誤変換カルテ

電子カルテの本文の中に「誤変換」があるのに気づき、慌てて修正することがよくあります。

パソコンの変換ミスなのですが、手書きのカルテでもあり得ない話ではありません(脳内誤変換)。

当院の電子カルテはそのまま「ミニカルテ」の本文となるので、記載内容がかなり多く、文章は長くなります。

そのぶん、誤変換のリスクが増えますが、患者さんに渡す文章なので誤変換のままでは困ります。

「高熱が出たら早めに来院してください」→「高熱が出たら早めにラインしてください」

よくある誤変換です。その場ですぐ気づきますが、ひとりでウケます。残念ながら私はラインしてません。

「痒みにも効くようにしています」→「痒みにも菊陽にしています」

自分の住所をパソコンで入力した後などに、このような変換になることがあります。吹きます。

「次の接種は4週間後です」→「(次のスライドをお願いします)の接種は4週間後です」

最近ではあまり見かけませんが、以前はたびたびこうなっていました。これは私の単語登録の問題です。

現在私が使っているかな漢字変換システムは「ATOK」です。

使っているMacによってATOKのバージョンは異なりますが、ユーザー辞書はすべて同期させています。

私が所有してきたMacは、80年台の終わり頃からずっと、辞書の中身が脈々と受け継がれてきています。

医学用語はもちろんのこと、さまざまな専門用語を合併して、数万語を擁するユーザー辞書になっています。

私個人の住所録に登録している氏名も一括登録したので、知人友人親戚のフルネームはすぐに出てきます。

おかげで仕事中に突拍子もない変換候補が現れることがあり、それが誤変換の原因にもなるのでしょうね。

オカシな誤変換に気づかず、そのまま確定させてミニカルテに印刷してしまうと、恥ずかしいことになります。

患者さんが来院した際、ミニカルテの過去の恥ずかしい誤変換をこっそり「改ざん」することもよくあります。

電子カルテの本文は書き換えませんが(真正性確保の原則)、ミニカルテですから、どうかお許しを。

不可抗力のドーピング

ドーピング検査で禁止薬物が陽性だった男子レスリングの阪部創選手の資格停止処分は、取り消されました。

阪部選手に過失がないことが立証されたからですが、これまでに聞いたこともない顛末でした。

禁止薬物が含まれていないはずの胃腸薬に、メーカーの不手際で、禁止薬物が混入したというからです。

これはちょうど<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2690.html" target="_blank" title="先日書いた">先日書いた</a>、高血圧治療薬に発がん物質が混入していた事案と同様の経緯によります。

ドーピングが禁じられている理由は、おもに次の2つでしょう。

・スポーツのフェアプレー精神に反する

・競技者の健康を損ねる

しかしそのドーピングの「悪質度」には、いくつかの段階があり、明確に区別されるべきです。

(1)故意(ドーピングするつもりで、意図的に禁止薬物を摂取した)

(2)過失(薬剤や飲食物等の成分確認を怠り、あるいは勘違いして、うっかり摂取した)

(3)不可抗力(問題ないとされている薬に、メーカーの不手際等で禁止薬物が混入していた)

(4)冤罪(選手をドーピング違反に陥れるために、第三者が禁止薬物を飲食物に混入した)

