東北新幹線のドアが走行中に開いてしまった事故がありました。負傷者が出なくてよかったです。
帰省ラッシュ時などのようにデッキに乗客がいる状態だったら、大変なことになってたかもしれません。
事故の原因は当初、清掃員がドアのコックを閉め忘れたのだと報じられましたが、実態は少々複雑です。
その清掃員が開けたのは、本来は操作しないはずの、ホームとは反対側のドアのコックだったからです。
「次に行う作業のことを考えていて、無意識に扱ってしまった」と本人も言っています。
うっかり閉め忘れた不注意ではなく、なぜか開けてしまった不可解な行為です。
元々操作する必要のないコックなので、ダブルチェックの対象にならなかったのかもしれません。
会社は従業員の教育を徹底すると言ってますが、無意識の不合理な行為が社員教育で防げるとも思えません。
このような、説明の付かない無意識の異常行動は、私も時々やらかします。
歯を磨き終わって水洗いしたその歯ブラシに、また練り歯磨きを塗ってしまったのは、昨日の朝のことです。
不注意を超えた無意識のエラーまで防ぐことは、少なくとも当の本人には不可能です。
人間がどのようなミスをしても、重大事故だけは起きないようにするための、システム設計こそが重要です。
ドアコックが手動モードのままでは警報が鳴り続けるとか、発進できないとか、そういうことです。
別の型式の新幹線車両では、危険回避のためにドアコック検知装置が装着されているといいます。
であれば、車両によって安全装備に差があることを黙認・放置してきた会社の姿勢も問題です。