで、撮影熱がぶり返しています。

写真は、銀塩からコンデジを経て、今は専らiPhoneで撮影していますが、たまにデジタル一眼も使います。

動画は、VHS-Cから8mm、さらにminiDVからAVCHDを経て、いまはもうiPhoneオンリーですね。

運動会などでは本格的な三脚を使ってビデオ撮影をしていましたが、悩ましいのは写真との同時撮影でした。

動画は絶対撮りたいけど、要所要所ではスチル写真も残したい。でも両方同時撮影はなかなか難しいのです。

ビデオ画像から静止画を切り取ろうという発想になるわけですが、20年前にはなかなか大変な作業でした。

大学で学会発表用ビデオの編集で使っていた、Macの「Final Cut Pro」というソフトを、自腹で買いました。

たしか当時、12万円ぐらいしたと思います。それほどまでに、子どものビデオと写真は大事だったのです。

ただし、ビデオから切り取った静止画の画質はかなり悪く、苦労して編集してもガッカリするばかりでした。

さて、スマホの時代に突入です。カメラの性能や写真・動画の画質は年々めざましく良くなっています。

それでも当初は、スナップはiPhone、行楽ではデジカメ、記念写真は一眼という使い分けをしていました。

ところがこの数年、たいていの撮影はiPhoneで済ませています。当然動画もiPhoneで事足りてます。

動画でざっと流し撮りして、冗長な部分をカット(トリミング)するのが実に簡単。

静止画も自在に切り出せるので、決定的瞬間をモノにできます。しかも綺麗。もう昔の苦労がバカみたいです。

で、新発売のiPhone11( Pro )って、カメラがスゴいらしいですね。こりゃやっぱり、買いかな。

敬老の日と秋分の日

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-720.html" target="_blank" title="秋分の日">秋分の日</a>の今日、今年は祝日の多い年だったなぁと、年間カレンダーを眺めつつ感慨にふけっています。

さらに気の早い話ですが、来年のカレンダーも見ながら、学会出張やその他モロモロの行事を計画中です。

今年の9月は、敬老の日と秋分の日の兼ね合いで、土日祝の、世間的には3連休が2回ありました。

来年は、敬老の日と秋分の日が連続するので、3連休はなく4連休が1回だけとなります。

敬老の日は9月の第3月曜日で、秋分の日は天文学的に決められるので、いろんなパターンになるわけです。

もしも秋分の日が9月21日で、なおかつ月曜日だったら、敬老の日と重なってしまうことになります。

このような、2つの祝日が重なることなど、想定外だとは思いますが、理論上は起こり得るようです。

西暦2876年に、敬老の日と秋分の日が同一日になると、ある人が書いています。

私の能力では検証のしようもありませんが、もし本当なら、国はどの様に対処するつもりなのでしょうね。

とは言え857年後のことですから、今から心配する必要はないです。

そもそも29世紀の時代に、人間の寿命はどうなってるのでしょう。敬老の日なんて存在するのでしょうか。

もしかすると、がんも感染症もなく、人間は老化せず、寿命は無限になっているかもしれません。

もはや肉体など存在せず、人はその意識だけが、どこかで電気的に活動し続けている状態かもしれません。

老化がなければ「敬老」の概念も存在せず、敬老の日も廃止です。秋分の日と重なる心配もありません。

2巡目でおしまい?

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2657.html" target="_blank" title="高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種">高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種</a>は、5の倍数の年齢の方を対象とした経過措置が、5年間行われました。

65歳以上の高齢者全員に等しく接種の機会が与えられたわけで、対象者の多くが接種する見込みでした。

しかし実際には接種率は思いのほか低く、やむを得ず経過措置が「2巡目」に入っています。マヌケな話です。

接種率が低かったのは、自己負担金が高いことと、日頃の啓蒙活動が不十分だったことが要因でしょう。

それに加えて、接種対象がわかりにくい制度設計にも問題があったと思います。

5の倍数の年齢が対象なのだから、今回はパスして5年後に接種しようと考えた方には、何人も出会いました。

本来、この経過措置は、全高齢者に1回だけ接種機会を与えるように考えられた制度でした。

与えられた機会を自ら手放した方には、もう二度と定期接種の機会は与えられないわけです。

私はそのことを、今回が最初で最後のチャンスですよと、口を酸っぱくして説明してきました。

今回、2巡目の経過措置が始まったのは良かったですが、私の説明は嘘になってしまいました。ま、いいけど。

ただ残念なことに、せっかく2巡目が始まったというのに、それならば接種しようという方は多くありません。

この定期接種制度の啓蒙活動が活発になったとも思えません。これじゃあ5年後には、3巡目に突入するかも。

その反対に先日、65歳の時に接種済なのに、今回70歳で2巡目の定期接種を受けに来られた方がいました。

1回目を他県で接種した後に熊本に引っ越したら、また定期接種の対象者として勧奨のハガキが来たとのこと。

どうやら接種情報が、県をまたいで共有できていないようです。お役所の仕事としてはお粗末ですね。

なるべくネット予約を

当ブログの読者ならご存じの通り、インフルエンザワクチンのネット予約の受付を、昨日から開始しています。

いまのところ、かかりつけの患者さんを中心に、おもに土日の接種日から予約枠が埋まりつつあります。

昨シーズンまでは、インフルエンザの予約者に対して、他のワクチンの同時接種も積極的に勧めてきました。

しかし同時接種をすると接種全体の流れが悪くなりやすく、しばしば接種時間が大きくズレてしまいました。

そこで今シーズンは、インフルエンザのネット予約枠内では、他のワクチンを同時接種しないことにしました。

もちろん同時接種自体は可能ですが、その場合、インフルエンザワクチンの接種のネット予約はできません。

これはネット予約者の接種の流れをスムーズにして、多くの方の接種を予約時間通りに行うためです。

今回が初めての試みなので、目論見通りにうまくいくかどうかまだわかりませんが、ともかくやってみます。

10月から消費税率が上がりますが、インフルエンザワクチンの接種料金は昨シーズンと同じにしました。

増税分だけ値上げする考え方もありますが、そうすると端数が出て、とても煩雑になりそうだからです。

65歳以上の方へのインフルエンザワクチンの接種(定期接種)は、とても重要です。

なので日頃かかりつけの高齢者の方に限り、通常の診察枠でワクチンの接種を行うことにしています。

これは以前から行っていることですが、ネット予約が難しい高齢者の方への配慮でもあります。

ネット予約をしなくても、インフルエンザワクチンの接種は電話で受け付けますが、料金を高くしています。

料金差を作ることによって、予約をネットへ誘導し、受付の電話がパンクするのを防ぐためです。

でも、現状ではまだ「完全ネット予約制」にするわけにはいきません。今後もずっと、無理でしょうね。