白血病などの治療薬「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2696.html" target="_blank" title="キムリア">キムリア</a>」の保険適用が了承され、薬価は過去最高の3,349万円に決まりました。
米国では5,000万円以上の薬なので、今日の中医協の決定額は少々安く感じましたが、それでも異常に高い。
「キムリア点滴静注」は、患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて体内に戻す「CAR-T」細胞療法の薬です。
患者血液からT細胞を分離増殖して「CAR遺伝子」を組み込む操作は、ノバルティス社の施設で行われます。
その、細胞加工操作の費用も込みで、今回の薬価なわけです。ただの高額な点滴薬ではないのです。
国民皆保険の日本における超高額薬の問題は、オプジーボの頃から議論されていますが、結論は出ません。
キムリアの投与対象者は216人と予測されており、人数が少ないので総額は73億円程度で済みそうです。
しかし同様の薬は今後いくらでも登場するでしょうから、超高額薬の総額はどんどん上がることでしょう。
これをすべて保険適用にすれば、医療財政が逼迫することは避けられません。
しかし自由診療(自費医療)にしてしまうと、金持ちしか受けられない治療になります。
薬価を大幅に引き下げたらメーカーの利益が出ず、日本での販売が中止されるかもしれません。
科学は加速度的に、しかも無限に進歩し、より高度な医療(高額な医薬品)が続々と登場することでしょう。
薬価はどんどん高騰するはずです。はたして国民皆保険の破綻を回避する方策はあるのでしょうか。
一方で、重粒子線治療などの「先進医療」は、極めて高額ですが保険適用外。全額自己負担です。
大金持ちでもない限り、患者はがん保険などの先進医療特約で備えるしかありません。
いずれも超高額医療なのに、一方は保険適用で、もう一方は適用外。どんな理屈をつけても納得はしかねます。