このうち(1)はもちろん(2)も、明確にドーピング違反として、厳しく罰せられるのは当然です。

しかし、今回の阪部選手の場合は(3)でしょう。どれだけ注意しても避けようがなかったからです。

ただし、資格停止処分は取り消されたものの、選手権での準優勝という成績までは回復されませんでした。

たとえ本人に落ち度はなかったとしても、競技自体は「ドーピング下」で行われたという解釈でしょうか。

本件の責任は製薬会社にあると思いますが、失った競技の機会と成績を「賠償」することは不可能です。

オリンピックレベルの世界的な大会において、このようなアクシデントが起きたら、取り返しが付きません。

問題の胃薬は、田辺製薬が先発品を作っている胃薬のジェネリック(沢井製薬製)でした。

その原薬が問題なのでしょうけど、結果的には、ジェネリックへの信頼感をも失わせる事件となりました。

選手がどうしても薬を飲むときは、先発品を選ぶのが無難ということですかね。

インチキ電話

わが家の太陽光発電システムは、10年目に突入しました。売電価格48円/kwhが保証されるのは、あと1年。

固定買取期間が終了した後はどうしたらいいのか。頭の痛い、いわゆる「2019年問題」です。

そのことを知ってか知らずか(ていうか知ってる)、複数の業者から最近「蓄電池」セールス攻勢があります。

悪徳業者や、まして詐欺業者にだまされないよう慎重に、しかしお得な電力システムを導入せねばなりません。

それで言うなら以前から勧誘がしつこいのは、マンション業者を除けば、「光コラボ」業者でしょうか。

今日も職場にかかってきた電話は、「NTTフレッツ光の、○○受付センター」からでした。

絶対怪しいので問いただすと、NTTとは無関係の会社であることを認めました。「いちおう別会社」だと。

社名を尋ねたら「最初に言いましたけど」という態度。どうやら「○○受付センター」が社名のようです。

紛らわしい名称で勘違いを誘うこと自体は詐欺ではないと、その業者は思い込んでいるのでしょう。

昔で言うところの、「消防署の方から来ました」と同じ、古典的な手口です。

NTTのほかには、九州電力と勘違いさせようとする電話も、ひところ多かったですね。

その2社からの電話なら最初から疑ってかかればよいのですが、税務署や保健所や厚生局の場合が困ります。

「そちらが本当に厚生局だという証拠を示してください」などと強気で尋ねられるはずもありません。

「あとでこちらからかけ直しますので」と言って、いったん電話を切るぐらいですかね、できることは。

ブログを止めるな!

