ガッテンできない

今日のNHKの『ガッテン』は、「急増中!風疹&帯状ほう疹 徹底対策SP」でした。

以前からこの番組を見ていると、まどろっこしくて要点がわかりにくいムダな展開に、いつもイライラします。

科学的・統計学的には疑問のある実験や調査で時間を費やし、導かれる結論はしばしば独善的で扇動的です。

しかし文句ばかりを言ってもアレなので、今日の放送内容に沿って、おさらいをしてみましょう。

前半は、なぜ40〜57歳の男性だけに風疹無料クーポン券が届くのか、という疑問から始まります。

その取っ掛かりはヨシとしても、過去のワクチン制度の不備が今の問題につながる理由の説明がわかりにくい。

医学情報を正しく届けるためには、出演者の問答は、良い意味できちんと計算された台本に基づくべきです。

まさか今日のアレで台本通りだというのなら、番組の構成自体がダメですね。

番組後半の帯状疱疹の部分は、時間が短くて取って付けた感じ。誤解を招きかねない消化不良な内容でした。

しかしそれよりも問題なのは、風疹と帯状疱疹を、「湿疹」ができる疾患として一緒くたにしていた点です。

どちらもワクチンで予防できる疾患ですが、その予防のメカニズムはまったく異なります。

両者をひとまとめに放送したおかげで、かえって混乱を招くのではないかと、私は心配になりました。

要点はこうです。

(1)妊婦に風疹をうつさない環境を作るために、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2726.html" target="_blank" title="免疫保有率の低い男性成人に対する予防接種">免疫保有率の低い男性成人に対する予防接種</a>が始まった。

(2)水痘の免疫力が維持されにくい環境となり<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2492.html" target="_blank" title="帯状疱疹を発症しやすくなった">帯状疱疹を発症しやすくなった</a>ので、予防接種が推奨される。

こう書いても、わかりにくい。志の輔さんも言ってたように、どうにも「ガッテン」できない放送でした。