冬に風邪を引いても「冬風邪を引いた」なんて言いません。冬に風邪を引くのは普通すぎるからですかね。
「夏風邪」という言い方をするのは、「夏なのに風邪を引いた」みたいなニュアンスがあるからなのでしょう。
とはいえ毎年この時期、ヘルパンギーナでも手足口病でもプール熱でもない、ただの風邪が意外に多いです。
典型的には、いきなり39度台の高熱が出て、上気道炎症状に乏しく比較的元気がある。ノドは少し赤いか。
半日以上高熱が続いている場合などには血液検査をしますが、たいていそれほど特徴的な所見はありません。
そのような子の何人かに1人はしかし、翌日にも高熱が続いてぐったりするか、何らかの症状が出てきます。
血液検査で異常値が出たり、呼吸音が悪いこともあり、ときには日赤などへ紹介する場合もあります。
高熱が出たからといって、ひどく心配する必要はないけれど、まったく心配しないわけにもいかないのです。
そしてそのようなお子さんの重症度を鑑別するのが、私どものような一般開業医の役目だと思っています。
とくに日曜祝日の診療は、救急病院に行くべき患者さんを正確に厳選するのが我々の仕事です。
ただ実際には、病院を紹介したお子さんがそれほど重症でなかったことが、あとでわかったりもします。
まあ、大事をとって病院に行ってもらうことは、ある種の危機管理のひとつですから、皆様ご容赦願います。
紹介が遅れて後悔するよりは、よっぽどマシだと思うのです