『カメラを止めるな!』という、少し前に話題になった映画を、テレビで観ながらいまこれを書いています。

休診日でしたが今日はやることが色々あって、気がつくと夜9時になっていました。

当ブログは、7年近く前から毎日連続投稿を続けています。その記録を止めるわけにはいきません。

投稿の締切は深夜0時まで。そこで、やおら執筆しようと思ったその時、ちょうどその映画が始まったのです。

録画して後日観るのが通常なのですが、あえて今日は、ブログを執筆しながら観てやろうと考えました。

誤解を招かないように言っておきますが、私が映画を観るときは集中して観ます。ながら視聴は普通しません。

しかし今日の映画『カメラを止めるな!』は、「ワンカットの生中継」という設定が売り。

ならば私も、映画の開始とともに執筆を開始し、映画が終わるまでに書き終わってやろうと考えたわけです。

言うなれば「ワンカットの生執筆」にチャレンジしようという、まさに実験的企画です。

と、たったここまで書くのに1時間半もかかったのは、映画から目がなかなか離せなかったからです。

ちょうどうまい具合にCMが入るので、その間にチョコチョコッと書いて、本編が始まったら鑑賞に戻ります。

上映時間96分の短めの映画なので、ノーカットで放送しても、11時までには終わりそうです。

さて、物語は終盤。どうやらスリラー映画じゃない雰囲気になってきました。むしろコメディ。

三谷幸喜を通り越して、吉本新喜劇に近いノリですね。伏線の回収具合が、わざとらしいまでに痛快です。

ていうか、今頃言うのもアレですが、今日のブログはネタバレ注意でしたね。視聴終了。

透析中止で死亡

東京都の病院で、人工透析治療の中止を選択した腎臓病患者の女性が死亡した件が、波紋を広げています。

事実上の延命治療であった透析の、その中止を患者が求め、医師がそれに従い、患者は死亡しました。

医師は事前に十分に説明し、女性は透析中止の意思確認書に署名し、その夫も透析中止に納得していました。

透析を中止すれば「死に直結する」という厳しい説明に対して、女性は文書で同意していたわけです。

しかし、説明によって「死」を選ばせることの是非は、今後議論を深めなければならない重要部分でしょう。

予想されたように、透析中止によって死に向かった女性は、体調が悪化して苦しみ出します。

その苦しみの中で、女性が透析再開を希望する意思を示し始めますが、主治医は透析を再開しませんでした。

医師は、患者が苦しみ始めてから表明した意思よりも、「正気のときの固い意思」を尊重したといいます。

その背景には、終末期の腎不全患者の透析は「無益で偏った延命措置」であるという考えがあったようです。

この考え方こそ偏っているというのが世間一般的な論調でしょうけど、個別にはそれぞれ苦悩があるはず。

私は専門医ではなく、透析治療を主導した経験もないので、ここでは一般論を述べますが、こう思います。

(1)どのような治療も、医師からの十分な説明を受けた上での患者の意思に基づくべきである

(2)その意思表示はいつでも撤回できるものであり、医師はつねに患者の「最新の意思」に従うべきである

とは言え、断末魔の苦しみに際しての患者の「翻意」が本当に「本意」なのか、その見極めは難しいでしょう。

女性や家族の長年の苦悩と、透析の再開をあえて決断しなかった医師の思いを、私はもっと知りたい。

メディアには、医師を単純に糾弾するような浅い論じ方だけはしないでいただきたいものです。

Googleの隠しマイク

Google系のホームセキュリティシステム端末「Nest Guard」に、こっそりとマイクが内蔵されていた件。

ユーザーには知らされていなかった隠しマイクの存在が、「ホームセキュリティ」上の大問題になっています。

まず、家庭内の会話や音声が、そのマイクによって「盗み聞き」されていたのではないかという疑惑です。

Googleは、仕様の記載漏れだと言いますが、仮にそうだとしたら、あまりに重大なミスでしょう。

デフォルトではマイクはオフになっているとGoogleは釈明しますが、そういう問題ではありません。

ハッカーがマイクをオンにして盗聴する危険もあるし、ともかく、隠しマイクがあること自体が問題なのです。

賃貸住宅で例えるなら、入居者には知らせずに、天井にカメラを仕込んでいるようなものです。

大丈夫です、カメラのスイッチはオフにしてますから、と言われても納得できないのは当然のこと。

今回のことでGoogleが非難されるのは、かまいません。お灸をすえてやりましょう。Appleの商売敵だし。

しかしよく考えてみると、盗聴するためには隠しマイクが必ずしも必要ではないことを思い出しました。

その機器にスピーカーが付いてさえいれば、それをマイクとして利用することが原理的には可能だからです。

現に、PCやスマホに接続したイヤホンから盗聴するマルウェアが現れたことを、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1899.html" target="_blank" title="以前">以前</a>書きました。

つまり、たとえ盗聴するためだとしても、Googleはマイクを内蔵しておく必要はなかったのです。

なので逆に考えれば、Googleに悪気がなかったことの現れだと言えるかもしれません。

あらゆるモノがネットにつながるIoTの時代、盗聴や盗撮を完全に防ぐことは諦めるしかないのでしょうか。

壮大なワクチン実験

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2677.html" target="_blank" title="インフルエンザ">インフルエンザ</a>がまだ、ちらほら出ています。いまごろ流行している幼稚園もあるようで、驚きます。

熊本市の定点あたり報告数も、第7週 ( 2/11-17 ) よりも第8週 ( 2/18-24 ) の方がわずかに増えていました。

ワクチンを接種していても罹ることはありますが、やはり未接種の人の方が感染しやすい印象です。

いま目立つのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2055.html" target="_blank" title="溶連菌感染">溶連菌感染</a>(咽頭炎)ですね。熱と咽頭痛と時に発疹を伴い、ノドが真っ赤になります。

高熱のお子さんにインフルエンザの検査をする前に、のどをよく観察しておかなければなりません。

溶連菌にワクチンができたらいいのですが、菌と人の組織との抗原性が近いので開発が難しいらしいですね。

当院ではまだお目にかかったことがありませんが、関西では<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2669.html" target="_blank" title="麻疹">麻疹</a>、関東などでは風疹がいま流行しています。

これらを予防するために、麻疹風疹混合 ( MR ) ワクチンの接種を希望する方が、時々来院されます。

来年度からは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2680.html" target="_blank" title="風疹第5期接種">風疹第5期接種</a>が始まりますが、接種対象者には少々複雑な条件があるのが厄介です。

この問題については、後日あらためて書く予定です。

さて、毎年1万人が罹患し、毎年3千人が亡くなっている病気があります。子宮頸がんです。

ワクチンによって、7割程度は予防できるとされていますが、今ほとんど誰も接種をしていません。

積極的勧奨接種は差し控えられていますが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2626.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>は現在も定期接種。なのに接種率はほぼゼロです。

