沖縄の病院で、胃がんの手術を研修医が執刀し、術後合併症で患者が死亡したことで、訴訟になっています。
合併症の詳細はともかく、研修医の執刀が「約束違反」だという点も、問題になっているようです。
たしかに、研修医が手術を執刀し、何かうまくいかずに問題が起きるケースがあります。
術前の説明が十分だったか、という点が最大の問題でしょう。
しかし世間は、少なくともマスコミは、「研修医が執刀」という部分に食いつくんですよね。
研修医が執刀する場合、少なくともその術式を初めて執刀するときは、経験豊富な指導医が助手を務めます。
手術を指導をするだけでなく、研修医がミスをした場合に適切に対処・修復することこそ、指導医の仕事です。
その意味では、上級医師の指導下での手術の責任は、指導医にあると考えていいでしょう。
私自身の経験で言うなら、研修医の時の執刀は、極めて重要な危なっかしいものです。
もちろん指導医のカバーは必須ですが、執刀経験を積み重ねないと外科医は育ちません。
だからどうか、修練中の外科医が執刀すること自体は、大目に見てもらいたいですね。
そのかわり、指導医にはしっかりと監督していただきたい。