年金では足りません

当院の職員の給与は、私が毎月計算して、銀行のビジネスバンキングで振り込んでいます。手作業です。

まず、基本給等に加えて、残業時間は分単位で表計算ソフトに入力して手当を計算し、総支給額を算出します。

さらに専用ソフトを使い、社会保険料や住民税と所得税等を差し引いて、差引支給額を決めます。

残念なことに、たくさん支給したつもりの給与が、あれこれ「控除」された挙げ句ずいぶんと目減りします。

そのさまざまな控除の中でも、どうしてここまで巨額なのかと思えるのが、厚生年金保険料です。

これは私自身がサラリーマンであった頃から、給与明細を見るたびに思ってきたことです。

ついでに言うなら事業主は、従業員から天引きした社会保険料の合計の、倍額を納付しなければなりません。

さて、いまホットな話題は、金融庁の「夫婦で95歳まで生きるには貯蓄が2千万円必要」という報告でしょう。

公的年金だけでは老後の生活はまかなえませんよと、年金の破綻をも示唆する、ある意味バカ正直な試算です。

これに対して批判が集中すると、首相も財務相も、この報告が「不適切」だと切り捨ててしまいました。

たぶん、このような重要なことを不用意に国民に知らせたことが不適切だったという意味でしょう。

もちろんそんなことは、国民もだいぶ前から薄々気がついているわけで、金融庁の報告にもさほど驚きません。

ただ、あからさまに、年金じゃ足りませんからね、と言われるとムカツクのです。

毎月バカみたいにたくさん保険料を支払っているのが、アホ臭くなるのです。