学会や国際機関が何を言っても、厚労省は動きません。

このままでは将来、先進国では日本だけが、子宮頸がんに苦しむ国として取り残される恐れがあります。

諸外国と比べるだけでなく国内でも、ワクチン接種者と未接種者で、発がん率に明確な違いが出るはずです。

これはある意味、壮大な臨床治験(または社会実験)と言えます。将来、厳しい結果が突きつけられるのです。

数十年後に、あのとき積極的勧奨接種を止めなきゃよかったね、と後悔するようなことだけは避けたい。

そのときになって国を責めても、どうしようもない。でもたぶんメディアは、こんどは国を責めるのです。

動物性集合胚

「動物性集合胚」とは、人以外の動物の受精杯(受精卵が成熟したもの)に、人の細胞を注入したものです。

その取り扱い指針がこのたび改定され、今後の研究では、動物への移植やその出産が可能となります。

注入する人の細胞というのは、「ES細胞」や「iPS細胞」といった「多能性幹細胞」です。

多能性幹細胞はこれまで、シャーレで培養したり動物組織に移植して、「分化能」の研究が行われてきました。

それが今後は、動物の胎仔の体内で分化させ、それを出産させて取り出す研究が可能となるわけです。

つまり、ブタの胎仔を使って人間の臓器を作製できるということです。そのような手法が解禁されたわけです。

病気の人のiPS細胞を元に臓器を作製すれば、病気の原因解明や薬の開発研究に役立てることができます。

健常人のiPS細胞から作られた臓器であれば、移植用臓器として使うことができるようになるのでしょう。

動物の体内で人間の臓器を作るという、映画の題材にもなりそうな世界が、現実のものとなるわけです。

しかし、移植用臓器の不足を解決する手段であったとしても、私には少なからず倫理的抵抗感があります。

いや、未来の世界では、それが当たり前の移植医療となっているのかもしれませんが。

どうせそのうちに、膵臓や肝臓ではなく、脳を作ろうとするヤカラが現れるような気がします。

その集合胚を移植された動物の赤ちゃんは、人間の脳を持って生まれてくるのでしょうか。

動物ではなく、人間の子宮に移植したらどうなるのか、もう考え出したらキリがないほどの恐怖です。

『いだてん』

NHK大河ドラマ『いだてん』について、私はこれまで一度も当ブログで書いたことがありません。

『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2287.html" target="_blank" title="西郷どん">西郷どん</a>』も『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1923.html" target="_blank" title="おんな城主 直虎">おんな城主 直虎</a>』も『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1559.html" target="_blank" title="真田丸">真田丸</a>』も、初回放送日には必ず取り上げたというのに、です。

もしかすると、『西郷どん』最終回のラストの、壮絶な戦闘シーンがトラウマになったからかもしれません。

あのラストの描き方には批判も出ましたが、大河ドラマの締めくくりとしては迫力があったと私は思います。

難を言うなら、大久保利通の最期は唐突すぎましたね。咀嚼して西郷の死とのバランスをとる余裕がなかった。

そんな重苦しい最終回を引きずりながら、年が明けて見始めた『いだてん』はどうも、ノリが軽いのです。

いえ、三谷幸喜やジェームス三木のような調子の良いドラマは好きなのですが、それにしてもタイミングがね。

ただ決して、面白くないドラマではありません。むしろ面白い。宮藤官九郎だし。

キャスティングにしても、NHKが大河ドラマで見せる「遊び」が相変わらす健在で、楽しめます。

日曜劇場『陸王』で主人公に敵対していた靴会社の部長は、『いだてん』では主人公の靴を作ってますしね。

今日の放送では、ハルビン駅で射殺された伊藤博文が『西郷どん』の伊藤と同一キャスト(浜野謙太)でした。

ていうか、朝の連ドラ『まんぷく』の牧善之介でした。

このように2年連続で<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-880.html" target="_blank" title="同じ役">同じ役</a>を大河ドラマで演じた俳優は、私の記憶では仲村トオルがいます。

そんな事が可能なのは、2つのドラマで描かれている時代が連続しているがゆえです。

しかし、近接した時代を2年連続で取り上げればマンネリを招きかねず、難しさもあろうかと思います。

それを面白くするのは、一にも二にも、脚本の力でしょうね。今後の展開に期待します。

ラミ・マレック

2日連続の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2705.html" target="_blank" title="アカデミー賞">アカデミー賞</a>関連になりますが、やはり主演男優賞のラミ・マレックについて書かざるを得ません。

『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2593.html" target="_blank" title="ボヘミアン・ラプソディ">ボヘミアン・ラプソディ</a>』では、フレディ・マーキュリーが憑依したのかと思うような演じぶりでした。

顔や喋り方をマネすることよりも、目や手足や体幹の動きを再現することに重点を置いていたようです。

モーションコーディネーターがラミに、フレディの体の動かし方を完璧にコピーさせたといいます。

そのラミ・マレックがいま主人公を演じている人気ドラマ『MR. ROBOT』を、今日初めて観てみました。

たぶんこっちの方が、彼らしい役柄なのでしょうね。ボヘミアンの方は、よほど特別なケースです。

次の『007シリーズ』の悪役にラミ・マレックが抜擢されるかも、という話がいま飛び出しています。

007の悪役といえば、容赦なくボンドを窮地に追い詰めるしぶとい存在ですが、必ず最後に成敗されます。

それで思い出すのは、ドラマ『24 –TWENTY FOUR–』(シーズン8)で見かけた、若い頃のラミです。

見た方も多いでしょうけど、テロリストの手下で、最後は爆弾ベストを着て自爆する下っ端の役でした。

その彼に、母親の声を聞かせるなどの説得が奏功し、彼はついに投降。バウアーが時限爆弾の解除を行います。

大抵の映画なら、このような場合は通常、残り時間1秒か2秒を残してギリギリで解除に成功するものです。

ですが24の場合は、そうはいきません。ついにバウアーは解除を諦め、爆発2秒前に彼を突き飛ばします。

そんな悲惨な最期を遂げた心の優しいテロリストが、ボヘミアンを観る前までの私のラミ・マレック像でした。

なので仮に007に悪役として登場しても、心底は憎めない哀れなキャラになりそうな予感がするのです。