泉佐野市で今日、バスが乗用車と衝突する事故がありました。運転手の意識障害が原因の可能性があります。
不幸中の幸いは、死者が出なかったことと、運転手が意識を失ったのを目撃者した乗客がいたことでしょう。
その乗客がいなければ、運転手の居眠りや脇見や運転操作ミスや故意までをも考慮せねばなりませんでした。
事故現場は関空連絡橋に近く、G20のため来日した海外要人を狙ったテロの可能性も排除できません。
しかし、運転手が交差点で意識を失っていたとすれば、その原因は急病ということになります。
持病の報告はなく、先月の健診でも問題は無かったそうですが、それでも病気の可能性は全く否定できません。
どのような病気にも、初発というタイミングが存在します。
初めての重症不整脈や心筋梗塞、あるいは大動脈解離や脳血管障害の可能性だってあるわけです。
精密な健康診断によって、それらの疾患を起こしうるヒントが得られていた可能性はあるかもしれません。
しかし可能性を言い始めたらキリがありません。一定年齢以上で、前述した疾患のリスクの無い方は少数です。
わずかでもリスクがあれば念のため運転禁止という規定にしたら、世の中にドライバーはいなくなります。
まったく予測していなかった意識消失や急死を、身近な方や担当患者さんで経験したことが何度もあります。
そんな意識消失で自損事故を起こしたり風呂で溺れてしまった人からも、直接話を聞いたことがあります。
健康管理や健康診断はとても大事ですが、万能ではないと言うことです。
持病はないと思われていた人の急病であれ、高齢者の運転ミスであれ、その結果起きてしまう事故は同じです。
ならば世の中が進むべき方向は、ドライバーが意識を失っても事故が起きないシステムを作ることでしょう。
メーカー各社が開発中の自動運転車に期待するのは、便利よりもまず、絶対的な安全ですね。